《小さき蒼雷の魔法使い》第五十三話「國王、ルーベンスへ」
「えっと、すみません。
私の聞き間違いかもしれないのでもう一度おっしゃってもらえますか?」
「この國の辺境である、ルーベンスへと行きたい。
だから、その為のスケジュールの調整を頼むと言ったのだ。」
「…………冗談ですか?」
「何を言う?至って真面目だ。
それに、今さっき返事をしてくれたではないか。」
シェリーは自分の発言を思い返して、國王の表を見た瞬間から引き留めるのは無理なのだろうと思ってしまった。
……確かに、はいって言っちゃった気がする。
しまったな~。この國王変なところに厳しいから……
「はぁ~……では、話をする前に機の上に貯まっている書類を片付けてからですね。」
シェリーは機の上を指差しながら笑顔で答えた。
「そう來ないとな!んで、……あれ、全部片付けるのか?」
「そうですよ?ルーベンスまで行かれるとならばそれなりの事が必要となります。
城や王都に居られる最低限の上級貴族へのスケジュール連絡やルーベンスまでに立ち寄る街への連絡も必要ですね。
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それに、バルト辺境伯の準備も必要でしょう。
他にも移の為の護衛や馬車、食料の用意も要ります。」
「…………わかっているから、それ以上はいい。
一つずつやっていこう。(何としても行ってやる。)」
シェリーの長くなりそうな説明を止めてドランはやる気を出していた。
そして、シェリーは自分の仕事に戻るのだった。
「そのやる気をいつも出して頂ければ助かるのに……。
私もスケジュール調整をしましょうか。はぁ~。」
そして、王城が慌ただしくなり數日が過ぎた。
「ドラン陛下早めに帰ってきてくださいね?」
「分かっておる、留守の間、執務の処理は出きる範囲で任せたぞ!」
現在、國王は多忙な毎日を乗り越えルーベンスへと向かうところだった。
城門には現在シェリーとドラン國王の他にも護衛や貴族達が見送りに來ていた。
「あなた?そろそろ行かないと。」
「そ、そうだな。出発だ!」
ドランの掛け聲に左右に並んでいた貴族達が一斉にお辭儀をした。
そして、王家は王都を出た。
そう、王家だ……本來であれば俺だけで行くはずだったのにいつの間にか家族旅行になってしまった。
「(遊びに行く訳じゃないのだが…………)」
ドランの思いとは裏腹にとても楽しそうにアリアが聞いてきた。
「お父様、これから會いに行かれる方は、どんなお方なんですか?」
「そうだな。俺もよくわからん。
ただ、3人の小さい子供達が冒険者への登録試験でSランクを瞬殺……いや殺していないが、倒したらしい。」
ドランは報告にあったことを簡単に説明した。
「倒したの!?3対1でSランクに勝てるわけが……」
「アリア?3対1じゃなくて3対3だぞ?
つまり、実質1人で一人のSランクを倒してる事になる。」
ドランの説明を聞いた王妃ミリアとアリアはそれぞれが信じられないと言った表をしていた。
まあ、行ってみれば分かるだろう。
ルーベンスまではまだまだ遠い――――――
そして、時をし遡り、場所はルーベンスの街の冒険者ギルド。
ライガたちは、今回の事件の報告のためギルドマスターの元へ訪れていた。
「人が多いな……」
「ご主人、仕方ないですよ。
今は、冒険者たちの賑わう時間帯らしいので。」
カレンがギルドの狀況をさらっと教えてくれるが、いつの間に知ったのだろうか……。
「まあ、早く報告をして今日は帰る……。」
「カレン~……ライ君が何だか暗いよ~」
「……それは、恐らく急に今朝早くに起こされたからでしょうね。」
そう、本日のライガは機嫌が悪かった。
昨日の午前中にルーベンスに帰って來たライガたちは4人で冒険者ギルドへと向かったのだ。
しかし、今回の依頼は急特殊依頼となる種類の依頼らしくギルドマスターの確認と報告が必要となるらしい。
その為、出直しとなりギルドマスターが戻り次第連絡に來ると言っていたのだ。
そして、連絡が來たのが今日の早朝の事……もうし時間を置いてからでも良いだろうに。
因みに付で説明された依頼の種類には、5種類あるようだが、この説明はまた今度にする。
シエルに関してはギルドの人に連れて行かれてそのまま領主の館に帰ったそうだ。
一言、言わせてくれてもと思わないでも無いが、一緒に來るのか分からないので保留にしておこう。
そんな事を三人がこそこそと考えていると付けに空きが出來たのが確認できた。
「カレン、シオン!行くぞ。」
「「は~い」」
三人は空いた付けへと進み聲をかけた。
「すまない。ちょっといいだろうか?」
「はい?依頼ですか?」
「いや、ギルドマスターに急特殊依頼とやらの報告をしたい。」
「失禮ですが、冒険者カードを見せて頂けますか?」
「……ん?」
皆様、柊☆黐です。
本日もお読み下さりありがとうございます。
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……私に……元気を……。
では、次回第五十四話「報告」
お楽しみに♪♪
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