《チート能力を持った高校生の生き殘りをかけた長く短い七日間》殘り4人

最終決戦に位置づけた戦いは、深夜帯に靜かに開始された。屋敷の周りに居る襲撃者が魔法を放つ前に、8方向にそれぞれお眷屬が飛び出し、魔法使いを無力化していく。ミルが戦場を駆け抜けるように、全員を気絶させていた。

ミルが戻ってきた「リン。こいつらあまりにも弱すぎるよ。これなら、マガラ神殿の30層辺りのゴブリンの方が強いぞ」「そういうなよ。かわいそうだろう。」「そうだね。リン。まずは、誰から行くの?」「今、連絡を待っている所。やはり、全員自分の街に引っ込んで居るみたいだから、外に逃げられないようにしてもらっている。」「そうなのか?」「うん。その準備が終わった所から順番に行こうと思っている。」「最後は、パーティアックなのだろう?」「そうだね。ラスボスには役者不足だけどね」「あぁ立花じゃ足りない。」「うん。最後にして全部の報が集まってからだね。」

捕えた者達を、オルプネ神殿に送り屆けてから、屋敷に戻って休んでいると、イリメリから連絡がった。

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イアン・ブォーノが立てこもる街の包囲が終了したという事だ。転移が使えないので、影移を使って、移した。そこには遊撃になっているはずの、アスラが待っていた。

「どうしたの?」「サリーカ奧様と私でリン様とミル奧様をお待ちしていました。」「そう?確か、ルナも居たよね?」「はい。ルナ奧様は、イリメリ奧様と合流するとおっしゃっていました。」「そう、解った。ありがとう。サリーカは?」「城壁近くにいらっしゃいます。」「解った。ありがとう。」

ミルと従魔達を連れて、城壁まで移した。簡易的なテントの様な場所に、サリーカが居た。

「あっリン。連絡聞いた?」「細田が立てこもっているのだろう?」「あぁ本人はまだ知らないって考えた方がいいかもしれないけどね。」「そうなの?」「あぁ中を探っていた眷屬から、奴はまだ夢の中らしい。」「へ?誰も起こしに行かないの?これだけの狀況だよ。」「そうみたいだよ。それに、殆どの幹部は捕縛しているからな。奴の城には、奴とメイドだけだし、メイド達も奴隷のようだからな。」「へぇ~。それじゃ無理だね。」「早速、捕縛に向かいますか!」「あぁ一応注意してくれよ」「うん。ありがとう。ミル。行くよ。サリーカはどうする?」「そうだね。細田に會うと殺してしまいそうだから、やめておくよ。」「解った。それじゃ、後でね。捕縛したら連絡するね。」

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まるでピクニックに行くような軽さで、リンとミルは眷屬を連れて城壁の中にっていった。襲われるでもなく、城まですんなりと行く事が出來た。パーティアックの守備隊が居ると言われていたが、もうすでに片付いてしまっているようだ。

リンとミルは、二人だけで城の中を歩いて行く。よくある話では、玉座の間なんかに待っていて『よく來たな』なんて始まるのだろうけど、ここには玉座の間なんては無いようだ。

「ミル。どうする?一気に攻める?」「う~ん。それでもいいけど、すこしからかうのもいいと思うけどね。」「そうだね。丁度ここって執務室だよね。」「そうみたいだよ」「ここで待っているから、カエサル。イアン・ブォーノを捕縛してきて!」「かしこまりました。」

それから、15分後に、バイエルンとファントムに両脇を押さえつけられた狀態で、細田ブォーノが連れてこられた。

「久しぶりだね。細田。」「神崎!」「あぁそう呼んでくれるのだね。嬉しいな。それで、今死にたい?それとも、後で死にたい?」「・・・。」

リンは、刀を一閃させた。細田ブォーノの左腕を切り飛ばした。聲にならない悲鳴を上げる。

「何?どうしたの?」「おまえ・・・。」「あれ?まだ立場解っていないの?」

今度は、右足の膝から下を切り落とした。

「リン。そんな事すると、死んじゃうよ。」「そうだった。忘れてたよ。」

回復魔法で、切り落とした腕と腳を復活させた。

「それで、細田。おまえはどうしたい?山崎や西沢や立花と同じなのか?」「・・・違う。俺は、違う。頼む。な。な。神崎君。助けてくれよ。」「あ”?助ける?何から助けたらいいの?」「俺、死にたくないよ。」「そうだろうな。誰だって死ぬのは嫌だからな。でも、ここで死んでも白い部屋で待つだけだろう?それじゃ嫌なのか?」「・・・頼むよ。俺、何も・・・」

「何もしてない?そんな事無いでしょ?」「・・・・頼む。許してくれ。」「揃いもそろって、同じだよね。だから、何を許せばいいの?言わないとわからないでしょ。」「・・・」

リンは、また刀を振るう。今度は、左手を切り飛ばした。すぐに止して、失死にならないようにだけした。

なくなった、左肩を抑えて、「許してくれ。な、神崎君。お願いだよ。」

「はい。はい。そうだよな。お前は、何に僕が怒っているのかさえもわからないのだろうね。いいか、加害者が忘れても被害者は忘れない。お前たち10が悠を殺した事は、僕は許さない。でも、今はお前たちを殺さない。冴木と同じようにしてやろう。楽しいだろうな。神が壊れるまで繰り返してやる。」「・・・辭めてくれ。お願いだ。なんでもする。許してくれ。」

