《チート能力を持った高校生の生き殘りをかけた長く短い七日間》停戦協定終了
「リン。どうするの?1週間後が停戦協定の終了する日付だよね?」「あぁ書狀をトリーア王家から送ってもらう事にしている。」「どんな書狀?」「簡単な書狀だよ。『停戦協定を延長する準備がこちらにはある。金貨で1萬枚用意いただければ、1年間の停戦協定の延長を行いましょう』要約するとこんなじかな?」「リン。これって・・・」「ん?停戦協定の延長のお願いかな。」「お願いしている。つもり?」「勿論、最初の案は下品過ぎて卻下されて、2案目は、文學的に劣っていて卻下されて、3案目は尊大すぎると言われて卻下されていた。」「そう・・・それじゃこれが、文學的で下品ではなく、尊大ではない。書狀なのだね。」「そうだよ?何か問題でも?」「いや、おぬしと兄様に任せたのが間違いだった。宰相は何も言わなかったのか?」「え?ハーレイ。相談してないよ?僕とローザスだけで決めたよ?」「はぁ・・・。フレットにも言っていないだろうな。」「うん。勿論。」「もうわかった。我らの旦那様は・・・これだから・・・。」「飽きなくていいでしょ?」「そうじゃな。リン。」「今日は、アデレード?昨日、サリーカとエミールが來るって聞いていたけど?」「なんじゃ妾では不満か?」「ううん。そんな事あるわけない。ただ、サリーカとエミールが調崩していたら嫌だなと思っただけだよ。」「違う。違う。それは大丈夫じゃ」「そう・・・ならいい。なんか、最近、みんなして僕に隠し事してない?」「あぁそれも違うな。」「なら・・・なんなの?」
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アデレードは、リンの問いかけに答えないで、リンに抱きついてキスをしてきた。自分が著ていたガウンをぎ捨てて、二十歳になってますます磨きがかかったでリンに抱きついた。
そのまま二人で寢る事になった。リンは、後で聞いた話だが、特有の日だったので、サリーカとエミールは遠慮したのだ。
翌日、食堂に皆が久しぶりに集まった。マルティンもマノーラ神殿の屋敷で暮らす様になった。ミーシャとウィンザーに関しても同じだ。二人は人したので、リンから指が送られた。そして、ささやかなだけの結婚式があげられた。
「リンよ。書狀の返事が著たらしいな」「うん。當ててみてよ。」「そんな事・・・斷るって事じゃないのか?」「ううん。外れ!『一度會談したいって返事だったよ』」「・・・うけるのか?」「そのつもりだよ。」「相手は?」「エスタール・ティロンとイアン・ブォーノとロラ・ゴーチエだね。アゾレム國王は來ないみたいだよ。」「こっちは?」「僕とミルとローザスとハーレイかな。後は、タシアナとアデレードが一緒の方がいいかな?」「そうね。私も行きたいけど、足手まといになりそうだからやめておくよ。」
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イリメリがそういうと、ルナとフェムが頷く。
「でも、エミール達は?」「今回は遠慮してもらって、眷屬から従者を選んで連れて行くよ。」「え?」
以外そうな顔をしたのがエミールだけだ。
それから、リンは簡単に説明した。まず日取りの事だが、向こうが指示してきたのが、停戦協定が切れる翌日だという事。會見場所が、神殿とパーティアックの中間地點となっている事。この中間地點だが、実際には、ロラ・ゴーチエが収めている國から3時間程度の距離にある。當日に國王であるアゾレムが來ていない事。
これらの事から、奴らは「僕らが『停戦協定を餌に、奴らをおびき出している』と考えて、それなら、自分たちが『僕らを罠にはめようと考えた。』罠にかけるつもりの僕らを逆手に取って罠にかけるつもりだと思うよ。」「わかったけど、わかりにくいな」「そうだね。だから、僕達は、罠にかけられたフリをして慌てて逃げ出す事にするよ。」「それで、エミール達は置いていくのね。」「それもだけど・・・」
「なに?リン。まだ何かやろうとしているの?」「うん。だけど、かなりギリギリの事だから、誰かの反対が有ったらやるつもりはない。そのつもりで聞いてね。」
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リンが語りだしたのは、たしかにかなりギリギリの事だ。どうせ、奴らは僕らが會議の席上にった時に、しばらくしてから襲いかかるだろう。もしかしたら、立花が隠れていて、突っ込んでくるのかもしれない。それは、アッシュが監視しているから容易に解る事だろう。オルプネ神殿に各自が2,000程度の眷屬を率いて待機している。會談が決裂した瞬間に、皆に率いられた眷屬が転移門トランスポートを使って一斉に配置に付いて、攻め始める。
