《チート能力を持った高校生の生き殘りをかけた長く短い七日間》もう一つの語.12
リン達は、イスラ大森林の中に作った拠點で朝をむかえた。すでに、小屋が數軒見けられる。水を確保する為に近くを流れる川からの引きれと井戸の掘削も行われ始めている。そこまでする必要はないと思ったが、レウスとレイアがオルト達から人間の街の様子を聞いて、それならばここにも同じような施設を作ると言い出した。永続的な拠點にするつもりはなかったので、程々と思っていたが、朝になって出立しようとしたリン達をオルトが尋ねてきた。
「リン様。」「オルトさん。”様”は辭めて下さい。」「いえ、助けていただいた上に、恩義をじている方を”様”呼びするのは當然の事です。」「はぁまぁでも、本當に気にしないでください。」「はい。いえ、リン様に一つお願いが有るのですが、よろしいでしょうか?」「えぇいいですよ。僕にできる事なら・・・。できる事はないですが・・・。」「そんな大層な事ではありません。ここの拠點に俺たちを住まわせてしい。」「え?いいですよ。好きなだけでここに居て下さい。」「違いませんが、違います。皆と話をして、ここに村を作りたいと思っています。ご許可をいただきたい。」「へ?」
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オルト達は、村を作りたいと言い出した。イスラ大森林の中中層に近く、魔も多い場所に村を作っても、行商人も來なければ、植者も來ないだろうと、リンは考えて、それをそのままオルトにぶつけた
「いいけど、こんな所に村を作っても・・・。」「おっしゃりたい事はわかります。俺たちは他に行くあてもないので、ここに留まるのなら、村の裁を整えておきたいと思ったのです」「あぁそうか、魔達と協力して、ムラ作りをするって事?」「そうです!」「うん。いいよ。魔の村にも連絡しておくから、必要なは流してくれると思うよ」「ありがとうございます」「それで・・・ですね。もし、今後ニグラに行くような事があったら、私かジークリットをニグラに連れて行ってほしいのです。」「いいけど・・・なんで?」「魔の素材や魔核を売って、食料や苗木を買ってこようと思っています。」「ふぅ~ん。それなら、パスカル。」
リンは、グリフォンを呼び寄せた。
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「はっ」「たしか、ヒポグリフがまだ魔の村に居たよね。協力してくれる個はいないかな?」「大丈夫だと思います。呼び寄せましょうか?」「うん。それで、オルトさん達をニグラ近くまで運んであげてほしいのだけどいいかな?」「かしこまりました」
イスラ村と仮稱しておくが拠點の準備を任せて、リンとカエサルとロルフとワクは、昨日の場所まで移してから、アロイに向かった。
「カエサル。おまえ、人との接は問題ないか?」「はい。大丈夫です。」「そうか・・・」
リンは、どうするのがいいのか考えていた。自分が主人で、カエサルが自分の護衛だと言い切る事ができるだろうか?カエサルに、自分の代わりに人との渉を任せたほうがいいのではないかと思っていた。やはり、子供では足元を見られる可能が高い。その點、カエサルなら大丈夫だろう。
リン達は、アロイの街のり口まで來ていた。
「それじゃみんな行こうか!」「はい」「「はぁーい」」
カエサルが前を歩き。ロルフが翼を収めて黒貓の姿で、リンの肩に乗り。スライムであるワクはリンの上著のポケットにっている。
「おい。とまれ。」
門番がリン達を呼び止める。
「はい。何でしょう?」
カエサルが答える。
「どこから來て、どこに行く?」
簡単な尋問の様だ
「はい。ヘルズ森林近くの村から來まして、この者のパシリカの為に、ニグラを目指しています。」
