「あだだだだだ！！　なにするんすかサボり神様がみさま！！　」

からころと足早に石畳を踏んで近づいてきた九尾の狐の神様は朱音さんの尖った耳を引っ張ってし離れたところまで連れて行って……。

「いやいや！　これ山神様の命令ですって……え？　見當違い？　銀狼様に相談するな？　なんでっすか！　今この山にる神様たちの中で一番頼りになる……え、見返り？　神酒をふんだくられる？　そんこと……銀狼様はお優しい方っすよお。ねぇ？」

し遠くから、ちらりとこっちを見てなにやら同意を求めてきてる朱音さん。

「當たり前じゃ。八百萬の神の中で一番優しいと言われておるこの儂が、見返りを求めるわけがなかろ？　々持ち帰る酒樽が３、４樽増えるだけじゃ」

「ほら！！　あだっ！！　貴重な神酒を樽で持ち帰るつもりじゃないかって！？」

大きくて重量のありそうな尾の一房で思いっきり顔を叩はたかれてる……。

ちなみに空っぽの樽は一荷いっか、一駄いちだと數えるから、銀はお酒で満たされた樽を持ち帰る気満々なんだよね。

とにかくあの狐面の九尾の狐様は、銀には頼りたくない様子だったんだけど……。

「のう、白面の。手伝ってやるから々発してはくれんかの？」

離れた位置でなんやかんやしていたお狐様と朱音さんのところまで歩いていくと、人にを頼む態度かというくらい遠慮ないじで言い寄ってた。

「ん、どうしたの？　子鞠」

そこで、子鞠の様子が変わったのに気づいた僕はし困しながら聲をかけたんだ。

銀が離れたあたりから、ずっと頭のお耳をせわしなくかして、鼻をすんすんと鳴らし、辺りを見回してる。

何か、近くの環境が変わったんだろうな。

「へんなにおい……」

「へんなにおい？」

子鞠が、ほけっとした可らしい表から一転。口を固く閉じて険しい表になってから僕をかばうようにして前に出た。

「いかん！　子鞠、下じゃ！！」

「した……」

ぐお、と。僕のが下から思いっきり持ち上げられた、ようにじた。

持ち上げられて、空高くに放り飛ばされた。

近くにいた子鞠も一緒に。

「うわああああ！！」

「ふああ……！」

空中でが回転する中、ちらりと見えた眼下の景。とんでもないものが映ってた。

さっきまで普通に立っていた石畳の道。それが山のように盛り上がってた。

まるで蛇がのたうったように。

そう、僕は道に空へ打ち上げられたんだ。その道は、ずるずると山を移しているようにも見えた。

「ちょっ、これ落ちるんじゃ……」

まだ上昇している中、とんでもない高さにいる自分のこの先を考えてぞっとした。

こんな高さから落ちたらまず助からない……！！

と、思った矢先に橫から吹き付けてきた生暖かい、った風……。

「あにさまにげて……！！」

「逃げられないよ！！」

そのった風は、僕たちを狙って橫から迫ってきた爬蟲類からのものだった。

僕のを優に超える巨大な“蛇”の頭が大口を開けて迫ってきてたんだ。

空中できできない僕と子鞠は見事にその巨大な口に飲み込まれて——……！！