「だから、おまえそんなに頭悪いのか?何を許してしい?そして、なんでもするのなら、いいよな?冴木と同じで、仲間の食料になってくれれば助かるからな。大丈夫。回復魔法はかけてやる。死なないように食住は保証してやる。家畜の様に飼ってやる。長いだろうな。後約7年。毎日じゃないのか、冴木と代だから、3日に一度だるまになれるのだからな。」

逃げようと、暴れるが、両脇を抑えている。バイエルンとファントムを振り切る事など出來ない。基本ステータスも違えば、スキルも違う。

「おいおい。あんまり暴れるなよ。間違って殺してしまったら、食料の役割が果たせなくなるだろう。」

「なぁ神崎君。許してくれよ。俺は、本當に一緒にいただけで、何もしていないのだよ」「へぇそうか、それじゃ同じ事を、韮山里穂に同じ事を言って許してもらえたら僕も君を許して、冴木と同じにはしないよ。」「・・・韮山?」「そう、おまえと橋本と西沢が、萬引きを咎められて、殺した夫婦の娘だよ」「なっ・・・なんで、それを・・・。」「知らないと思ったの?この前、親切で教えてあげたのに、なんで分からなかったの?あの時に逃げるか、謝罪の言葉を里穂に送っていたら、対応も違ったのにね。あぁ橋本は全て話して楽になっているよ。」「違う。あれは・・・そう、西沢が、西沢が全部やったのだ。俺じゃない。だから、韮山には・・・俺、殺される。」「そうそう、決めた二人は、僕と和葉が一人ずつ決めて、あと一人は里穂か清水結が決める事になっているからね。」

全くの噓ではないが、3人共リンが選ぶ事になっている。それに関しては、全員の一致した意見だ。誰を選んでも恨みっこなしという事になっている。

「頼む。神崎君。俺を助けてくれ。本當に・・・なんでも、そうだ。俺、君の弟さんがなくなる時に、居たを知っている。君に紹介する。そうしたら、立花や山崎や西沢の事を訴える事が・・・。」「あぁそれもう必要ない。二人のだろう?お前たちがナンパしようとして逃げられそうになって、追いつけて暴しようとした、二人なら、すでに見つけて話を聞いてある。悠の事を話したら、一人は証言してくれると言っているらしいからな。」「なっ・・・それじゃ、俺・・・。」「そうだな。犯罪者だな。悠の時には、どういう罪狀になるか解らないけど、里穂の両親の時の奴は、なくても殺人罪になるよな。」「・・・そうだ、証拠は?証拠がないよな?」「あ?そんな事、必要だと思うか?」

意味がわからないようだ。教えてやる義理はないと考えていたが、ミルがリンに向かって頷くのが見えた。

「白い部屋での事を覚えているだろう?アドラはなんて言った?『現地で培った力は、全部ではないけど地球に持っていく事もできるからね』だったかな。この意味は解るか?」「・・・・。」「そう、魔法やスキルが持っていけるのだよ。」

その時に、部屋に屋敷に居た、奴隷メイドを連れてこさせた。

「このメイドは、君の奴隷だよね?あぁ別にいいよ。それを責めたりしているわけじゃないからね。さて見ていてね。」

そういうと、リンは一つの魔法を発した。

「なっ」「そう、これは隷屬を解除する魔法だよ。そして、勿論、逆もできる。地球に帰ったら、君とすれ違いざまにでも、隷屬魔法をかけてあげるから安心して、君のステータスじゃ防げないのは解っているよ。」「や・・・辭めて下さい。お願いです。許して・・・。」

細田が膝から崩れ落ちる。

「今までも、君達はそうやって、許してと言った奴らを嘲笑して弄んだね。今度は、自分がそれをやられる番になっただけだよ。嬉しいでしょ。」「・・・。許してください。」「だから、何を許してしい?おまえの何を許せば気が済む。」「弟さんを殺す所を止められなくて・・・「細田!違うだろう?おまえも一緒になって悠を殺したのだろう!」」「・・・。そうです。許してください。罪を償います。」「どうやって!悠の事はすでに事故で処理されている。自首しても意味ないぞ。そんな事で、族が納得すると思うのか?」「・・・。許してください。どうしたらいいですか?」「知らんな。今から考えれば、7年後にはいいアイディアが浮かんでいるかもな。それから、里穂の件もだからな。俺よりも、里穂の方に謝った方がいいと思うぞ。まぁ會いたくないって言っているから、會えなくなってしまうかもしれないけどな。」

「神崎君。頼む。韮山さんに、なんでもするから・・・許してしいと・・・。」「本當に、頭悪いね。疲れてきたよ。」

心が壊れ始めているのだろう。ブツブツ何かをつぶやくだけになってしまっている。

「バイエルン。こいつを、冴木アンジョロと同じ場所に放り込んでおいて」「解りました。」

イアン・ブォーノが部屋から出ていってから、後始末と言わんばかりに、奴隷から開放されたメイドに回復魔法をかけてから、他にも同じ境遇になっている者達を集めてくるようにお願いした。料理長をはじめかなりの人間に奴隷紋が刻まれていた。

話を聞くと、ロラ・ゴーチエが隷屬の魔道を持っているという話だ。全員を開放してから、年長者である料理長に話を聞くと、地下に元々の王族の皇子が捕えられているという事だったので、地下牢に降りて開放した。皇子はまだ10歳になったばかりだと言っているが、メイドや料理長の対応を見ていると、そんなに悪い印象はけない。

サリーカに連絡をして、眷屬と共に來てもらった。そこで、皇子と面會して、サリーカが一時的に駐屯して、治安回復や修繕を行う事を告げた。

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