ポルタ村ではアゾレム領では問題があると困るという事で、エルフの隠れ村がある。ヘルズ森林をあげた。ヘルズ森林は、トリーア王家が保護している場所で、エルフが住んでいると言われている場所だ。その近くには、そんなエルフと易をする小さな村が點在しているのは知られている事実だ。村が小さく名前が無い場合もあり、大きく、ヘルズ村と呼ばれる事が多い。
「そうか、解った。」「ありがとうございます。守備隊の方にはこれをお収め下さい」
これは、オルトに教わった事だが、アゾレムの守備隊の一部は賄賂をもらうのが當たり前だと思っている者が多い。特に、門番をしているような連中は守る意思とかではなく、通行稅をうまくごまかしたり、通行する奴から袖の下を貰ったり、する事が目的で志願している場合が多い。カエサルには、銀貨數枚持たせて、人數分の銀貨を渡すように言ってあった。
「あぁいい心がけだ。通ってよし。街では問題を起こすなよ」「ありがとうございます。心得ております。」
リン達は、アロイ街にった。宿屋は、オルトに聞いていた。
「たしか、この辺りに・・・あぁあった、あった、ラーロ宿屋。オルトさんの昔の同僚が奧さんと開いたって宿屋だな」「はい。リン様。取り敢えず、一泊でよろしいですか?」「そうだね。僕は、ナナの店に行ってくる。」「かしこまりました。」「うん。距離も遠くないから、念話が通じると思うから、何かあったら念話で連絡してくれ」「はい。」
リンは、カエサル達を宿屋に向かわせて、自分はナナの店に向かった。せっかく來たのだから、挨拶だけでもしておこうと考えたのだ。
ナナの店の前まで行くと、何やら人が集まっている。
「ガルドバ!離しなさい。」「ナナ。アスタ。落ち著け。おまえが行ってどうなる。お嬢ちゃんが向かっているのだろう。」「だって、だって・・・ポルタ村が・・・。ニノサ。サビニ・・・。」
リンには、たしかに、”ポルタ村”とニノサとサビニという聲が聞こえた。
「ナナ!」「リン君!無事だったの!!」「無事ってどういう事だ!」「え”?」
ナナを抑えていたガルドバと呼ばれた人がリンの顔を見て
「ナナ。此奴が、ニノサの息子なのか?」「えぇそうよ。」
すこしだけ、ナナが落ち著きを取り戻した。
「ねぇリン君。」「なんだ。ナナ!」「ゴメン。すこし時間貰えるかな?」「あぁ構わない。そっちの人も事を知っているんだろう?」「ガルドバって行って、私のいい人だよ。」「ナナ。そんな事を聞きたいわけじゃない。何があったのかを教えてほしい。」
リンは心が冷めていくのが解る。慌てている人間を落ち著かせる事で、自分が落ち著いてしまう現象だが、リンは、それ以上に慌てるような事象が発生してもなんとかなると考えていた。
「わかったわ。ガルドバ。もう大丈夫よ。ありがとう。リン君。ここじゃ・・・食堂で話をしましょう」「あぁ悪いが一人呼んでいいか?連れが居るんだ」「勿論よ。でも・・・。」「大丈夫。信頼できるやつで裏切らない。」「わかったわ。」
そういって、ナナは先に店の中にっていく、リンは念話でカエサルを呼んだ。宿屋にって部屋にった所だったようだ。ガルドバは、不思議そうにみながらナナの後について行った。
3分位で、カエサルがリンのもとにやってきた。
リンは、カエサルとナナの店にった食堂に居ると思ったが、ガルドバも姿が見えなかった。
奧から聲がしてきて、食堂の奧に足を踏みれる。一つのドアの前でガルドバが立っていて、中に導した。リンとカエサルは、小部屋に通された。
4人が部屋にってドアが閉められた。ナナが手元の魔道を発すると、聲が外にもれないようになる空間が形された。
「本題にる前に、リン君に一つだけ答えてしい事がある大事な事だから、ごまかさずに教えてしい。」「なに?」「ミトナル=セラミレラ・アカマースっての子は知り合い?」「はぁ?誰だ?それ?知らない。」「青い髪で黒目で綺麗なの子よ。ミルちゃんは、リン君の事をよく知っているみたいだったわよ?」
(青い髪?ミトナル?和葉か?)
