《チート能力を持った高校生の生き殘りをかけた長く短い七日間》もう一つの語.21
「リン。どうしたの?」「あぁ何か忘れているなって思っていな。・・・・あぁぁぁサラナとウーレン!」「・・・まぁいいんじゃないの?神殿の攻略の方が優先度高くない?それに、サラナとウーレンも時間をおいたほうが落ち著くと思うよ。」「そうだな・・・。慌ててもしょうがないな」
リンは、正直な話をすれば、サラナとウーレンから話を聞きたかった。ミルは、これ以上リンと関わる子を増やしたくなかった。リンは、ミルの意見に賛同した形にはなったが、神殿への攻略をすすめる方が、優先順位が高いのも事実だと考えていた。
リン達は、無事神殿のり口だと思われている場所に移出來た。結界も破られた様子もない。
そこで、リンは改めて陣容を確認する。前衛は、ミルとレイアが譲らないので、二人に任せる事になった後衛として後ろを守るのが、エイダとパスカルで、戦闘時には支援魔法を行う。ロルフも最後尾に著いてくる事になった。自然と、リンとレウスが前衛と後衛の間に陣取って、両方のサポートを行う役目になった。
り口を一歩ると、約束されていたかのように、通路に燈りが著いた。「ってこいって事かな?」「そうみたい、だね。どうするリン?」「止まってもしょうがないし、進んでみよう。罠には注意してね。」「了解!」
6名(正確には、エイダの背中に乗っているロルフとリンの影の中に居るワクが居るので8名)が、神殿の敷地にったからなのか、石の扉が閉まった。
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「ロルフ!」「なぁ~に。あるじさま」「あぁここは神殿で間違いないのか?」「うん。アルセイド様が居る場所だよ」「アルセイド?」「うん。えぇぇとなんて言ったっけ・・・トリーアの名前忘れちゃった。」「・・・。」「初代様?」「そそ。彼が、神殿を攻略して解放してから、アルセイド様は、ずぅーと神殿に居ますよ。彼が自殺してしまってから・・・新たな、主が來るのを待っているのですよ」「え?待って、ロルフ。なんか、いろいろ、私達が知っている話と違う事が沢山含まれているのだけれども・・・」
ミルが慌てて、ロルフに問いかけた。「う~ん。ミル奧様。僕もあまり詳しくは知らないから、アルセイド様に聞いて下さい!」
『貴、ロルフという”名”を授かったのですね。』「あ!アルセイド様。」「なっ!」「この聲が?」
自に満ちたと言えば聞こえがいいが、怒らせると怖そうな、の聲だとリンとミルは思った。『今、失禮な事を考えた者が、”魔を統べる者”ですね。もう一人が、”その伴”で間違いないですか?』「え?」「・・・はい!」
ミルは、伴といわれた事で反応してしまった。
『まぁいいでしょう。”魔を統べる者”と”その伴”二人だけで來なさい。他のお供はそこで待機していなさい。』「・・・。」「・・・・。」
『いいですね。』「レウス。レイア。エイダ。パスカル。ここに居てくれ。ロルフとワクと一緒に待っていてくれ」「かしこまりました。」「あるじさま。僕も?」「あぁワク。僕とミルだけの二人で來いという話だ。」「わかった。待っている!」
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「ミル。いいね。」
ミルは一回頷いた。
「リン様。」「どうした?レイア。」「食料をお持ち下さい。」「あぁそうだね。ミル。この魔法の袋マジックポーチ持ってよ。」
リンは、ユウに渡されるはずだった魔法の袋マジックポーチをミルに預けた。お互いの魔法の袋マジックポーチにレイアからけ取った食料を詰めていく。飲料水は、ミルの魔法で作り出せるから、最悪はそれを飲めばいいと考えていた。
二人は荷の整理をしてから、先に進む事にした。「リン様。ミル奧様。ご無事で、お帰りをお待ちしております。」
それに、手をあげて答えてから、リンとミルは奧に進んでいく。
一本道をしばらく進むと、下に降りる階段が見つかった。二人は、並んで階段を降りていく。
降りた先には、8畳位の小部屋が存在していた。
