《小さき蒼雷の魔法使い》第三十四話「シエルの捜索」
現在ライガたちは、強化を使って環境に影響を與えないギリギリの速度で移していた。
なぜか、全力で走るとフェンリルを置いていきかねないこと。
そして、何より問題なのが衝撃波により街に甚大な被害が出る可能がある...
「おい。え~と、フェンリルさん?」
「ん?ああ、俺はリルと呼ばれてるからそう呼ぶと良い。」
「そう?じゃあ、リル...シエルはどの様な経緯で攫われたのか聞かせて貰えるか?」
ライガはリルへと、詳しい報を聞いた。
「それについては、先程も言ったが、俺が召喚された後からの話になる。
俺が召喚されたのは、何処かの中継地點だと思うが、敵の姿が無いときにシエル嬢は召喚召喚魔法を使ったらしい。」
「なら、お前が倒してしまえば良かっただろう。」
ライガは素直な疑問を口にしたが、直ぐ様否定された。
「確かに俺の力なら簡単だったが...それが出來ない理由があった。
実はシエル嬢以外にも人が居るようだったのだ...
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誰か...いや、敵なのか味方なのか。
それは確認していないが、シエル嬢の反応からは分からなかった。」
「いや、それでもお前のステータスで相手になるやつ居ないだろ?」
ライガはリルのステータスを見ているので知っているが、幻獣なだけあってかなり高いのだ。
それでも、警戒する必要があるとはとても思えなかった。
実際にリルはライガの質問に対し肯定した。
「勿論だ。
まともに戦えば圧勝だろうよ。
しかし、気になることがあったから迂闊に手を出す事が出來なかった。」
「気になること?」
「ああ、シエル嬢から聞いた話だと複雑なようなのだ。
勿論、しっかりと確認できた訳ではないからだが。
じっくりと見ている暇も無かったしな。」
ライガはリルの話を聞き、あくまで推測だが嫌な予が頭を過った。
「もし、リルの見間違いでなく魔法にかけられていた場合だが、解析事態は出來るだろう...
だが、問題なの、呪いなどの特殊な魔法だった場合、めんどくさいことにはなる。」
移しながら思案を巡らせていると街壁が見えてきた。
現狀、街にるのは得策ではないと、アイコンタクトのみで意思を疎通しあい、全員が道を外れ、街を迂回するように進んだ。
「街...寄りたかったな...」
どうやら、シオンだけは今の狀況を理解しつつも寄りたい気持ちがあったようだ。
ライガの後ろをついてきているだけあって殘念な気持ちが伝わってきた。
「シオン...この件が解決したら寄るから我慢してくれ。」
一応モチベーションが下がってヤル気を無くされても困るので、フォローをしておくと...
「ほんと!?
絶対だよ!一緒に観しようね!」
シオンは満面の笑みで元気を取り戻した。
...帰りにはちゃんと寄らないとな。
そんな會話をしているうちに街を過ぎ、日が暮れてきた。
「主人。
日が暮れますがどうしますか?」
「リル。夜の移は大丈夫か?」
ライガは現在の狀況を考えると進んだ方が良いと考えていた。
幸いにも、ライガ、シオン、カレンは夜目が聞く上3人ともが余裕を持っていた。
しかし、リルに至ってはこの中で1番ステータスが低い上、リルの速度に合わせて移していたので、リルが1番力を消費していた。
「大丈夫だ。
到著前に一度休憩を取れれば問題ない。」
「よし、このまま、夜間も移する。」
ライガは、リルの様子から大丈夫だと判斷し夜間も移することにした。
「リル!このまま行けばどれくらいで著く?」
「そうだな。明後日の朝方だろう。」
リルの返答でし考え、リルに問い返した。
「リル、もうし速度を上げれるか?」
「大丈夫だ。」
...速度を上げれるなら早めに著いて報がしいな。
「よし、なら早めに著いて休憩を長めに取ろう。
余裕があれば報がしい。
報収集は、俺とカレンでやる。
シオンは...リルと一緒に居てくれ。」
報収集なら俺とカレンの方が適任だと考えたライガは、全員に向かってあらかじめ指示を出した。
すると、予想した通りの反応を示した存在がいた。
「えっ~!?
ライ君!なんで、私は待機なの~?
私もライ君と一緒に報収集したいよ!」
...はぁ、やっぱりだ、どうしよう。
正直、報収集するのに一緒には行しないし、何よりシオンは罠があったら罠に向かって行きそうだし...
「シオン...シオンには大事な役割がある。
だから、報収集じゃなくてその役割をこなしてしい。
シオンにしか出來ないから!」
ライガは、シオンの隣に合わせて並走しながらシオンの説得を試みた。
言葉を靜かに聞き、頷いた。
...取り敢えず、めでたし、めでたし。
そして、ふとライガは思った。
俺はなんでシオンの機嫌とりをしてるんだろうか...
ライガの疑問を余所にシオンは自分の世界にっていた。
...ライ君が私にしか出來ないからって、そんなカッコ良く言われたら...きゃ~!
でも、一緒に行きたかったなぁ...
そうだ、ライ君に帰りの観の時に何か買って貰おう!
そうと決めたら...
「ライ君!」
「どうした?」
シオンはまだ並走していたライガの近くに寄りお願いを言った。
「帰りの街の観の時に、一緒に街を...見て回りたい...な?」
「良いけど...え?なんなの?」
シオンはライガの言葉も聞かずに離れていった。
...どうしたんだ?
後半になるにつれて急に聲が小さくなって。
「ライガ!そろそろ森にるぞ!
抜けると二つ目の街が見えてくる!」
リルからの聲に改めて気を引き締めるのだった。
その頃...
暗い部屋に1人。
閉じ込められているの子が居た...
窓は無く、あるのは鉄格子のり口のみ。
自分が何処のどの場所に居るのか...目隠しをされ連れてこられたため自分自で把握が出來ていない。
連れてこられる最中には他の聲も沢山聞こえていたけど...今は...
「はぁ、なんでこんなことに...」
彼はシエル・ルーベンス。
ルーベンスの街、バルト辺境伯の娘だ。
この狀況を説明するには時を大分遡る必要がある。
ことの始まりは...パーティに行った事だった。
どうも、皆様、柊☆黐です。
今回もお読み頂きありがとうございます。
次回はシエルsideのお話となります。
お楽しみに!
次回第三十五話「シエルside:パーティ」でお會いしましょう♪
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