《チート能力を持った高校生の生き殘りをかけた長く短い七日間》幕間 パーティアック

「おい。西沢。まだ、三塚と川島と森中は見つからないのか?」

西沢は、しだけ考えてから「あぁそうだな。パーティアックの奴らを使って調べては居るけど、どこに居るのかわからん。」「殺されているのか?」

「俺もそう思って、パーティアック神に聞いたけど、それは無いようだ。どこかに捕えられているらしい。」「なんだ、奴らまだ生きているのか?」「あぁそうだな。それよりも、山崎。リン=フリークスは、本當に神崎凜じゃないのだろうな?」

山崎は、ムッとした表をして「何度も言わせるなよ。パシリカ後で俺が実際に鑑定したのだぞ。それに、立花だって、って確認したのだから間違いないだろ。」

「・・・。あぁそうだな。でも、それじゃ誰かが、地球の知恵を付けているとしか思えないのだけどな。」「だから、それはMOTEGI・・・あっそういう事か・・・。」「あぁMOTEGIは生きている。神崎凜もたちも全員生きている。パーティアック神がそう言っていたから間違いない。それに、トリーア王家で生きているのだろう。」「そうだな。俺も、全員を鑑定したわけじゃないけど、ギルドの職員は初期の段階でかなり鑑定したけど、一人も居なかったからな。」「・・・だから、考えている。どこに居るのか?と・・・な。」

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西沢は、やはり、リン=フリークスが神崎凜ではないかと疑っている。確たる証拠は無いが、ほぼ間違いないとさえ思っている。ただ、証拠がないし、逆に証拠が出てきた場合に、絶対的な知名度の差が生まれてしまっている事の証明ににしかならない。仮に、リン=フリークスが神崎凜だった場合に、奴はもう一國の王になってしまっている。それも、7つの神殿を手中にして、ギルドのトップとして、トリーア王家に隣接する國家では、知らない者がいないと言わざるを得ない。そして、ルールの確認の時に聞かなかったが、もし、知名度の調査で”獣人”や”亜人”まで含まれたら、正攻法では覆せないレベルになってしまっているだろう。だからこそ、西沢はなんとしても、リン=フリークスと神崎凜が別人である確たる証拠がほしいのだ。それを聞いている、立花や山崎は考え過ぎだと言うが、西沢は、鑑定を誤魔化す方法があるのではないかと考えている。そこに、ステータスを隠す魔道や再現された日本食が大量に出回ってきた。それだけでも、生きている可能を考慮しなければならない自だ。西沢が一番不思議に思っているのが、”神崎や茂手木だけでなく、達も一人も見つける事が出來ていない”事だ。そして、先日に発表されたテルメン王家の建國の言葉。それだけではなく、同時に発表されたリン=フリークスの婚約者の殆どが、同い年だという事実。もう王家の人間が居るのにもかかわらず、最初に名前が出てきたのがミトナルというである事実。これらの事から、西沢は確信に近い思いを持っている。だが、その確信が事実だった時に、どう巻き返していいのか考える事が出來ない。

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(立花に悪名をかぶってもらうしかないか・・・。立花と山崎に話をしないとならないだろうな。)

西沢は山崎と一緒に、立花が生活している居城に移した。

「西沢。山崎。れよ。」

部屋から立花の聲が聞こえてきた。新しいでも買ったのか、が服を持って下がっていった。

「立花。いい加減にしておけよ。」「なんだ、西沢。まだお前、リンとかいう奴を疑っているのか?」「あぁお前もあの宣言見ただろう?俺は、奴が神崎だと確認したぞ」「そりゃいい。奴を殺せば、どもも俺のになるのだろう。」

西沢はため息をらすのがやっとだった

「立花。はっきり言わないとわからないのか?」「何をだよ。」「お前も解っているのだろう?このままだと、俺たちはジリ貧だぞ。負けるとは思わないが、かなり”やばい”狀態になるのだぞ」「わかっている!なんどもいうな!だから、こうしてお前や山崎と話をしているのだぞ。何か、考えられたのだろうな。」

「はぁ・・・。立花。お前、現狀を甘くみてないか?」「何をだよ。俺たちは、パーティアックをほぼ手中におさめているのだろう?」「あぁそうだ”ほぼ”でしかない。」「だから、なんだ。お前が言う通り、リン=フリークスが神崎凜だったとして、奴は小さな島で王様気取りなのだろう?」「だから、それが間違っているって言っている。山崎の部下からの報告を聞いただろう?奴は、商業の中心になろうとしていて、それも”ほぼ”出來ている。周辺國も、北方連合國ノーザン・コンドミニアムを除いて全部その通商條約に加盟するのが決定して、それらの國々にはギルドが出來ている。小さな島と言うけど、面積で言えば、今俺たちが収めている領地の何倍にもなるのだぞ。報告では、迷宮ダンジョンの中まで街を作る事ができるという事だぞ。お前でも、この意味解っているのだろう?」

