《チート能力を持った高校生の生き殘りをかけた長く短い七日間》宴・表

建國祭が明日に迫った。リン達は最終確認を行っている。すでに、各國から招待客も訪れて、マノーラ神殿の宿屋で明日に備えて貰っている。

リンとミルとアデレードは、ここ暫く謁見やら商談やらで、疲れ切っていた。明日に響くという事で、今日は一日ゆっくりと過ごす事になった。

「アデレード。やっと建國祭だね。ローザスとフレットももう來ているのだろう?」「さっき、兄様と話をしてきた。フレットと二人で街中を散策してくると言っていた」「大丈夫なの?」「大丈夫だろう。ファンも居るし、兄様の所にも眷屬が居るし、フレットにもついているのだろう?あれほどの護衛は他にいないと思うぞ」「それもそうか・・・。安全ならいいよ。危険人島はなるべく避けているし、タシアナ作の魔道も持たせているから大丈夫だよね」「そうじゃな。そんな事しなくても大丈夫だと思うがな」

他の妻達は、今日は屋敷で休むと言っていた。「ミルとアデレードは、この後なにか用事あるの?」「妾は、兄様に會いに行く予定じゃ」「僕は何もないよ?」「そう、タシアナは?」「屋敷で寢るって言っていたよ。」「ルナは、ハーレイの所か?」「うん。」「エミール達は?」「モルト達と明日の最終準備をしているよ。」「マルティンは・・・ウォード家に挨拶に行っているのだよね?」「あぁそうじゃな。」

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「ウォード家とミヤナック家に行った方がいいと思うのだけど・・・・」「リン。それはダメじゃ。」「なんで?」「お主は、一國の國王じゃ。それが、隣國の宰相家と有力貴族の家に行くは、嫁の出だからと言ってもいいじはけない。妾から、マルティンとルナに話して、両家には屋敷に來るように言っておく。」「わかった。ありがとう。アデレード。」「なに、こういう事をいうために、妾がいるのだからな。」「うん。それじゃアデレードお願い。僕は、ミルと一通り見て回ってくる。」「わかった」「アデレード。よろしく。僕は、リンとデートしてくる!」「ミル。最後の一言がなければ、気持ちよく送り出せるのにな」「えへっ!」「褒めてないわ!可いから許されるとでも思っているのか?」「そんな事ないよ。僕が絶世の人である事には違いないけど、アデレードも十分可いよ!」「ミル。おまえな・・・。まぁいい。リンの事頼むな。」「もちろん。」

アデレードが、ローザスの宿に向かった。

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「リン。それでどうするの?」「う~ん。取り立ててやる事がないのだよね。」「それなら、久しぶりに、迷宮ダンジョンに潛って、お風呂って、明日に備えない?」「そうだね。適度な運にもいいだろうからね。」「うん!」

ミルとピクニックに行くようなじで、どの神殿に潛るかを考えていた。途中で料理長のシャイドに言って、つまめるを作ってもらった。

完全に、ミルはデート気分だ。実際に、リンとミルの二人を傷つけられる者は存在しないだろう。それでも、二人は慎重になっている。何かあったら、皆に申し訳ない思いがあるからだ。ミルの従魔になっている4名を呼び出した。それに、トリスタンを加えた。7名のパーティだ。過剰戦力である事は間違いないが、レベル200オーバの魔が居る迷宮ダンジョンに潛る事にしたので、慎重に行く事にした。

ミルが今依頼されている採取で、アゲートと言われる寶石がターゲットになっていると言っていたためだ。サクサクと本當にピクニックに向かうように、迷宮ダンジョンを歩いて行く。自分で作った迷宮ダンジョンだから、ほとんどのトラップに引っかかるような事はなかったが、忘れているトラップに引っかかりそうになって、従魔に止められるような場面が何度かあった。

最下層に近づいてきて、さすがに刀を抜く事が増えてきた。それまでは、魔法でふっ飛ばしていたが、最下層當りからは素材も貴重である上に今取りに來られるのが一部の眷屬だけだから、素材も持って帰ろうという事になった。

楽に倒しているわけではないが、張するほどのでもない。

リン達はサクサクと踏破して、目的のが採掘できる場所にたどり著いた。ミルが眷屬たちと採掘をしている最中に、リンもトリスタンと近くで採掘を行っている不思議空間の為に、一つの寶石だけではなくいろんな寶石が採掘されるので、ついでだからという事で、リンも採掘を行う事にした。

