《チート能力を持った高校生の生き殘りをかけた長く短い七日間》もう一つの語.07

の村に殘ったリンは、改めて、ドラウと向き合っていた。

「それで、ドラウ。どういう事なんだ?」「何がでしょうか?」「何がって全てとしか言いようがないと思うんだけど・・・。」「そうですね。まずは、リン様ご本人の事をお話したほうが良さそうですよね」「うん。そうだね」

ドラウは一呼吸おいて・・・。

「リン様。リン様は、"転生者”で間違いないでしょうか?」「え”?」「真命が、読めない文字、”漢字”というのでしょうか?それになっていらっしゃいます。偽裝されていますが、私にはそれを見破るスキルがございます。真命を偽裝できる事や"転生者”である事。」

ドラウは、リンを見つめている。リンからの反応を伺っているようだ。

「リン様は慎重でいらっしゃいます。」「ドラウ。僕は、まだお前を信頼できていなない。今の僕では、お前には勝てない事もわかっている。だからこそ一つ聞きたい。」「なんでございましょうか?」「お前は僕の味方なのか?敵になり得るのか?」「お味方です。といっても、信じていただけないと思います。しばらく、わたしの話を聞いていただけますか?」「あぁ初めからそのつもりだ。話を聞かないと何も判斷できない」

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ドラウは語りだした。それは、ドラウが若かった頃の話にも遡る。約300年前。一人の転生者がアマーリア王國に現れた。膨大な魔力と武力を背景に、破竹の勢いで周辺諸國を併呑していった。攻めるばかりではなく懐したり、王族だけを斷罪して國民には一人も犠牲をださないなど民衆心理に配慮しながらの國々を傘下におさめていった。それが後のトリーア王國になる。トリーア王家の話は、ドラウとしても橫道だと分かっているようで、簡単に説明しただけで終わった。初代が今の場所にニグラ街を作った時に、イスラ大森林の大討伐が行われたが、魔の襲撃に合い斷念した。その時の先頭に立ったのが、初代と若い頃のドラウだった。征伐は失敗したが、初代がドラウを呼び出して、”自分のスキルの話をし始めた”ということだ。

「初代様も、リン様と同様転生者で、使いのジョブを持っていらっしゃった。そして、世間的には、”ウォーリア”のジョブとなっていますが、事実は違います。」「なんで、そんな事をしたの?」「わかりませんが、初代様は、かっこ悪いって言って笑っていました。」「あっゴメン。橫道にそれちゃったね。それで、なんでも僕に関係してくるの?」「トリーア王家を作った初代様ですが、できなかった事があります。」「それは?」「マガラ神殿の攻略です。」「マガラ神殿?」「はい。これは初代様と私の見解なのですが、神殿の攻略時に、名付けが必要になってきます。初代様はそれが出來なくて、攻略になりませんでした。」「名付け・・・はっ!」「そうです。リン様には、”外”魔法があります。それに、名付けの為のスキルが付いていらっしゃいます。」「うん。それはわかったけど、なんで僕を急に様付けになったの?」「そうですね。まず、リン様が転生者である事と、初代様と同じジョブでスキルから、”魔を統べる者”だという事です」「”魔を統べる者”?」「はい。その話は、そういう者を私達が求めていると理解して下さい。」「・・・わかった。」「ありがとうございます。話を、ニノサからの依頼の話に戻していいですか?」「うん」

ドラウが手をたたくと、戻ってきていたヒューマが武と防を一式持ってきた。

「これは?」「防に関しては、この村で作っているでして、あまりいいものではありませんが、そこそこの防力はあります。」

素材は、イスラ大森林に居るオオムカデの殻やファイアタートルの甲羅などが使われているという事だ。當てなどの軽裝だがきを阻害しないで、必要な所を最低限守るような作りになっている。