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西沢は、一気に話しきった。

「うるさい。だからなんだ。だったら、俺たちだけで乗り込んで全員殺せばいいだろう?話は簡単だろう。な。そうだろ山崎!」「あぁ・・・だが、戦いを見ていた奴らの話だと、川島の腕を簡単に切り飛ばしたらしいからな。俺たちだけで、負けるとは思わないけど、勝つためには相手の事を知らないとな」「それは、川島が弱いからだろう?ステータスも俺の半分以下だったし、どうせ、油斷でもしていたのだろう?」「それは、そうだけど、立花。俺たちだけで戦うにしても、報は必要だろう・・・。」

「あぁそうだな」

西沢は辺りを見回した。「そう言えば、立花。橋本の姿が見當たらないけどどうした?」「あぁ最初の事は、その辺で俺のお古のを犯していたけど、飽きたって言って、數人の配下を連れて出ていったぞ」「なっ俺は聞いてないぞ。」「あぁ俺が許可した。ここに居てもうるさいし、食料は多いほうがいいだろう。それに、近くを通る商人を襲って報を仕れてくるって言っていたからな。」「・・・な。それでいつ出ていった。まだ帰ってこないのか?」「4~5時間前じゃないのか?」

「山崎!人數を集めてくれ、それと、加藤を呼んでおいてくれ。」「おぉぉ慌ててどうした?」「三塚や川島や森中は一人の所を狙われた。どうやっているのか解らないが、一人になるのは危険だとあれほど言ったのに・・・。」

「西沢。そんなに慌てなくても大丈夫だろう。橋本もレベルもステータスもカンストしているのだろう?お前が気にしているように、神崎が生きていても大丈夫だろう。逆に、殺して首を持ってくるかもしれないぞ。」「それならそれでいい。俺たちは、もう誰一人として失うことが出來ないのだ。分かっているだろう」「おおぉぉ怖い。怖い。そうだな。山崎。頼むわ。」

◆◇◆◇◆◇◆◇

「立花の奴も俺を何だと思っているのだ。」

「橋本クンジナ様。よろしかったのですか?」「何がだ!」「いえ・・。西沢ゴーチエ様からは一人で行するなと言われていますが・・・。」「あぁいい。奴のことなんか気にするな。それにしてもむしゃくしゃする。魔はまだ見つからないのか?別に人でも獣人でもエルフでもいい。早く見つけろ。商隊が近くを通るのだろう?早く補足しろ。」

「はっ!」

そこに斥候に出ていた人間が帰って來て、リーダに耳打ちをした。

「橋本クンジナ様。前方500mの街道を、獣人8人に護衛された。エルフの商隊が通るようです。どういたしましょう?」「あぁは?」「エルフが3名で全員だという事です。」「ほぉ勝てそうか?」「容易な事かと・・・。」「よし、行くぞ。は俺の所につれてこい。獣人は好きにしろ」「はっ」

橋本クンジナの命令と共に、10名の人間が武を持って近づいていく。音に驚いた、護衛が、エルフに何やら話をして、商隊を止めて、迎え撃つようだ。

「はっん。俺に勝てるつもりで居るのか?丁度いい、むしゃくしゃしていた所だ、殺されても文句いうなよ!」

橋本クンジナは、先頭を切って一番手前に居た獣人に切りかかった。剣と剣がぶつかり、辺りに音が響き渡った。數合打ち合って、獣人の力量がわかったのか

「弱いな。ほら、行くぞ!」

さらに、剣に力を込めた橋本クンジナは、獣人に切りかかっていく。その他の場所でも、1対2になるように數的有利な狀況で攻めている。

「安心して、死ね。は俺が好きに使ってやる!」

橋本クンジナが一人の獣人の剣に力いっぱいの斬撃を浴びせた。剣は折れる事はなかったが、獣人は耐えきれなくなって、短い言葉を殘してふっとばされた。

それを合図に、獣人達は総崩れになった。橋本クンジナ達は逃さないように周りを包囲して、ジリジリと追い詰めていく。

取り囲んでいた人間たちも、獣人を追い詰めて下品な言葉を投げかけている。

商隊の馬車の中に居たひときわしいエルフの一人が立ち上がって、笛を拭いた。

「なんだ諦めたのか?可い顔しているな。俺のにしてやるからこっちに來い。そうしたら、怖い思いをしなくて、すぐに気持ちよくしてやるからな。」

中央の短髪にしているエルフは、橋本クンジナをみおろしている。

「蛆蟲が・・・あの方達と同じだとはとても思えない・・・。」「なっ!お前たち、獣人を皆殺しにして、あいつらを俺の前に連れてこい。いい腕の一本位飛ばしても構わない。」