『よく來られました。”魔を統べる者”と”その伴”。お名前をお聞きしてもよろしいでしょうか?私は、ニンフのアルセイド。しかし、このアルセイドと言うのは仮の名です。』「リン=フリークス・テルメン」「ミトナル=セラミレラ・アカマース」『テルメン様にマカマース様ですね。』「いい。僕の事は、リンと彼の事は、ミルと呼んでしい。アルセイド様。」『私の事も、アルセイドとお呼び下さい。リン様。ミル様。』「アルセイド。僕の事は、ミル奧様がいい。」『ハハハ。解りました、ミル奧様。』「それで、アルセイド。これからどうしたらいいのだ?」『簡単です。今、お二人が居るのは、この神殿の98階になります。私が居るのは、一階の管理室になります。こちらでお待ちしております。』「解った、詳細な説明ありがとう。話は簡単だね。今、アルセイドが居る場所まで僕とミルが二人で行ければいいって事だろう?」『はい。その後ですこしお願いがありますが、まずは、こちらまで來ていただければと思います。』「了解。どのくらい時間がかかるか解らないが、必ず行くよ。待っていてね。」『もちろんです。お待ちしております。』
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リンは覚悟を決めて、小部屋から外に出た。そこは、よくあるRPGのダンジョンの様になっている。しばらくは、道はまっすぐな様だ。「ミル。辺りを警戒しつつ進もう。」「うん。でも、リン。二人だけだから、できるだけ、並んでいかない?魔が出てきたら、背中合わせになれば戦いやすいと思うよ。」「そうだな。ミル。手を繋ぐか?」「うん!」
二人だけになった途端に甘い雰囲気を出し始めた。日本に居た時なら、”リア充発しろ”といわれかねない行だ。それでも、リンとミルはお互いの生命をBETしての探索だという事は分かっている。一歩間違えば、命を失う。異世界からの強制退去だという事は分かっているが、リンとミルには帰る場所もない。ここが生きる場所だと認識している。
オートマッピング機能はないが、優れた方向覚を持つリンは、そこが一本道だが緩やかに曲がっているのでは無いかと思っていた「ミル。ファイアボールの様な魔法ってまっすぐに飛ぶ?」「ん?うん。直線で飛ばす事もできるよ。」「そう・・・それなら、一つ試したい事が有るのだけどいいかな?」「・・・うん。なに?」
リンは、壁に肩を付けた狀態で、ミルに壁に並行になるように、何回かに分けて、ファイアボールを飛ばしてもらった、できるだけ遠くに飛ばすようにやってもらった結果。リンの予想通り、右に緩やかに曲がっているのが解った。それが解っても、やる事は変わらない。ただひたすら真っすぐに歩く事だ。マガラ渓谷の下にこんな構造があるとは考えても居なかった。今歩いた距離だけでも、かなりイスラ大森林よりになっているのかもしれない。
「リン。何か居る?」「あぁコボルトみたいだな。レベルは解る?」「うん。レベル2。雑魚だね。」「そうか、ミル。僕が相手してもいい?」「ん。僕はサポートに回るよ」「おねがい。」
リンは、刀を抜いてコボルトに突っ込んでいった。それに気がついたコボルトが、剣を抜いたが、そのときにはすでにコボルトの頭は跳ね飛ばされていた。當初一匹だと思っていたコボルトも更に4匹見える位置にいたので、そこにも勢いそのままで、リンが突っ込んでいって、首を跳ね飛ばした。
「業だろうとは思ったけど、これほどとは・・・。」「うん。このあたりなら大丈夫だね。」「あぁミル。サクサク進むよ。」
二人の技量と裝備なら、レベル10程度なら問題にもならない。単でも、レベル20前後の魔なら勝てるだろう。それ以上になると、単での撃破が難しくなるが、二人で連攜すれば、倒す事ができるだろう。今の技量から、レベル50前後が一つの目安になると考えている。これは、リンがカエサルからいわれた事だが、レベル2のコボルトでは指標にもならないが、まずは、苦戦無く戦えるところでレベルアップや戦闘訓練をする事にした。
今、リンとミルは、30階層に來ている。戦い始めて10時間が経過した。階層を探索しながら降りるのに、20分程度で踏破できる計算になる。
「ミル。次の階段が見つかったら、一度休もうと思うけどいい?」「うん。了解。」
何度目かの魔の討伐を終えて、探索を行った。20階層辺りから、レベルが10を超え始めて、魔核を持つ魔も増えてきている。本來なら、魔解で時間が取られるが、リンが持っている”解魔法”で魔が解される。どういう理屈なのか解らないが、素材別になるので、後は、それを魔法の袋マジックポーチにれるだけの作業になっている。何が使えるか解らないので、全部拾って持って帰る事にした。寶も有る。品としては、ポーションだったり、武だったりする。外れなのか、銅貨が數枚という事もある。ここまでの探索で辺りだったものは、ミスリル鉱石の塊が出てきた時だ。