「和葉?」「そう・・・やっぱりね。これを、そのの子から預かっている。リン君が”かずは”や”うのき”と言ったら渡してしいと言われている。」「??」
リンは、紙をけ取った。
「何を書かれているのか、私では読めなかった。勿論、ガルドバもだよ。でも、リン君なら読めるかもと言っていた。」「あぁ・・・。そのの子がこれを?」「うん。」
リンがけ取った紙には、転生者の今の名前と日本名が漢字とカタカタで書かれていた。茂手木を除く全員分だ。立花達に関しては、ジョブや読み取れたステータスやスキルまで書かれていた。
「ナナ。それで、これを僕に渡した。の子、ミトナルって言ったか?どこに居る?話を聞きたい。」「アスタ。ここは、俺が話をする。リン=フリークス。俺は、ガルドバ。この食堂の料理長をやっている。と同時に、アロイ街で魔ハンターをやっている。ニノサとサビニには昔世話になった事がある。」「あっリン=フリークスです。こっちはカエサル。今修行を手伝ってもらっています。明日からでもマガラ渓谷を降りていこうと思っています。」
カエサルが軽く會釈だけする。それに合わせるように、ナナとガルドバも會釈を返す。
「リン=フリークス。いいか、俺の話は最後まで聞けよ。そこの馬鹿みたいに、飛び出したりするなよ」「わかりました。約束は出來ませんが、留意する事にします。」「・・・あぁそれでいい。回りくどい言い方は得意じゃねぇ単刀直に言う。」「はい。」
「ポルタ村が、アゾレムの息子。ウォルシャタと手下達に襲われている可能が高い。最悪、アゾレムの守備隊がいた可能もある。」「なっそれはどのくらい確度のある話なのですか?」
「それが解らない。マカとの國境の街シャルムから來た商人の話と、アゾレム街から來た人間の話だ。」「・・・・」「何人か、知り合いをポルタ村に向かわせたが、誰も帰ってこない。」「・・・・」
「その話を聞いたお嬢ちゃんが、あぁミトナル嬢だけどな、ナナからの依頼をけてポルタ村に向かったが、まだ帰ってきていない。」「それは何日前ですか?」「まだ4日が経ったくらいだ」「そうですか・・・。」「俺は、ニノサもサビニも居るから平気だって言ったんだけどな、お嬢ちゃんはリン=フリークスが危ないと思ったららしく、話を聞く前に飛び出したらしい。何かあった時に、お前さんにだけ伝言を頼んでな」「伝言?」「さっきの紙がそうだ」「あぁ・・・。4日なら、まだポルタ村に付いたくらいですよ。距離的に」「いや、馬を使っているから、早ければ今日にでも戻ってくるはずだ。それで、戻ってこないから、そこにいる馬鹿は自分が行くっていい出してな」「そうだったのですか・・・・ナナ。ガルドバさん。僕が行きます。」
「ダメ!よ。リン君まで危ない目にあわせたら、わたし・・サビニに合わす顔がない。」「ナナ。ありがとう。でも、僕は、僕の目で確かめたいだけだよ。もう話を聞いちゃったし、和葉・・・ミトナルの事も気になるし、この紙の真意も確認しないとならない。」「そう・・・。」
「リン様」「なに?カエサル。」
カエサルは、リンに念話で話を繋げた『リン様。一旦、ドラウ殿のもとに移して、確認しましょう。ニノサ殿なら不覚を取る事は無いでしょうが、ヒューマ殿なら何か知っているかもしれません。』『あっニノサの眷屬だったな。繋がりがあれば、解る事もあるという事か?』『はい。』『カエサル。僕は、この街に殘る。カエサル。ドラウの所に言って話を聞いてきてくれ。僕は、レウスとレイアとエイダとパスカルとワクとロルフでマガラ渓谷を降りてレベルアップする。一日でどのくらいできるかわからないけど、明日までに報を仕れてくれ。明日の朝。ポルタ村に転移する。』『はっ』『レウスとレイアも至急呼び出してくれ』『かしこまりました』
「ナナ。どこか、誰にも見られないような部屋を一部屋貸してしい。」「いいけど・・・理由は聞かないけど、終わったら教えてくれるんでしょ?」「あぁ俺は一日ここで過ごして、明日の朝までにミトナルが帰ってこなかったり、ニノサとサビニとユウの安否がわからなかったり、どちらかの事象が発生したら、僕はポルタ村に行く事にする。ただ帰るだけだから誰にも邪魔させない。」「「・・・」」
リンは、ニノサもサビニもいるので、大丈夫だとは考えていた。ただ気になるのが、和葉が殘していったメモに書かれていた
名前:ウォルシャタ・フォン・アゾレム(2)真命:立花薫ジョブ:ウォリア力:450魔力:110腕力:630敏捷:160魅力:10スキル:(隠蔽)隠蔽ユニークスキル:限界突破リミットブレイク(1),理無効(0),魔法半減(0),狀態異常半減(0)
という記述だ。アゾレムの息子が、ウォルシャタだという事は知っている。それが、立花だとは思っていなかったが、和葉のメモはそう記述されている。
見つけたというよりも、立花がこんなに近くに居た事への嫌悪が広がっている。
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