《チート能力を持った高校生の生き殘りをかけた長く短い七日間》白い部屋

「やぁやっぱり、君達二人だったのだね。他の子は見なかったの?韮山タシアナさんとかは?」

神崎凜と鵜木和葉は、お互いの手を握りあった狀態である事に気がついて、手を離す。「今更だと思うけどな・・・。それよりも、どうだった?」

「アドラ?」「そうだよ。みんなの味方。観測者アドラステーアだよ?」「おまえぇぇぇ」「凜君。落ち著いてね。ほら、深呼吸。深呼吸。」

凜が立ち上がって、アドラを追い回す。和葉がそれを見て、何か考えている。「リン。ここ魔法が使える!古代魔法なら実行出來るよ。」「え?あ!本當だ。アドラ・・・。」「あっバレた。」

「もういいよ。それで、アドラ。あれは何?」「ん。もう一つの可能だよ。」「それはわかったから、しっかり説明する為に、僕とミルをこっちに呼んだのだろ?」「あぁ・・・そう正面から言われると・・・まぁそうなのだけどね。」「アドラ!なんなら、ここがどこか知らないけど、結界もろとも吹っ飛ばす事もできそうだけど・・・試してみる?」「あぁ解った。解った。話すから・・・まったく、誰に似たのだろう・・・。」「・・・」「・・・」「はいはい。あのね」

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アドラが語ったのは、リンとミルがさっきまで追験していた世界は、”もう一つの可能”だけど、実際に行われた事なのだと言っていた。神々の悪戯ラグナロクとマノーラ神が言っていたのは、神々の遊戯が正しく、パーティアック神が、地球を含む世界の支配権をした事から始まっている。エリフォス神が管理する領域にも、パーティアックは手をばしていた。自分の世界の住人を転移させ、侵略を試みた。しかし、それに気がついた、エリフォス神がアドラに協力を求めてきた。魂が強い人間を転移させ、それに対抗した。その為に作られたのがトリーア王家だ。リン達が想像した通り、トリーア王家の初代様は日本人だった。それも、初代様と言っていた名稱も実は、”初代はつだい"という名前だと判明した。初代の活躍も有り、パーティアックから転移された者達は駆逐された。しかし、全員が倒されたわけではなく、一部殘った者が北方連合國ノーザン・コンドミニアムに去って今のパーティアック國を作った。

「アドラ。そんな事を聞いているのではないのだけれども・・・。」「うん。解っているけど、これを知っておいてもらわないと・・・。」

アドラは話を続けた。パーティアックは、それでも領域を諦めていなくて、何度も代理戦爭をふっかけてきたのだという。エリフォスは、その都度、ヒト族や獣人や意識有る魔を連させて抵抗した。現地の時間で、300年間続いていた。パーティアックは、地球が含まれる世界の支配権もしたが、アドラが寸前に察しして、パーティアックに渉を求めた。それで始まったのが、凜達高校生の生き殘りをかけた戦いだ。最初は、パーティアックやアドラが高校生に干渉しないで戦わせた。その結果、リンの圧勝だ。最初の2年で勝負がついてしまった。マノーラ神の手助けがあった事から、パーティアックが試合の無効を要求して、再度行う事になった。何度やってもリンの圧勝になってしまって、前々回の戦いのときには、パーティアックが立花達に神託を出しまくったが、リンはそれも跳ね除けた。ただ勝ち切る事が出來ずにほぼ引き分けの狀態で終わったしまった。そして、さっき見せた映像は、一回前のだと、パーティアックとマノーラがお互いを監視しながら行ったのだが、やはり、リンの圧勝になってしまった。再度、因縁を付けてやり直しを要求したパーティアックだったが、アドラもエリフォスもいい加減にしてほしいと、思い始めていた。いくら神々の世界はやることがなく暇でもこう何度も何度も繰り返していると面白みがなくなってくる。パーティアックはそれがみなのかと思うくらいやり直しを要求してきた。

マノーラから、パーティアックに一つの提案が行われた。パーティアック國なら直接パーティアックが影響力を行使できるのだから、パーティアック自らが顕現して、戦いに參加すればいい。変わりにマノーラも影響を與える事にした。自の分とも言える。マナを近くに送り込む事にした。

「それで、アドラ。今回は何回目なの?」「ん。9回目だよ。」「9回?」「そ、9回目。」「・・・そうか」「うん。だから、今回で絶対に終わりになるように、パーティアックがやりたいようにさせている」「・・・ん。もしかして・・・。」「そうだよ。凜君たちには、パーティアックに勝ってしい。」「はぁ?神の一柱でしょ。何考えているの?」「うん。まぁ最近の様子を見ていると、なんとかなりそうだけどね」

「アドラ。」「何かな?ミル嬢?」「僕が知りたいのは3つかな・・・」「ん?僕が答えられる事なら嬉しいな。」「うん。是非、アドラに答えてしい。」「・・・・」

「9回目って事だけど、さっきみた、凜と今の凜で違いはあるの?」「ないよ。同じ個だよ」「了解。それなら、なんで、開始が同じなら、なんで、途中の作が違ってくるの?」「あぁ・・・。正確には、君達は同じだけど、世界は違うからかな」「やはりね。多重世界なのでしょ?」「・・・うん。」「そう・・・。」「あぁ安心して、君達21人は本當に同じだからね。」「解った。それは信用する。」「良かったよ。」

「アドラ。もう一個の質問。僕が、ここで古代魔法を使えるって事は、地球でも古代魔法は普通に使えるって事だよね。地球とあの世界の違いは?」「・・・う~ん。違いはまったくないよ。」「そう。でも、この空間はあの世界で一般の人たちが使っている魔法は使えないよね?」「そうだね。古代魔法は、理のある魔法じゃなくて、君達の世界・・・地球にも存在していた魔がベースだからだよ。」「どうりで・・・僕達が理解しやすいのだね。」「うん。ミル奧様の質問はそれだけ?」

「ううん。最後の質問。凜を含めて。僕達は、あの世界で不老不死狀態になっていると思うけど、地球ではどうなるの?古代魔法が使えるということは、不老不死のまま?」「・・・・そうだね。魂に刻まれた事だから、不老不死の可能があるよ。」「そうだね。3人死んでいくって言うのも、僕達の中から3人選ぶと、それも難しくなるって理解でいいのだよね?」「・・・そうなる。だから、君達には勝ってしいけど、最終的には、君達以外が死んでいく道を選んでしい。」

「それは無理だね。8名が殘る事を希しているからね。その場合、僕達はパーティアックを滅ぼした。後で、全力で観測者アドラステーアに挑む事になる。」

ミルが何を心配していたのかやっと理解した。先送りにしかならないが「ミル。まだ先の事だからね。その時に、みんなで話して決めよう。それに、僕の考えでは、平行世界でしか無いのなら、強い魂を分離して僕達が二箇所に存在しても問題ないだろうし、もしダメなら、時空を解る魔法でも開発しよう。それでも難しいのなら、僕達が神になってしまえばいい。方法はいくらでもあるからね。」

「・・・」「・・・」

「アドラ。今回で終わりにしよう。僕も、いい加減。あいつらの顔を見るとたまらなく不機嫌になってしまう。」「そうだね。リン君。今回で終わりにしよう。その為にも、君達には、パーティアックが要求した5年間の休戦にも応じてもらった。もう譲歩の必要も無いだろう。」「わかった。取り敢えずは、5年で何ができるかやってみるよ。」「うん。また次に會えるのを楽しみにしているよ。」

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