階段の小部屋には、魔がってこない事はなんとなく解ってきた。小部屋の前には、フロアボスのように一番強い魔が配置されているようだ。この階のボスはレベル21のリザードマンの様だ。
リザードマンは、きがそれほどでもないが、武の槍がやっかいな場合が多い。ミルが最初の攻撃を行う。回り込んで、腕にダメージを與える。それを見て、リンが足に攻撃を浴びせる。こうして、徐々に力を奪っていくのが良いのだろう。無傷でリザードマン3を倒して、階段の部屋にった。
そこは、今までと雰囲気が違った。今までとは違って広い部屋になっていそうだ。中央に魔法陣らしきが書かれているが、発しないようだ。広い部屋っぽいというのが、中央の魔法時の周りに小部屋が用意されているような作りになっているからだ。一つ一つ確認して見たが、中は同じ様になっていた。
「ねぇリン。ここって宿屋っぽくない?」「あぁ僕も同じ事を考えた。」「それじゃここで今日は休もうよ。」「そうだな。」「ねぇリン。どの部屋にする?」「え?あぁそうだね。ミルが好きな部屋でいいよ。」「うん!」
リンとしては、別々だと思っていたが、疑問をあげた瞬間に、ミルが睨んだ事で、事を察した。同じ部屋で寢たほうが安全である事は間違いないので、部屋はミルに任せた。部屋にってみると、寢られるようなスペースと、キッチンスペースなのか、そんなじの場所があった。リンは、その場所で食料を取り出して、簡単な調理を始めた。探索中でも、やはり落ち著けるのなら、ゆっくり暖かい料理を食べたいと思うのは當然の事だ。
「リン。ここ、お風呂があるよ?」「え?そうなの?」「うん。トイレもある。僕使っていい?」「ん?いいよ。お風呂?トイレ?」「馬鹿!エッチ!お風呂だよ。トイレもだけど・・・。」
ミルは顔真っ赤にして、トイレにっていった。リンも後で使おうと考えていた。生活魔法で、排泄を押さえる魔法があるとはいえ、やはり辛くないと言えばウソになる。
「リン。お風呂。一緒にろう!」
ミルがトイレから出てきていきなり言い出した。
「準備するから、待っていて!」「了解。」
照れ隠しなのか、ミルはさっさとお風呂場に向かっていった。お湯を作って湯船に貯めている。お風呂は小さいがなんとか二人でれるくらいの大きさだリンもトイレにって、出てきたところで
「リン。いいよ!」「わかった。今行く!」
二人は、汗や返りで汚れたをお互いに洗いながら、お風呂にった。リンは、ミルの髪のを綺麗に洗ってから、お湯で洗い流した。ゆっくり使っていると寢ちゃいそうだったので、二人は早々にお風呂から出た。所でリンはある事に気がついた”著替え”がなかった。
著るはあるが、探索の時に著るで寢るには適さない。そもそも、こんなゆっくり寢られるとは考えていなかったので準備していなかった。
「リン。いいよ。このまま寢よ。二人だけだから大丈夫だよ。」「・・・そうだな。」
リンは無意識に、左手の薬指にハマっている指をっていた。ミルは、それを見て嬉しくなった。
「でも、まだだからね。ミル!」「・・・うん。”まだ”だったらいいよ。」
二人は、すこし狹い寢床に全のまま橫になって、持ってきた布をかけて寢ることにした。元々は一人用だった場所なのだろうが、13歳の二人にはちょっと狹い位で住む寢床だ。全で抱き合ったまま眠る事になった。
寢る前に、ミルとリンは目を合わせて、キスをしてから「おやすみ。ミル。」「おやすみ。リン。」
それだけ言って目を閉じた。翌朝。先に目を覚ましたのは、リンだった。ミルを抱きしめながらだが、なれてしまっている。なれていないのは、下半のきだけだ。ミルはそのまま寢ているので、起こさないようにを離そうとするが、離れない。より強い力で抱きしめられて、らかいをじてしまっている。制をれ替えてから、起き出す事でやっと寢床から出る事が出來た。軽く、をかした。お風呂には、昨日の殘り湯があって、もう水になってしまっているが、目を覚ますには丁度よいと思って、リンはお風呂まで水をかぶった。一気に眠気がから拔ける覚になった。部屋に戻ると、ミルも起きているようだ。まだ寢床でもぞもぞとしていた。「ミル。起きて。探索に戻るよ。」「うん。リン。抱っこ!」「なんだ、お子ちゃまなんだね。僕の姫は!」「うん。だから、抱っこ!キスしてくれなきゃ起きない!」「わかったよ。」