周囲を囲んでいた人間たちがゲスな笑いを浮かべながら一歩一歩近づいてくる。

その瞬間に、橋本クンジナ以外が地面に倒れた。

「え?」

「形勢逆転のようですね。今更命乞いなんてしないでしょうから、オルトロス。楽にしてあげて」「エミール様。我もそうしたいとは思いますが、ご命令とは違います。どうか、ご自重をお願いいたします」「そうでした。忘れていました、あの人からもそう言われているのですたね。よかったですね。命までは取らないですよ。貴方だけは・・・ね。」

「なめんなよ。!」

橋本クンジナは、エミールに力任せに剣を振り下ろした。當たったと思って、笑みを浮かべたいやらしい顔が、みるみる恐怖に変わっていく。肩にめり込んだと思った剣が、の細腕で、いや正確には、指二本で止められていた。

「なにかしました?いいですよ。全力で切りかかってきても。」「・・・ははは。そうか、後悔するなよ。」「次に私のに剣が屆かなかったら、足を一本もらいましょう。」「・・・なめんな!」

間合いを取り、助走を付けて懇親の一撃を浴びせる。

「殘念!」

エミールは、この斬撃も避けるでもなく、剣でけるでもなく、指二本で剣を摘むといった方法で防いだ。

「オルトロス!」「承知!」

一匹の狼が橋本クンジナの足を駆け抜けた。その瞬間に、橋本クンジナのはバランスを崩して、倒れ込んだ。

自分に何が起こったのか解らないが、地面に倒れた事は理解出來た。理解できた途端に、足から激痛が脳にまで屆いた

「ぎゃぁぁぁぁ!!!俺の・・・・俺の足・・・いでぇぇぇえぇぇ。誰か、早く、治せ。何している。」

「あら?まだご自分の立場が解っていないようですね」

エミールは、橋本クンジナから奪った剣を倒れ込んでいる、橋本クンジナの目の前に突き刺した。

「助けてくれ。俺はなにをもしていないだろう。な。な。助けてくれたら、好きななんでもやる。」「本當ですか?」「あぁ約束する。だから、な。助けてくれ。治してくれよ。」「いいですよ。本當に、私がしいをくれるのですね?」「あぁ約束する。だから、な。助けてくれよ。」「いいですよ。」

エミールは、治療魔法で止だけをした。そして、オルトロスに言って、橋本クンジナの切斷された足を持ってこさせた。「この足を全部食べたら、命は助けてあげますよ。出來ないのなら、この場で殘った足と腕を切り落として全にして放置して帰ります。どうしますか?」「なっ・・・。食べます。食べます。だから、治してくれよ。助けてくれ。」

「ダメですね。やっぱり予想通りの展開ですね。これは、あの人を褒めればいいのか、此奴がその程度なのか判斷出來ませんね。」「エミール様。どうされますか?」「そろそろ、お迎えが來るでしょうから・・・。」

「あぁそうですね。あちらはどうしますか?」「無視でいいそうですよ。此奴の腕も切り落としてから、ワーウルフを呼び出して、私達も退散しましょう。」「はっ!」

エミールは、オルトロスに命令して橋本クンジナの利き腕を切斷させた。切斷した腕に剣を持たせて、その場に放置した。殺した衛兵は、ワーウルフ達が損傷している。偽裝工作だが、やらないよりはやったほうが増し程度のだ。そのまま、エミール達は神殿に転送した。監獄に橋本クンジナをれた事を、リンに報告した。

◆◇◆◇◆◇◆◇

「遅かったか・・・橋本は?」「いません。」「どういう事だ!」

西沢は急いで駆けつけたが、もうその時には、エミール達は立ち去った後だ。

「はっ一人も見當たりません。」「そうか・・・。魔に襲われたか?の損傷からワーウルフだろう。一匹、二匹程度ではしものがやられるとは思えない。商隊を襲っている所を、後ろから襲われたか?」

「馬車は無事なのか?」「はい。食料も無事です。」「何?本當か?」「はい。そうか、結界をはっていたけど、商人たちは橋本達を見て逃げたのだな。その後、橋本達は後ろから魔に襲われたって所だろう・・・・。でも、すっきりしないな。何か、奧歯に挾まっているような覚だ。」「・・・。」「まぁいい。と馬車を持って買えるぞ。支度をしろ。」

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