「剣?いや、刀か?」「はい。初代様が使っていた武を手本にして作った刀です。魔にはなっていませんが、特級クラスの武になっています。魔法との相もいいです」

「それで?」「リン様に使ってもらおうかと思いまして?」「僕が?」「はい。それで、ヒューマや村の者と、大森林で修行をしてもらうのが一番だと思います。」「いやいや。いきなり出たら、僕なんて武や防が良くても殺されちゃうよ。」「・・・失禮ながらそうですね。それで、魔に名付けをしていただければと思います。ヒューマ。何名かリン様の眷屬になると言った者はいたか?」「はい。ズメウ2名とスライム族。ドラコニアン1名とヒポグリフ2名です。それに、神殿の使い魔が來ております。」「ほぉそれはそれは、リン様。今言った者たちに名前を與えていただけないでしょうか?」「・・・いいけど、僕でいいの?」「はい。」「それなら僕に異論はないよ。どこに行けばいい?」「リン様。ここに順番に呼んできます。名付けをお願いいたします。」

まずは、神殿の使い魔と言われる者がってきた。ロルフと名付けた。黒貓に羽が生えているような格好になっていて、なかなか可い。ヒト型にもなれるという事だが、貓形態の方が楽なので、そっちですごしているという。神殿までの案を申し出たが、まだまだ地力が足りないので、まずは大森林で修行をしてからになる。

ズメウは、男のペアだ。レイアとレウスと名付けた。けして、ズメウが竜である事から、某狩りをするゲームで出てくる奴らを想像したわけではない。っと誰も信じない事を、リンだけ悶ながら考えていた。

スライムはすこし変わっていた。意識あるスライムは、周りのスライムを吸収したり分したりする。実際には、一匹と數えるのが良いらしいが、名前は一つで吸収されているスライムが全部同じ名前になると言っている。ワクと名付けた。

ドラコニアンは、すでに上位種だ。立派なウロコを持つ戦士な格好をしている。カエサルと名付けた。

最後に、ヒポグリフは、馬だと言われれば納得するが、大きさがポニーの様なサイズだ。しかし、話を聞くと、今は小さくなっているのだと言っていた。大きくなると、リンが知っている馬よりも二回り位大きくなる。パスカルとエイダと名付けた。

の名付けが終了すると、魔の進化が開始された。定著するまで數日かかるという事だ。リンも、ドラウから、進化が定著してからステータスの反映が発生するから、しばらくはが痛かったりするかもしれないので、休んでいてしいといわれた。あてがわれた部屋にると、リンは落ちるように寢てしまった。

★☆★☆★☆★☆

「立花。」「なんだ?山崎か?」「あぁなれないな。」「そうだな。それでわかったのか?」「ダメだ。10人は見つけられたんだがな。ウスノロと茂手木とたちは見つからない。」「そうか、まだ來ていないのかもしれないな。」「あぁそうだな。それか、もう終わらせて逃げたか?それとも、パシリカまでに死んだか?」「神崎ならありそうだな。」

二人は顔を見合わせながら、「まぁいい。こっちのメンバーが揃えば、大丈夫だろう?それで、立花どうする?」「俺とおまえと川島は、アゾレム領に戻ればいいだろう?他の奴らはどうするんだ?」「三塚は、中里を探すって息巻いていたから、ニグラに殘るんじゃないのか?」「それなら、後數人殘って、たちを探してもいいのかもな。」「それがいいかもしれないな。」

「そうだ、森中は、教會の人間だって言っていたよな。森中と三塚と細田辺りでニグラを調べてもらうとするか?」「あぁ西沢も同じような事を言っていたぞ」「そうか?あいつはどうするって?」「アゾレムに一緒に行くと言っていたぞ、他の奴らも戻ってもしょうがないから、アゾレムに行くってな。」「そうか・・・それなら、俺の仲間って事で領主様を説得するか。」「そうだな。」

立花達は全員合流を果たしている。茂手木や子達は散り散りになっているのか・・・。

「それでどうするんだ?」「あ?」「ほら、領のなんていったか、なんとか村のだよ。」「あぁサラナとウーレンな。俺は、あの二人が、どもじゃないかと疑っている。」「なんでよ?」「領主の息子の俺から避けるように自分勝手に行して、俺達が來る前に逃げるように帰ったって話だからな」「たしかにな。來る時だけなら、偶然だって考えられるけど、帰りも逃げたとなると、その可能が高いな。」「あぁだから、ポルタ村の村長に言って二人をアゾレム街の俺の館に差し出すように言おうと思っている。その返答次第だな」

「よし、それじゃまずは、3人にニグラに殘って報収集してもらって、俺たちはアゾレムに帰って、を狩るか!」「そうだな。」

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