《小さき蒼雷の魔法使い》第四話「出逢い」
ゴブリンを躙したあと、ライガは呆然と立ち盡くしていた。
「え? 強すぎない? ゴブリンの力は俺の倍くらいあったはずなんだけど」
雷槍をけたゴブリン達は跡形も無く消し飛んでしまっていた。ゴブリンであれば魔法の実験に丁度いいと考えていたのだが、今回の件で考えを改める必要が出來た。
それにどう考えても可笑しい點がある。なぜゴブリンを消し飛ばせるほどの威力を持つ魔法を放つ事が出來たのか。
「もしかしたらステータスの見落としがあるのかも知れない。見てみるか」
ステータスを確認しようとしたライガは、後ろに気配をじ振り返った。そこにはゴブリンの生き殘りが三匹こちらを睨んでいる。
ライガは急な事に焦りを覚え、魔法を無意識に使い雷槍を造りながら振う。
「――っ!? 『雷槍』!」
振るわれた雷槍は雷撃と衝撃波を放つ。
そしてゴブリンは消滅した。
「…………。やりすぎだ」
ビックリして咄嗟に振るったとは言え消し飛ばしてしまうとは思わなかったライガは、周りの様子を確認して改めてステータスを見る。
Advertisement
「ステータスオープン!」
――ブオゥン!――
ステータス
名 前:ライガ
種 族:人種?
別: 男
年 齢: 3
レベル: 7
職 業:___
稱 號:転生者 探索者 魔導師の子
拳聖の子 ???
次のページへ→ (1)
ステータス
力:360/360
魔 力:321/330
狀 態:雷纏い(微小)
魔 法:蒼雷 時空
スキル:纏い 鑑定 危険察知
魔力作 魔自然回復力上昇
←前のページへ (2)
ステータスを見る限り特に変化しているところはない。それよりも魔力の減り合にライガは驚愕した。
「かなり強力な魔法っぽい奴を使ったのに魔力が九しか減ってない? この世界の事が良く分からなくなってきた」
実際に魔力がほぼ減っていないことから、そこらの魔に苦戦することは無いだろう。
そして、レベルとスキルも増えていることから先ほどよりも若干だが強くなっていることが分かる。
「自分のステータスをもっと詳しく見る方法があればいいのに――って“鑑定”があるじゃん!」
Advertisement
今まで戦闘で敵の報を得るくらいしか使っていなかったが、自分のステータスの報も詳しく知る事が出來るのではないかと考えた。
「もし詳しく知る事が出來るなら、俺よりステータスの高かったゴブリンを倒せた原因が分かるかも知れないな」
ライガは近くの柱に腰を下ろしてステータス畫面を見つめる。そしてステータス畫面の表示に対して鑑定を使用してステータス畫面とは別に鑑定結果が表示された。
名 前:識別するための名稱。また“???”である。
種 族:種族の名稱。
別:男・のこと。魔には無である個もいる。
年 齢:歳。
レベル:レベル數値。
職 業:現在の職種。無職は___と表示される。
稱 號:活躍や行により自的に付與される。スキルや追加能力が増える。
力:生命力の數値。
魔 力:自が使用できる魔力エネルギーの総量。
狀 態:現在の狀態。
魔 法:使用できる魔法の屬・種類。
スキル:自の能力によって、まれに使用できるようになる技。
鑑定結果には項目と簡単な解説が表示されている。
「やれば出來るもんだね……俺が鑑定の事を忘れていたのもあるけど」
もっと早く気付いていれば良かったと思うライガだが悔いても仕方ないと思い直して、項目を確認していく。
「大は思っている通りだったな」
他の項目は特に疑問視するようなことは無く、現時點での必要最低限必要なことは理解することが出來た。それでも深く細かく追求していけば疑問が殘るのだが。
しかしどうしても気になる事がある。
「名前の項目の後半部分の“???”は何だ?」
ライガは項目と説明を最後まで目を通して疑問に思ったことを、鑑定を使い更に詳しく調べる事にした。すると――
???:現在の狀態では見ることは出來ません。
このように表示されてしまった。
「見ることは出來ないか。條件があるのかも知れないな……」
気になる気持ちを切り替え出來ることをするため、次に自分のステータスを詳しく見ていく事にしたライガは、上から順に表示されている報を確認する。
ライガ:自分の名前。
人 種:一番人數が多いとされている普通の種族。
男 :別。
3  :現在の年齢。
7  :現在のレベル。
___:無職。
転生者:別の世界で何らかの影響で生まれ変わった者に與えられる稱號。この稱號を所持することで戦闘時に理と魔法の攻撃力・防力に補正がかかる。
※自分が敵と認識し、強敵になればなるほど効果を発揮する。
探索者:探索をすることでまれに與えられる稱號。この稱號を所持することで使用できるスキルが増える事がある。
魔導師の子:魔導師の稱號を持つ者の子であることで與えられる稱號。
拳聖の子:拳聖の稱號を持つ者の子であることで與えられる稱號。
???:今は見ることが出來ない。
