《チート能力を持った高校生の生き殘りをかけた長く短い七日間》もう一つの語.16
リンは、懐かしい小鳥の聲で目を覚ました。そして、自分が置かれている狀況を思い出そうとしていた。
ミルと一緒の布団で寢ている。まぁ100歩譲ってこれはいい。
ミルが自分に抱きついて寢ている。そして自分もミルを抱きしめていたまぁ1,000歩譲ってこれもいい。
なぜ、ミルが全で自分も全になっているのだ?寢たときには、ミルが全でベッドにってきたのは覚えている。なんか言い訳を聞かされた気がしたが、頭も回らなかったので、抱きしめた所までは覚えている。上は前にもいで寢ていた事があるから解る。問題は、下だ。多分、いだかがされたかだろう。問題は、そこではない。それも問題だが、それ以上に男の朝の生理現象が問題になる。今、間違いなくミルは全だ。抱きしめたで解る。絡めている足のもそう言っている。リンとミルの長差は5cmほどだ。そして、ミルはリンのの部分に顔を埋めて寢ている。すこし考えてみよう。どういう制なのか・・・。非常にまずい。意識すればするほど、大きくなっていくのが解る。
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「ん・・・。」
(ミルが起きる。どうしよう・・・。もういい。しょうがない。必殺寢たふり!)
「リン。あっまだ寢ているの?」
ミルは、抱きついた狀態から離れて、すこしだけ寂しそうな顔をして・・・。
「手を出してくれても良かったのに・・・。リン。好きだよ。小學校4年の時からずぅーと・・・私の王子様。」
(・・・・。離れてくれた・・・。)
「重久さんにも、中里さんにも、熱川さんにも、韮山さんにも、勿論、靜川さんにも、渡したくない。どうしよう・・・」
(・・・・え?どういう事?)
「そうだ・・・朝ごはん作ろう。リンに、使えるだって見せないとね。捨てられないように!負けないぞ!」
ミルは昨日いだサビニの服をいそいそと來てから、音を立てないように外に出て、キッチンに向かったようだ。
リンはベッドから這い出て、すこし落ち著きを取り戻した下半を見ながら服を探す。丁寧に畳んで枕元に”洗った”が置いてあった。深く考えるのを辭めて、服を著替えて、キッチンに向かう。
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部屋を掃除しているミルが居た
「ミル。何しているの?」「あっおはよう。リン。」「うん。おはよう。それで何しているの?」「う・・ん。朝ごはん何か作ろうかと思ったのだけど、食材も無いみたいだし、キッチンの魔道も全部馬鹿どもに壊されちゃっているみたいだから、掃除だけでもと思ったのだけれども・・・。」「そう、ありがとう。」
その時に、表に數名の気配がした。「リン!」「大丈夫。ヒューマ!」
ドアから現れたのは、ヒューマだ昨日依頼した、ポルタ村の警護や片付けを手伝ってくれる魔を連れてきてくれていた。
「リン様。この者たちに、村の中の片付けと警護をやらせようかと思っております」「うん。警護を優先してしい。誰も村にれないようにしていてしい。」「わかりました。あっ保護した二人を、リン様の拠點につれていきまして、オルト殿に預けました」「あぁありがとう。二人は大丈夫?」「はい。まだすこし混はしていましたが、狀況は把握していますし大丈夫だと思われます。」「そうか、ありがとう。後で話を聞きに行くよ。」
ヒューマは連れてきた者達に指示を出してから、自分自は魔の村に帰っていった。
リンは、ちょこまかとき回るミルを眺めている。ステータスも申し分ないが、立花達と戦うには、安全マージンが無いように思える。
「ねぇミル。僕は、これからマガラ渓谷の攻略を行うけど、一緒に行く?」「もちろん。僕も、リンに捨てられないように強くなる。」「・・・捨てないよ。むしろ・・・。」「むしろ何?」「なんでもない」「そこが大事なのに!」