「リン。ありがとう。目的のが集まったよ。」「そう?もういいの?」「うん。時間も遅くなったから、屋敷に帰ろう。」「了解。」

従魔とトリスタンは、暫く狩りをしてから帰るという事で、リンとミルだけ転移魔法で、裏ギルドに寄ってから屋敷に帰る事にした。裏ギルドで、ミルが納品作業をした。

「ミル。そう言えば、アゲートって最下層まで行かなくても採取できるよね?」「うん。今回の依頼は、アゲートはアゲートでも、魔素を浴びたアゲートだったからね。」「そうだったのだね。」「タシアナの所が、なんか新しい魔道で試したいって書かれていたよ」「へぇ」

ミルが手続きを終わらせて、リンの腕を取った

「帰ろう!」「あぁ」

リンとミルは屋敷に戻った。皆居るはずだと思っていたが、自分の部屋で休んでいるようだ。起こすのも悪いので、そのまま風呂に向かう事にした。

「あ!リン。先にっていて、僕もすぐに行く。」「わかった。いいよ。ゆっくりで、ね。」「うん。それじゃ後でね。」

ミルは、自分の部屋にった。リンは、そのまま風呂場に向かった。所で服をいで、自分のスペースになっている場所でを洗ってから、サウナに向かった。

サウナにって、汗を流していると、ミルがイリメリとサリーカとタシアナとフェムを連れて風呂にってきた。

「ミル。皆起こしたの?」「うん。だって、僕だけでお風呂にったら、絶対に怒られるし、リンを襲わないでいられる自信がなかったから、ね。」「なに?リンは、私達と一緒にるのは不満なの?」

フェムが可く、ほっぺを膨らめながら言ってきた。

「そんな事ないよ。フェム。ただ、疲れていると思っただけだよ」「疲れているよ。でも、久しぶりの一緒のお風呂だからね。」「そう言えばそうだね。」

ここ暫く皆準備で忙しくて、風呂も別々にる事が多かった。従者とだけの風呂だとを洗って、すこし溫まったら寢てしまう事が多かった。

「ルナは、ミヤナック家に言っているの?」「うん。今日は、あっちに泊まって、明日の式典につれてくるって言っていたよ。」「そうか・・・それじゃアデレードもそうするのかな?」「ううん。アデレードは、夜には戻ってくるって言っていた。さすがに、トリーア王家の現國王と一緒って言うのは不味いでしょ。」「そういやぁそうか・・・。」

「ん?そう言えば、マヤは?」「裏の準備があるからって、さっき、トリスタンが言っていたよ。」「あぁそれで、トリスタンも帰っていたのだね」

皆が頷いている。皆で浴槽に、浸かりながら近況を話している。各々がやっている事は、リンには報告があがってきているが、連攜が必要ない以外では、なかなか知らない事が多い。そんな話”も”している。しかし、大半が子としての話になっている。リンとしては、耳を塞いだりしたほうがいいのかとも思っているが、嫁達が気にしないで話しているので、聞かないふりをする事に決めた。

「ねぇリン。」「なんですか?奧様?」「そういうのは、子供が出來てからにしてしいな。」「はいはい。それで何?イリメリ。」

イリメリの話は、明日の式典の時の服裝の事だったが、それはもう以前に決めているし、サイズ合わせも終わっている。

「それは、もう決まっているよね?」「あっ言い方が悪かったね。式典は式典でも、夜のパーティの方だよ。」「え?僕は、晝間の式典のままで出るつもりだったよ?」「ダメだよ。リン。ダンスもあるし、それなりの服裝にしないとね。モルト達が気合れていたから楽しみにしていてね。」「えぇぇぇ面倒だな。」「ダメ。私達とのダンスもあるのだからね。誰を最初にうのか決めておいてね!勿論、私を一番にってもいいよ。」「イリメリ。それは違うでしょ。最初は、僕だよ。ね。リン。そうだよね。」

皆が一斉に全の狀態でにじり寄ってきた。

「落ち著いて、ね。お願いだから、誰が一番かって、そんなに大事なの?」「「「「だいじなの!」」」」

「・・・はい。ごめんなさい。それなら、ダンスを踴らないっていうのは・・・。」「「「「もっとダメ!」」」」

「あ!それなら、フレットかアルマールかカルーネっていうのは?それか、サラナやウーレンや、ナナって選択肢はなしで考えても、マヤが無難なのかな・・・。」「マヤか・・・しょうがないか・・・。僕が一番に踴りたかったけど・・・。」