蒼 雷:固有魔法。雷系統の魔法をある程度思い通りにすることが出來る。
時 空:固有魔法。時空・空間をある程度支配することが出來る。
纏 い:魔力を纏うことが出來る。纏う魔力により様々な効果を発揮する。
鑑 定:報を見ることが出來る。しかし、スキルなどにより鑑定が弾かれることもある。
危険察知:自分に迫る危険を察知する。
魔力作:自の魔力をコントロールできるようになる。魔法を扱うために必要なスキル。
魔自然回復力上昇:力と魔力の自然回復量を増やし、回復速度が速くなる。
そして、鑑定結果にゆっくりと目を通していくライガ。
「人種か。一番多い種族ってことは他にも種族があるのかな? 出來れば會ってみたいな」
種族の説明に興味を抱きながらも先を読み進めていたライガは、一番最初に疑問をじていたことの答えらしきものを見つける。
「……転生者? 戦闘時に理と魔法の攻撃力・防力に補正!?」
ゴブリンとの戦闘時にステータスで敵に負けていたにも関わらず、魔法攻撃であっさりと消し去ってしまった時の事を思い出した。
(転生者か。ゴブリンの件は、この稱號の効果だろうな……しかし本當に補正だったとしても消し飛ばす威力は危ないな。狀況的にはありがたいけど)
鑑定結果を見て稱號・魔法・スキルによって助けられていたことがわかったのだが、稱號やスキルでどこまで通用するのかは分からなかった。
しかし鑑定の効果で自分自の事をより深く知ることが出來たのはライガにとっては収穫であった。
「今回はこれくらいで十分だろう。出來ればどの程度まで補正されるのか知りたかったけど、それはその分かる事だろうし戦いながら覚えていこうかな――さてそろそろ先に進むか!」
暗い窟をライガは自のに纏わせた雷で照らしながら前へと進む。
(ゴブリンは余り強くなかったから、もうし強い魔が出てきてくれると実験もしやすいけど)
そんなことを思いつつ窟をゆっくり進むと、先ほどよりも明らかに巨大な扉が目の前に現れた。
「大きい扉だな。まあ先に進むことに変わりはないが」
特に迷うことなく扉を押し開けて一歩を踏み出す。
「……今度は隨分と広いな」
先ほどの広い空よりも明らかに大きい空が目の前に広がっていた。辺りを注意深く見ていると中央に池か湖が見える。
端の方には大小様々な巖や巨大な柱と所々にあり、奧には人が丁度通れる大きさの頑丈そうな木製の扉があった。
「あれは普通の扉か? 取り敢えず端の方を回って行ってみようか」
中央の湖を避けるように巖を越えながら端を歩き、反対側の木製の扉を目指そうとしていると、突然強大な気配をじた。
「――っ!?」
ライガは気配のじた方へと視線を送った瞬間、水中から巨大な水柱を上げて何かが現れた。見た目は水の鱗に覆われて長い尾がある。更には巨大な羽が。
ライガにはある1つの名前が思い浮かんでいた。
「――ドラゴン!?」
不死の子供たち【書籍販売中】
記憶を失った青年『レイラ』が目を覚ました世界は、 命を創造し、恒星間航行を可能とした舊人類が滅んだ世界だった。 荒廃し廃墟に埋もれた橫浜で、失われた記憶の手掛かりを探すレイラは、 人工知能の相棒『カグヤ』と共に、殘虐な略奪者がのさばり、 異形の生物が徘徊する廃墟の街に身を投じることになる。 【いずみノベルズ】様より 【不死の子供たち③ ─混沌─ 】が販売中です。 公式サイト https://izuminovels.jp/isbn-9784295600602/ 【注意】感想欄では、物語や登場人物に関する重要な要素について語られています。 感想欄を確認する際には注意してください。 サイドストーリー中心の『ポストアポカリプスな日常』も投稿しています。 ※カクヨム様でも連載しています。
8 93剣聖の幼馴染がパワハラで俺につらく當たるので、絶縁して辺境で魔剣士として出直すことにした。(WEB版)【書籍化&コミカライズ化】【本編・外伝完結済】
※書籍版全五巻発売中(完結しました) シリーズ累計15萬部ありがとうございます! ※コミカライズの原作はMノベルス様から発売されている書籍版となっております。WEB版とは展開が違いますのでお間違えないように。 ※コミカライズ、マンガがうがう様、がうがうモンスター様、ニコニコ靜畫で配信開始いたしました。 ※コミカライズ第3巻モンスターコミックス様より発売中です。 ※本編・外伝完結しました。 ※WEB版と書籍版はけっこう內容が違いますのでよろしくお願いします。 同じ年で一緒に育って、一緒に冒険者になった、戀人で幼馴染であるアルフィーネからのパワハラがつらい。 絶世の美女であり、剣聖の稱號を持つ彼女は剣の女神と言われるほどの有名人であり、その功績が認められ王國から騎士として認められ貴族になったできる女であった。 一方、俺はそのできる女アルフィーネの付屬物として扱われ、彼女から浴びせられる罵詈雑言、パワハラ発言の數々で冒険者として、男として、人としての尊厳を失い、戀人とは名ばかりの世話係の地位に甘んじて日々を過ごしていた。 