ミルを無視して、家を出て村の方に向かった。ミルは、リンの背中を追いかけるようについていく。村の中央広場では、を燃やす作業をしている。腐敗臭もだが、放置しておくと、魔が寄ってくる可能もある上に、アンデッド化してしまう可能がある。一部でも殘っていると、そこからアンデッドが産まれてしまう。その為に、しっかり火葬する必要がある。骨を殘しておいても、スケルトンになってしまう可能があるが、スケルトンは骨が揃っていないと湧いてこない魔なので、象徴的な骨だけ分けて埋葬する事で問題は解決される。また、火葬しない場合でも、白魔法で浄化しておくことで対処できる。又は、祝福をけているアイテムと一緒に埋葬する事で、アンデッド化やスケルトン化は避けられる。村の中央では、大規模な火葬を行って、共同墓地として、ニノサ達が眠る近くに埋葬する事になった。ニノサとサビニがんだ事か解らないが、寂しくは無いだろう。文句を言いながらも、この村が好きだったのだから・・・。
狀況を一通り確認してから、リンはいくつかの家にった。家主が居なくなってしまった家だが、家の中ので金目のは全て持ち去られている印象がある
(あいつら、ここまでやったのなら、強盜として扱っていいよな。)「酷い・・・。」
ミルが思わず聲に出してしまった様に、各家の中にも溜まりがある。破壊され盡くしている。何もかも奪い殺していく。そんな狀況が手に取るように解る。それに、壁のアチラコチラに魔法で付けたであろう傷跡もある。何かを実験しているような印象をける。
リンは、ミルから渡されたメモも見ている。「ミル。奴らのスキルは隠蔽されていたのか?」「うん。そうだよ。僕の鑑定は、れていなくても、魔力の波が屆けば、鑑定できるし、隠蔽も見破れる。しのリンの隠蔽以外は・・・。」「”しの”は必要ないだろう・・・。まぁいい。それなら、こいつらは、スキル的には対した事無いのかもしれないな。」「あっリン。それは違うかもしれない。」「どうして?」「リンもだけど、後天的にスキルは増えるよ。」「あっそうか、それに、僕のスキルがそうだけど、吸収系のスキルを持っているとスキルが増えやすいよ」「ほう?そうか・・・。」「うん。リン。僕に刀武技を優しく発してみて、優しく、だよ。リンのステータスの武技をまともに食らったら僕死んじゃうからね」「・・・わかった。」
リンは、刀を取り出して構えてから(刀武。一の型。)リンが持っている刀が淡いを放ち始めた。そのを制しながら、ミルに向かって放った。はミルが構えていた剣に當って弾けた。一の型は、自で攻撃するではなく、始めた一個一個の粒子で相手にダメージを與えるだ。ミルは、それらを用にわした。
「ふぅ・・・びっくりした。」「・・・。」「あぁ覚えた!リン。僕のステータス確認してみて!」「あぁ・・・え?ミル。刀武技は持っていなかったよな?あぁ剣技の吸収ってスキルか?」「うん。多分それが、僕のチートスキルなのだと思う。あと、同じように、魔法の吸収もある。」「そうだな。へぇすごいな。剣技は、一度けた武技を自分のにしてしまうって事で、魔法は見れば吸収できるよ。でも、古代魔法はダメだったのだけどね。」「うん。だから、昨日。リンの魔法を見ても吸収しなかったのを見てびっくりした。ってリン。スキルの使い方や容が解るの?」「わかるよ。それが僕のチートスキル」「へぇ・・・」
ミルはリンをジト目で見つめている。
「なんだよ。」「まぁいいかぁ他にも何かありそうなのだけどな。」「うっ。別に隠しているわけじゃないぞ」「いいよ。いいよ。そのうち話してくれるでしょ?」「あぁそうだな。」「それだけでいいよ!」
中央広場に戻ると、ヒューマが戻ってきていた。獨りのエルフを連れてきていた。
「リン様。紹介します。ゴルド・シュミットです。ヘルズ森林のエルフ村の村長です」「リン=フリークス様。初めて意を得ます。ゴルドです。私の事も、ゴルドとお呼び下さい。」「解りました。ゴルド殿はどうしてここに?」「ゴルドでお願いします。”魔を統べる者”に殿呼ばわりされてるのはすこしじゃなく困ります。」
すこしだけ、ヒューマが慌てだす。
「ヒューマ?”魔を統べる者”って何?」「いえ。ゴルド殿。そのことは・・・。」「あぁ緒だってドラウ殿に言われていたわ。すまん。リン様忘れてくだされ、落ち著きましたら、ドラウ殿と儂とでご説明致します。」「・・・納得はしないがわかった。」
