《僕と狼姉様の十五夜幻想語 ー溫泉旅館から始まるし破廉恥な非日常ー》19節ー汰鞠の素顔ー
「その……しかし」
「うん?」
「兄様に容姿を褒められると、お恥ずかしながら無に尾を振りたくなります。人としては、はしたないでしょうか」
「っふ、あはははっ」
こんなことを言うとおかしいだろうけど、なんだかとても面白かった。
人間には尾がないから振ってはしたないものかどうかもわからないし、いつもはお堅い汰鞠がそんなことを言うのもなんだかギャップが激しくて……。
「なっ、そこまで笑わずともよいではありませんかっ」
「ふあっ」
と、拗ねちゃった汰鞠に尾でお湯を顔にかけられてしまった。
確かに笑いすぎたけど、こういう汰鞠を見れたんだからよしとしよう。
「兄様はひどいお人でございます……」
「ごめんごめん。なんだか汰鞠が可くて」
「わたくしが……でございますか。らしさならば子鞠の方が……」
「子鞠もかわいいけど、汰鞠のとはちょっと違うかな」
「わたくしにはよくわかりませぬ……。兄様、いつまでも立っておられてはおが冷えてしまいます。このあたりで」
と、汰鞠が僕に肩まで湯に浸かるよう促してきてくれた。
汰鞠は汰鞠で、気を遣ったのか僕から離れようとしてたんだけど……。
「汰鞠も一緒に浸かろ?」
「兄様のお邪魔になってはいけませんので……」
「邪魔だなんてとんでも無いよ! 浸かろー、汰鞠一緒に浸かろー?」
「……ふふっ、本當に仕方のない殿方でございますね、兄様は」
そんなに面白いものでもありませんよと前置きしつつ、汰鞠は僕の隣でお湯に浸かってくれた。
汰鞠も溫泉に浸かるのは心地いいみたいで、うっとりと息をついてリラックスしてるみたい。
ここまで無防備に癒されているのを見ると、いつも肩肘張っている汰鞠とは違ってく見える。
「この姿でこうして湯に浸かるのは初めてでございます……」
「そうなの? いつもは……その、水浴びとか?」
「はい。水浴びも好ましいですが、やはり暖かいとなおよいですね。近隣の山の猿共がよく湯場を見つけて占領しておりますが、なるほどこれは占領したくもなるわけです」
「あー……猿かぁ」
猿が溫泉に浸かる様子って、すごく簡単にイメージできるよね。
実際、猿と狼の中ってどうなんだろう。仲よさそうなイメージはないけれど。
「こうして湯に浸かれるのも、兄様のおかげでございます。ありがとうございます」
「僕なんにもしてないから! 話をややこしくすることくらいしかしてないからね!」
「いえ。兄様のおかげで銀狼様も日々充実していると聞いております故。騒ぎが大きければ大きいほどあの方も腕の振るい甲斐があるのでしょう」
「銀にはいつもお世話になりっぱなしだからね……」
「銀狼様は多やんちゃな殿方の方が好ましいかと。兄様は世話のしがいがあります故、わたくしの琴線にれるところでもございますよ」
「僕そんなやんちゃっ子かなあ……」
「やんちゃっ子でございます」
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