けれど、そんな日々も変化が訪れる。 王國の騎士として忙しくなったアルフィーネが冒険に出られなくなることが多くなり、俺は一人で依頼を受けることが増え、失っていた尊厳を取り戻していったのだ。 それでやっと自分の置かれている狀況が異常であると自覚できた。 そして、俺は自分を取り戻すため、パワハラを繰り返す彼女を捨てる決意をした。 それまでにもらった裝備一式のほか、冒険者になった時にお互いに贈った剣を彼女に突き返すと別れを告げ、足早にその場を立ち去った 俺の人生これからは辺境で名も容姿も変え自由気ままに生きよう。 そう決意した途端、何もかも上手くいくようになり、気づけば俺は周囲の人々から賞賛を浴びて、辺境一の大冒険者になっていた。 しかも、辺境伯の令嬢で冒険者をしていた女の人からの求婚もされる始末。 ※カクヨム様、ハーメルン様にも転載してます。 ※舊題 剣聖の幼馴染がパワハラで俺につらく當たるので、絶縁して辺境で出直すことにした。
8 123彼女たちを守るために俺は死ぬことにした
約200日後に死ぬ俺。業界初!…かは知らないけどリアルタイム小説! 5月19日以降、 物語はリアルタイムで進みます。 ┛┛┛ のんべんだらりと生きる高校2年男子、 小鳥遊知実(たかなし ともみ)。 ある日突然、頭痛で倒れ、 病院で目覚めたとき 半年の余命か 今までの記憶がなくなる可能性の高い大手術か 選択を迫られることになる。 そんな狀態にも関わらず、 無情にも知実の學校生活は穏やかではなかった。 1⃣全校生徒をまとめきれないワンマン文化祭実行委員長。 2⃣學校の裏山を爆破しようと計畫している馬鹿女。 3⃣ロボみたいなイエスマンの心を閉じた優等生のご令嬢。 4⃣人生を全力で寄りかかってくる俺依存の幼なじみ。 5⃣諦めていた青春を手伝う約束をした貧乏貧乏転校生。 おせっかいと言われても 彼女たちを放っておくことが どうしてもできなくて。 ……放っておいてくれなくて。 そんな知実が選んだ道は。 悲しくて、あたたかい 友情の物語。 ※病気は架空のものです。 ※第6部まであります。 ┛┛┛ エブリスタ・ノベルバ同時公開。 ノベルバは時間指定でリアタイ更新です。 16時一気読みしたい人はエブリスタで。 (長すぎる日は16時と20時に分けます) リアタイ感をより味わいたい人はこちらで。
8 101幼女と遊ぼうとしたら異世界に飛ばされた件について
コンビニへ行く途中に幼女に異世界に行きたくないかと問われる。幼女を追いかけまわしてみれば気が付くと周りは森、スマホは圏外、そして目の前には化け物。 例の幼女を一回毆ると心に定めて早千年、森に籠って軍滅ぼしたり魔法も近接戦闘も極めたりしましたが一向に毆れそうにありません。 偶然拾ったエルフの女の子を育てることにしたので、とりあえず二人でスローライフを送ることにしました。 ※1~150話くらいまで多分改稿します。大筋は変えません。でも問題児達である「過去編」「シャル編」「名無し編」はまだ觸りません。觸ったら終わりなき改稿作業が始まるので。
8 73姉さん(神)に育てられ、異世界で無雙することになりました
矢代天使は物心ついたときから、姉の矢代神奈と二人で暮らしていた。そんなある日、矢代神奈の正體が実の姉ではなく、女神であることを知らされる。 そして、神奈の上司の神によって、異世界に行き、侵略者βから世界を守るように命令されてしまった。 異世界はまるでファンタジーのような世界。 神奈の弟ラブのせいで、異世界に行くための準備を念入りにしていたせいで、圧倒的な強さで異世界に降り立つことになる。 ……はずなのだけれども、過保護な姉が、大事な場面で干渉してきて、いろいろと場をかき亂してしまうことに!? 姉(神)萌え異世界転移ファンタジー、ここに開幕!
8 106貧乏だけど、ハイスペックです!
12月24日。 クリスマス・イヴの夜。 あたりは幸せそうなカップルたちがイルミネーションを見にやってきている。 そんな中、僕は1人ボロボロだけどあったかいコートを著て路上を歩く。 お腹空きすぎてもう歩く気力もない。 あぁ、神様、どうか助けてください。 僕はこれからどうすればいいんですか? そんな最中、 「こんな寒いイヴの夜にどうしたんだ?お前は」 僕と同じくらいの歳の一人の女の子と出會った。 これは、そんな何気ない出會いから始まる奇跡の物語。 ⚠️初投稿作品でございます。 どうぞよろしくお願いいたします! 更新日が最新でないのは、投稿を予約した日が更新日となるからです。 エタっているわけではありませんし、サボっているわけでもありません。 毎週水曜18時更新です! すみません! 5話から、語り方や行間に変化がありますが、どうかお気になさらぬよう、ご理解ご協力のほどお願いいたします。
8 78