停戦協定は守られた。5年間しっかりと約束は守った。翌日に、向こうから仕掛けられて、反撃を行った。
これが、正式なコメントになる。今までと違って、立花が存在する。その事からも危険度は跳ね上がる事は間違いない。
それでも、これが一般の人々に被害が及ばない最良の手段だと思っている。リンが悪名をける可能もあるが、それでも、これを承認してくれたら、実行したいと思っている。
ミルから質問があるようだ「僕とリンはどうするの?」「ローザスとハーレイを安全な場所に逃がすか、眷屬にガードさせた狀態で、僕とミルで突っ込んでくるであろう部隊を返り討ちにする。」「そう、そこに立花が居ても?」「あぁそのつもりだ。でも、尊大な奴の事だから、後方でふんぞり返っているかもしれない。」「それなら僕は賛だね。」
「タシアナは?」「私はもとから反対しないよ。リンがやる事を助けるのが私の役目。それに、私の獲は殘っているみたいだからね。」「ありがとう。ロラ・ゴーチエは、タシアナに任せるよ」
「サリーカは?」「私も賛だよ。でも、一つだけ約束して、リンとミルは絶対に帰ってきてね。」「あぁ大丈夫。もう一度全員で會おう。」
「ルナは?」「私もリンの側にっと思うけど、今回はミルに譲るよ。相手がアゾレムなら余計に、リンとミルだろうからね。」「ありがとう。ルナも無理するなよ」
「フェムは?」「私は、リンの歩く所を見ているだけだよ。だから、反対も賛もしない。でも、約束して、私達の所に返ってくるとね」「大丈夫。約束するよ。圧勝して帰ってくるよ」
「アデレードは?」「妾は、今回の戦いには反対じゃ。」「そう・・・。」「でも、リンやミル達に取っては必要な戦いなんじゃろ?正直に言えば、あんな奴ら、リンやミルが直接退治する必要はない。妾とエミール達で十分じゃ。でも、それじゃダメなのだろう?」「あぁそうだね。今回は僕が直接戦う必要がある。それで、やっと皆と対等になれる。」「わかった。ミル。リンを頼むな。」「うん。アデレード。大丈夫。僕は、リンを守る。」
「マルティン。ミーシャ。ウィンザー。今回は、君達にも重要な役割がある。」「何でしょうか?」「トリーア王國に、眷屬を率いて陣を作っていてしい。君達が防衛ラインになる。ローザスとハーレイを逃がすまで、君達が盾になってしい。危険な場面が出て來るかもしれない。でも、君達3人なら大丈夫。できるか?」「はい。リン様。私は、大丈夫です。」「リン兄。大丈夫。守りきる。だから、だから、絶対に、」「解ったよ。ミーシャ。安心して、僕もミルも誰も死なないよ。帰って來て、みんなでバーベキューに行こうね。」「うん」「リン兄。ミル姉。私も大丈夫です。トリーア王國を守ってみせます。」「うん。頼むね。」
「エミール。アスラ。イブン。ウナル。オカム。君達には神殿の防衛をお願いする。後、遊撃の立場で、攻勢に回ったり、守衛に回ったり、流的にいてしい。」「はい。解りました。」
最後に殘っているイリメリに向き直ったリンは「イリメリ。」「分かっている。私は、後方で全の狀況を把握しつつ皆に報を伝えればいいのでしょ?」「うん。イリメリにしか頼めない。一番信頼しているよ。また甘えちゃうね。ごめん。」「もう。いいよ。思いっきりやっちゃって!」「あぁ」
方針は決まった。すぐに、イリメリが裏ギルドに移して、サラナとウーレンに眷屬の招集を頼んだ。そこから、裏居城に移して、マヤとニンフ達にも同じように最終決戦が近い事を告げた。各直屬の従魔達に、眷屬の再配置を行う事になった。マヤもヒト型ではなくニンフの姿でリンに付き従う事になった。他のニンフもそれぞれの加護者についていく事になった。本として、リンとミルと二名のニンフ。ミルの従魔とリンの従魔。竜族の5名と竜種の4名の合計24名だ。ヒューマは、イリメリについていく事になった。裏の居城には、アッシュとサラナとウーレンが連絡係として居てもらう事になった。
後は、それぞれの従魔に500ずつの眷屬がしたがって、合計2,000の軍となる。それに、兵站部隊が100名ついていく事になる。今回の作は電撃作戦で長期戦は考慮しない。その為に、最低限の兵站になった。萬が一長期戦になった時には、裏居城から兵站部隊が出ていく事になる。
11部隊。総勢23,100名。
対するパーティアックは、アッシュが把握している総數は、約30萬。人數だけなら10倍以上になる。
今回の勝利條件は、リン達は生き殘れば勝ち。奴らは、一人でも撃ちらしたら負けなのだ。そして、奴らは、その後でトリーア王家を滅ぼして、テルメン王家を滅ぼしてやっとリン達と対等な立場になれる。リン達は、一人に欠ける事など考えていない。完全勝利を目指す。