そう言って、全のミルを抱き寄せて、お姫様抱っこの要領で寢床から出して、ミルのおでこにキスをした「ん。ん。違う。ここ!」
ミルは自分の口を指差している。「そこは、服著て出かける時に!」「わかった。約束だよ」「あぁ」
それから、早かった。お風呂の水をミルも浴びて、をすこし冷やしてから、下著と服を來て武裝を整えて、魔法の袋マジックポーチから食事を取り出して、二人で食べた。
「リン。行こう!」「あぁ」
部屋から出る時に、リンはミルを抱き寄せて、にキスをした。れるくらいの優しいキスから、深くを確認するようなキスをした。
「ミル。今日も頑張ろうな。無理しないで、無理だと思ったら、ここに戻ってきて、休んでから再度アタックすればいいからな。」「了解!」
リンは、萬が一勝てそうになかったら、ここを拠點にしてレベルアップを行えば良いと思っていた。幸いな事に、倒した魔や道中の採取で食事にこまる事はなさそうだ。それに、ここは今のところ安全地帯だと思って問題はなさそうだ。
昨日と同じように、二人で並んで進んだ。この日も順調に階段を見つけて、下っていく事16時間。間に休憩を挾んで、今、60階層に到達した。
「さて、60階層の攻略を行いますか!」「うん。もしかしたら、この階層に昨日止まった様な場所があるかもしれないからね。」「そうだな。」
60階層もそれほど複雑な作りにはなっていなかった。なん箇所かの分かれ道はあったが、複雑なものではなかったので、無事フロアボスだと思われる魔が居る場所に著いた「リン。此奴で最後っぽいね」「あぁミル行くぞ!」
ミノタウロスと呼ばれる魔で、レベルは40。勝てない魔ではない。ただ、大きく暴力を形にしたような斧が厄介だ。
「ミル。斧を魔法で飛ばせないか?」「やってみる。」
ミルは、灰魔法で斧の周りに気流を発生させてから、赤魔法で炎の塊を周りに出現させた。熱せられた空気の渦がミノタウロスの斧を攻撃し始めた。それを見てから、リンは背後に回り込んで、斧を持つ腕に連撃を浴びせた。ミノタウロスが斧と落とした事で圧倒的に有利になった二人は、ラッシュを浴びせた。ゆっくりとしたきで、ミノタウロスが地面に出來た、自分の溜まりに倒れ込んだ。時間的に5分間の戦いだった。
「おつかれ。ミル」「リン。もうすこし、突っ込むのを待って、魔法のキャンセルが間に合わなかったら、リンもダメージけたかもしれない。」「・・・あぁそうだね。ゴメン。でも、ミルなら絶対に解ってくれると思ったし、あのタイミングしかなかったからね。」「・・。うん。でも、次は念話でもいいから一聲かけてしい。もうし強い魔だと対処が追いつかないと大変。」「そうだね。そうしよう。次から、そういう事も含めてやってみよう。」「うん」
階段を降りた場所は、二人の予想通り、宿屋風になっていた。31階層にあったと同じになっている。二人は、同じようにお風呂にってから、今日も全で抱き合って眠るのであった。
翌朝も同じような出來事があり、探索を開始した。魔のレベルも上がってきている。レベル40半ばから50の魔が出てくる。採取できる素材も上位素材に変わってきている。取れる數がなくなって來ているが、鑑定で見ると上位素材だという事が解る。
それでも、リンとミルはそれほど苦労する事なく踏破出來ている。武が優れているのもだが、やはり、リンのステータスがレベル相當ではない事が影響しているのだろう。それに合わせて、二人とも連日の魔討伐でレベルも上がっている。その上昇分で考えても、當初よりも楽になっているのは當然だろう。
この日は、13時間をかけて、90階層に到達した。おそらく、ここも30と60階層と同じようになっているのだろうと思って、ここで休憩する事にした。最後のフロアボスは、レベル60のオーガとトロールの混だ。一一釣ってから倒す戦略で時間はかかったが、二人はなんとか倒した。
91階層の始まりは、やはり宿屋風の部屋になっていた。またまた同じように過ごした。
翌朝。同じように探索を開始しようとして、部屋を出た時に、辺りが一変した。
「はぁ?」「へ?」
リンとマヤは、迷宮ダンジョンに広がる青い空と自然かな草原を見て、言葉を失った。
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