「それで、ヒューマ。ゴルドはなんでここに?」「あっはい。ゴルド殿は、神聖魔法を使えるので、魂を癒やしてもらおうかと思ってお連れしました。」「そうか、それはありがたい。すまない。ヒューマ。ゴルド。皆の為に祈ってくれ。仇は俺が討つ!」「解りました。」「解りました。」
それから、二人は中央で神聖魔法を行使している。詠唱に時間が必要だということだった。
ゴルドの詠唱が終わり、中央に魔法陣が出現した。そこから魂だと思われる者が昇華されていくのが解る。不謹慎だが綺麗だとじていた。しかし、この一つ一つが魂であり、立花達に殺されたのだということを忘れない。この景と共に、リンとミルは心に刻む。いつの間にか握られた手が、二人が同じ気持ちであることがわかる。
(立花!今までは、おまえがやる事に関心もなかったし、どうでもよかった。ただの鬼が喚いているのだと思っていた。でも、これからは違う。おまえは、お前たちは明確に俺の敵だ。地球・異世界。両方で、両親と悠ユウを殺した。絶対に許さない。産まれてきた事を後悔させてやる。)
「リン。」「ミル。俺に協力してくれ!立花たちに死んだほうがましと思わせる。」「うん。僕は、どんな時でも、リンの味方。地球でも、ここでも、僕には、凜リンしかいない。」
(ん?)
「なぁミル。答えたくなければ、答えなくていいけど・・・・ミルのこっちの両親ってどうなったの?」「・・・うん。殺された・・・。アゾレムに・・・。」「え?アゾレムって立花?」「ううん。アゾレム領の守備隊。」「そうか・・・・。寄りは?」「祖父母が居たけど、祖父母も殺された・・・。」「え”」「だから、僕は一人。今は、リンが居るから寂しくない。」「そうか・・・。ミル。アゾレムを潰すよ。」「うん。でも、僕はリンさえ居れば何もいらない。だから、僕のために復讐とか考えないで」「あぁ大丈夫。俺は、俺の為にアゾレムを潰す。立花達を追い詰めるために、な。」「うん。」「そして、白い部屋で・・・。」「白い部屋で?」「ミル。和葉さえ良ければ、俺と一緒に異世界に殘ってしい。地球に戻っても、誰も居ないのなら、こっちで生きるほうが楽しそうだ。」「うん!僕は、リンと一緒に居る。離れないよ。」「ありがとう。その為にも有名にならないとな。」「そのことなのだけど・・・。ねぇアドラが言った事覚えている?」「あぁ有名になった人が死ぬ人を決めていいって事だろう?」「うん。その有名って定義が曖昧だと思わない?」「たしかに、な。悪名でもいいって事だろう?」「うん。悪名の方が、人って伝わるのが早いと思わない?」「そうだな。」「だからね。リン。すこし賭けにはなるのだけど・・・。」「何言ってみてよ」「うん。立花を悪の権化みたいにして、それこそ、魔王の様にみんなに思わせてから、リンと僕とで倒すって言うのはどう?」「いいね。それ、奴なら導しなくても、悪の権化の様な振る舞いをしていそうだけどな。」「うん。アゾレムを政治的に潰せば、奴らの事だから、自分たちは被害者だって思い込んで、悪事を正當化すると思うよ」「・・・。基本的な考えはそれでいこう。」「もしかしたら、リンはそんなことしなくても、有名になるかもしれないけどね。」「どういう事?」「さっき、ゴルドさんが言っていた”魔を統べる者”って、僕が住んでいた村に伝承が殘っていて、意識有る魔の長で、100萬や500萬の魔を率いた人族の話しだって事だよ。その人族は、魔をまとめ上げて、一つの國家にしてしまったという話で、今この世界に居る、獣人やエルフやドワーフやホビットとかは、全部その國が始祖らしいよ。」「・・・そうか、立花達と決著を著けたら、それを目指してみるのもいいかもしれないな。」「うん!」
二人の方針は決まった。
「ミル。マガラ渓谷で修行して、奴らを倒すぞ。」「はい!」
ミルは、リンの腕に絡みつくようにを預けてきた。リンは、その狀態を好ましく思っている自分が居るのに気がついている。
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