「どうだい銀狼、うまい酒だろう」

「……まあまあじゃな」

「うはは、なかなか褒めるじゃねーか」

狹い路地をしばらく行って、とても奧まったところにあるものすごい靜かで落ち著いた場所にあった。

そこには建がなくて、門をくぐると緋禪桜が沢山咲いた、日本庭園に通されたんだ。

小さな滝があって、青白くる魚が泳ぐ池の近くにある席に座って、落ち著いた。

そう、ここは庭園で飲むとても開放的な酒屋さんなんだ。居酒屋というより、雰囲気的にはバーってじかな。

赤い敷が引かれた木の舞臺にあぐらをかいて座った黒狼様と、お姉さん座りして、肘置きに肘を置いてお酒を呷る銀。

その勢だと、銀の大きいおっぱいが一方に寄って、ぐっと盛り上がってる。

ただでさえ、おの開いた著の著方してるんだからこぼれちゃうぞ……。

うー、でもなんだろうこの二人、並べてみるととても様になるなあ。

狼だし、勇ましさとか気高かったり、こう……言葉で言うのは難しいんだけど、雅なじがするというか……。

「だから、八雲やくもにはこのこと黙っててくれねーかッ！　頼む！」

「ごちゃごちゃとやかましいのう……。の、千草？」

「ぼ、僕にはなんとも……」

「君からも何か言ってやってくれねーか？　うちのカミさん怒るとやべぇんだ。こいつ、面白がってマジで言いかねねーからよ」

銀は意地悪な笑みを浮かべながら、黒狼様のお願いをのらりくらりとかわしている……せいで、今度は僕頼みに……。

でも、銀は杯の酒を飲み干して……。

「くは。なんじゃぁ？　今、こいつ……と聞こえたのじゃが、気のせいかの？」

「ぐぬ……」

「銀狼、様。じゃろうが、行狼」

「うぬああ！　こいつ！　調子に乗りやがってえええ！」

「かかかっ。なんじゃやるか？」

振り上げそうになった拳をなんとか抑えて、黒狼様は深く長くため息をついて、頭の立派な耳を垂れさせた。

「くっそ、相変わらずふてぶてしいヤツだなお前は……。隨分長い間封印されて丸くなったと聞いちゃいたが」

銀はそんな黒狼様の言葉も聞かず、僕を呼ぶとほれほれとお酒を勧めてきた。

僕はもちろんいらないと斷ったんだけど、杯を僕のに當ててから、その當たったところに口をつけて銀は杯を傾けた。

なんて押し付けがましい間接キスなんだ……。

「うん？　何か言ったかの？」

「チッ……。相変わらずいいしてんなって言ったんだよ」

と、黒狼様は苛立ちまぎれに銀のを見ながらそう言うものだから、僕はぐいぐいと銀の著を肩まで上げて、溢れそうだったおっぱいを隠してやった。

それを見た黒狼様はしばしきょとんとして……。

「くふふ、他の男に意識されるのは嫌なのじゃな？」

「そんなんじゃないし！」

「はぁぁあ、らしいの！　ほれ、もっと寄らんか。ぬしを抱きしめとうなった」