後一週間。もう戦爭は始まっている。
アッシュや眷屬たちから続々と報があがってきている。先行する形で、マルティンとミーシャとウィンザーには、眷屬を従えて、國境近くで陣を張ってもらっている。本人たちの訓練も兼ねている。本格的な戦闘にる前に、眷屬への伝達の訓練をしておく必要がある。補佐として従魔達が居るので、大きな問題にはならないだろうとは思っている。陣を張った近くの村に、野盜化した者達が居るという事で、3人に討伐依頼を出した。3人は、眷屬を使うでもなく、マルティンが囮になって、ミーシャとウィンザーが野盜を討伐する事で対処した。リンは苦笑しながら褒めていたが、イリメリとアデレードが飛んでいく勢いで3人のもとに移して、説教を始めた。結果だけを見れば、それで良かったのかもしれないが、仮定が良くない。もっと違う作戦を考えるべきだったと正座させながら説教をした。やはり、イリメリは委員長屬が強いのだろう。説教を終えた三人を抱きしめながら、心配させないで・・・。それだけで、3人はイリメリとアデレードがこんなに怒った理由が解った。そして、しっかり僕にも他の嫁にも謝罪をしてきた。
そんな些細な事件は発生したが、大きくは問題にならない。奴らが僕達の裏をかこうとしている狀態を把握して、その裏をかこうと準備をしている。転移門トランスポートを設置して、一気に背後に出る作戦だが、奴らは、トリーア王家に展開している兵力を見て安心してしまっているようだ。相変わらず、神殿への諜報活を行っているようだが、アッシュが全部防いでいる。商人に関しても、4年間は通していない。島國ではないので、絶対に通していないとは言わないが、それに近い監視網は出來ている。
會談の日が明日に迫った。本來ならもう移を始めていなければならないが、転移すればすむだけで、すでに會談の場所として指定された場所には、眷屬を數名張り付かせて、小さな小屋が作られている。向こうもそれを監視しているのだろう。寢靜まった頃に、リンとワクが移して、一夜城の様に、一夜にして小屋を立派なお屋敷に作り変えてしまった。それで、トリーア王國の陣地に戻って、最終的な打ち合わせをする事になった。
「リン君。それで全部君任せでいいのだよね?」「あぁそれでいい。ハーレイも何かなければ、僕にまかせてほしい。」「解った。」
幾つかのパターンで話し合った。一番可能が高いのが、決裂だろうとは3人とも考えていた。しかし決裂にもいろいろあるので、それらのパターンを洗い出している。一番厄介なのが、延長をむが、レインの引き下げを言ってきたときだ。頑としてけ付けないという方法もあるが、それではこちらが頑迷で決裂したと言われても反論出來ない。それならどうするのかという時に、フレットがお茶を持ってきて、「それなら、変わりに安全保障とかの名目で奴ら國にリン君の眷屬を1,000名とか滯在させて、その費用を負擔させれば?」と言い出した。地球という世界の日本という島國に大國がやっている事だな。基本路線に関しては、それぞれのパターンでの話し合いが終わった。イレギュラーケースは話し合ってもしょうがないので出たとこ勝負にする事が決まった。
「なぁローザス。関係ない事だけど、一つ確認していいか?」「なに?我が親友よ。」「フレット・・・。」「あっ気がついた?」「あぁやっぱりそうなのだな。」「うん。3ヶ月になった所だよ。安定しているし、フェム嬢とかに會いたいって話だったし、連れてきた。」「そうか、おめでとう。男の子だといいな。」「そうだな。」「ハーレイもこれで一つ肩の荷が下りるじにならないの?」「あの馬鹿夫婦のおかげで俺の苦労は3倍になっている。それに子供だぞ。5倍位で収まればいい。そうだ。リン。ローザスとフレット嬢の子供も、おまえの所の學校にれるからな。」「え?面倒にしか思えないから遠慮したいのだけど・・・。」「ダメだ。決定事項だ。それに、アルマール嬢とカルーネ嬢の所も妊娠したらしいぞ。」「え?そうなの?でも、もう5年だよね。妊娠位するよね。」「あぁおまえの所は?ルナはどうだ?」「まだだね。それに、僕達は多分子供がすごく出來にくいと思うよ。」「そうか・・・。でもな、父や母が気にしてな。」「そうだよね。それじゃ今度、アデレードとルナと遊びに行くよ。この件が片付いたら、いろいろまたやらなきゃならないだろうからね」「あぁそうしてくれ」「ねぇリン君。僕の所にも遊びに來てよ。」「はい。はい。解っているよ。何か新しいお土産考えて行くよ。」「うん」
明日、リン達の運命をかけた一戦が始まる。そんな雰囲気もなくゆるい空気のまま3人は別れた。
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