「お米……？」

中にっていたのは、淡く白いを放つ生米だった。っているだけでなく、しばかり暖かい。

「黒狼様からもらった神気。あんたの取り分さ」

「ありがとうござ……」

「それにしても、突然なんだってんだい？　今頃黒狼様としっぽりヤってるもんだと思ってたんだけどさ。他のたちもずいぶん羨ましがって——……」

と、寢込んでいる銀の顔を覗き込んだ槐さんが言葉を途切れさせて、目を見開き相を変えた。

僕はその様子をおかしく思い、どうしたんですかと聲をかけながら槐さんの顔を橫から覗き込むと……。

「こ、この方……銀狼様じゃないか！」

「槐さん、銀の知り合いですか？」

「知り合いだなんてとんでもないよ。あたしらにとっちゃ雲の上のお方さ！　しかし隨分小さくなってるじゃないか。何があったんだい？」

そう言われて、僕はすぐに槐さんにさっきあったことを手短に伝えた。

特に、銀がこうなった理由を……。

「神気の封印……。この方がそんな手に引っかかるとは思えないんだけど。実際目の前にしちまってるからねぇ」

そう言ってから槐さんはし考え込んで、ふいに僕が持つ神気が宿ったお米の袋を指差した。

「お前さんがいいってんなら、その神気を銀狼様に與えて差し上げれば……急場しのぎにはなるだろうね」

「そんなことができるんですか！？」

「あ、ああ……。でも貴重な黒狼様の神気だよ。いいのかい？」

「大丈夫です！　全部銀に……」

と、槐さんはしこの場を離れて、木のになみなみと水を注いで持ってきた。

どうも、この生米を飲むことで宿っていた神気を取り込むことができるみたいなんだ。

と、言うことで僕は銀の上半を起こして支えて、袋の縁をった銀の薄いに當てがった。

「銀、しだけ口開けて……！」

「……」

銀は苦しげに右目をしだけ開けて、僕が何をしようとしているのかを察すると本當に小さく口を開けた。

れてくる吐息は熱く、じとりとってる。

さらさらと、飲み込めるくらいの量を口に出してから、水を注ぎ込む。

ゆっくりと、丁寧に。

そうしてもこぼれてしまう水が僕の膝を濡らすけれど、そんなことかまってられるもんか。

それを何度か繰り返しているうち、赤みを帯びていた銀の顔がどんどん良くなってきた。

「これで全部……」

最後のお米を飲んでもらう頃には、上半を支えていた僕の腕にしだけ負擔がかかるようになってきた。

あまりにかった銀のが、しばかり長したんだ。

それでもまだまだい。見た目、１４歳くらいかな……子鞠よりお姉さんだけど、僕から見たらまだまだ妹ってじだ。

「ほんとにぜんぶ飲んでもらったんだねぇ。あんたと銀狼様って、いったいどんな関係なんだい？」

「えっと、銀は僕の……」

……と、答えようとしたところで銀が僕の手首を握ってきた。

隨分頼りない、小さい手だけれど、それでも僕はほっとをなで下ろした。