複素の問題もだけど、ダンスなんて踴れるのか不安になってしまった。なんとなると言うのが嫁達の発送だが、心配になってしまったリンは、夜に帰ってきたアデレードに一通りのきだけは教わった。心配していたような激しいではなく、簡単な足さばきだけでなんとかなりそうだ。結局、ダンスはアデレードが一番に踴ったというオチまで付いて、その日は、ルナ以外揃って布団にって眠る事になった。

翌朝。エミール達に起こされたリン達は、有無をいわさずに風呂に直行させられた。全で寢ていた事もあり汗などはなかったが、客前に出るためにも、髪型や軽く化粧もするという事で、一度さっぱりしてくる事を強要された。風呂からでたら、そのまま人形の様に、メイドたちに著替えをさせられて、髪のをいじられたり、化粧をさせられている。

リンの出番は最初だけ挨拶をすれば終わりとなる。後は、各國の代表が祝詞を言うのを黙って聞いていればよい。建國祭は、數日間行われるが、リンの出番は初日と最終日にまとめられている。

開催の挨拶をリンが行ってから、賓客の紹介になる。司會は、モルトが行っているので、全部おまかせである。リンと関係が深い國から呼ばれるようだ。最初にラーロさんが呼ばれた、明らかに挙がおかしい。最初だと知らされていなかったのだろう。気楽に構えていたら、大事になっていたという雰囲気がある。娘のベイラちゃんは、宿の従業員の子供や學校の友達と早々に街に出かけているようだ。最後は、トリーア王家のローザスとフレットがってきた。その後も問題なく式典は続いていく。一通りの挨拶が終われば、次は自由時間という名前の施設見學會になっている。嫁達が賓客達を卑屈化のグループに分けて、施設を案する事になっている。

リンとローザスとフレットは、そのまま球技大會が行われている場所に移した。ローザスが率いるトリーア王家チームは、明日の試合が控えている。その下見と敵視察が主な目的だ

「リン君達は出ないのだよな?」「そりゃそうだ。僕達が出たら優勝間違いなしだろうからな」「お!言ったな。フレット聞いた?リン君達は僕達にも勝てるらしいよ。」「ローザス。いくらお前たちが慣れているって言っても、僕達には勝てないよ。」「やってみなきゃ解らないだろ?な。フレット。君からも言ってやってよ。」「陛下。そんな子供みたいな事をおっしゃらないで下さい。」「フレット。ここは、僕と君とリン君しかいないから大丈夫だよ。」「そういいましても、陛下。」「フレット?」「はい。はい。アルは、そう言っても、リン君達には・・・ハンデを貰えればいい勝負になるとは思うけど・・・。」「ほら、君の奧方もこうおっしゃっているし、いい加減に認めたら」「リン君。その奧方って言うのは・・・。止めてほしいのだけれども・・・。」「フレット夫人って言い難いよ。やはり、奧方で・・・ね。」「フレットって呼んでいいから、止めて。お願い。この前も、さんざんイリメリやフェムにからかわれて大変だったのだよ。」

「ローザスも納得していないみたいだから、いいよ。ローザスのチームが優勝できたら、エキシビションでミルと従魔のチームと戦うって言うのはどう?」「君は出ないの?」「僕は、見ているよ。萬が一、ミルに勝てたら、次は僕が勝負をけてあげるよ。」

そんな約束をしたが、結局球技大會の優勝は冒険者チームで、室競技の方は、ラーロさんの娘のベイラ率いる従業員チームが全競技の優勝をもぎ取っていった。ローザスのチームは、言うのもかわいそうになる位の慘敗だった。それも、特別參戦した學校選抜チームに慘敗だった。

各國の王家や貴族は、この球技や競技の盛り上がりを見て、自分達の國でも行いたいと、テルメン王家に問い合わせが殺到した。箱だけは各國で用意してもらうとしても、道などは大量に用意していたので、それをお土産代わりに持たせる事にした。

こうして、數日間に渡った”表の建國祭”は終わった。

これから、毎年テルメン王家として祭りを開催する事になった。祭りというよりも、球技大會と室競技の大會を行う事になった。

ちなみに、ダンスの順番は、最初にマヤと踴った。その後は、マヤと踴った時に、近くを通ったウェイターの持っていた飲みがリンにかかってしまって、あえなく退場になってしまった。しかし、嫁達はリンがかせるのに、わざとそうしたのではないかと疑っている。それは、邪推に寄るものだったが、正鵠をていた。

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