《比翼の鳥》第25話:長
あれから更に2週間経った。本當に時の流れが速い。
ルナは更に加速度的に進化を遂げていた。まず、言葉遣いがらかくなってきたのだ。
言葉の端々にらしさをじられるようになった。すげーよ、ルナさん。最近の子って、きっかけがあればこんなに早く長するもんなんですね。もうすっかり普通のの子だ。まぁ、魔法に関する事になると、途端にちょっとお転婆になるところは変わらないけどね。
更に、これは本當に凄いことなのだが、質問の仕方が変わったのだ。
これは、俺は教えていないのだが…。
俺からすれば自分で、俺のむ最適解にたどり著いてくれたことに、心狂喜舞している。
恐らくではあるが、最近はじめた算數の勉強の影響が大きいのだと思う。
ちなみに、先ほどされた質問はこうだ。
「ツバサ。木が長するには、と、水と、空気が必要ってことで良いのかな?」
相変わらず首をコテンと可くかしげながらも、自信ありげに問うてきた。
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その流暢な言葉に俺は改めてルナの長を見て取る。
それに対して、俺は、
「うん。大方、その認識で間違ってないよ。付け加えるならば、土の中にある決まった栄養と…そうだな…。うん、木の種類によっては、他の生きの力を借りることもあるね。」
と、答える。
さて、このやり取り。以前と何が違うかと言うと…
ずばり、「Yes or No」で答えられるように聞いているという點だ。
え?なんだ…そんな事?と思われた社會人や頭の良い貴方は、まぁ、良いとして。
それのどこが凄いの?って思ったそこの君にはぜひ、覚えておいてほしい。
質問とは、相手に対して、わからない事や、自信の持てない事を『確認』する行為だと俺は思っている。
俺は塾の講師をしていたので、それはもう良く質問された。される側になって、にしみてわかった事がある。
それが、質問の仕方で説明の難易度が飛躍的に変わるというだ。
塾で一番多かった質問の仕方がこれだ。
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「先生!!この問題わかんない!!」
「先生…何していいかわからない…。」
正直、先生としてはこの問いには頭を抱えるしかない。
何せ、どこが分からないか本人もわからないなら、先生にも質問された時點で分かる訳が無いのだ。
そうすると、どうなるか…。一緒に一から問題點を発見するところから始める事になる。
これには途方も無い労力がかかる。一緒に確認しながらどこが問題なのか探っていくのだ。
もう一つは、質問する側の姿勢の問題もある。教えて貰って當たり前という気持ちがけて見えるのだ。
これは、いけない。いくら教える事が職業とはいえ、人は人である。自分の事しか考えていない生徒と、先生の事もしっかり考えている生徒なら、後者を取るのは人として當たり前だ。
それに対して、出來る子は違う。ええ、それはもう、違うのだ。同じ分からないでも、こうなる。
「先生!!この問題のここまでは解けたのですが、この先で分からなくなりました。」
「先生。ここはこうだと思うのですが、あっていますか?」
一見すると余り変わらないように見えるが、質問をける側としては印象が全く違う。
まず、自分がどこまでは分かっているか自分で理解していること。あるいは、それを伝えようとしていること。
これは、自分の意見を提案する事がしっかりと出來ている証拠だ。
そりゃ、やりすぎたら嫌味ったらしくなるだろうが、そこは匙さじ加減を學んでほしい。
こちらも、この様な質問なら、すぐに問題點を探す事が出來る。場合によっては、「Yes or No」で答えが終わる。
何より、こちらに一方的に寄りかかるだけでなく、自分で考えた意見をぶつけて來ていることに好が持てる。
特にこれは、社會に出てから、ますます顕著になる。
この質問が出來るかできないかで、上司や先輩方に、可がられるか煙たがられるか決まる事だってあるだろう。
特に…、
「その件に関して、君はどう考えているのかな?」
とか、質問に質問で返された日には、質問の仕方が悪かったと自覚してくれ。
…ええ、そうですよ!!昔の俺は、それで大失敗した一人ですよ!!すいませんでしたね!!
偉そうに言ってますが、俺の経験談に基づく話だからね!!そりゃ信憑も高いでしょ?
ほんと、今の俺が過去の俺をみたら、張り倒したくなるほど、うっとうしい奴だったと思うよ。
コホン…という訳で、確認なのですよ。確認。確認するのには、こちらから的な確認すべきことを提示する必要があるのです。大事なことなので2回言いました。
さて、ルナの話に戻そう。確かに、質問の仕方が変わったのは喜ばしいのだが…
それ以上に現在、俺がちょっと深刻に考えてしまうほど変化したことがある。そう、もっとも大幅に変化したのが…
何て事を俺が、脳でつらつら考えていると、向こうからルナが走って來るのが見える。
満面の笑みで走るルナは、それはもう可らしく、ワンピースの裾から延びる白い素足がまぶしくてって、何処見てるの俺!?
最近、駄目なのだ。そう、何がダメかと言うと、ルナにをじる瞬間が増えたのである。
いや、ちょっと待ってくれ、そこの君。「何?6歳くらいのの子に?変態!!」とか思わないでくれ。
違うんだよ。一番の原因はルナの長なんだよ。しかも、先ほど言った心だけでなく、が確実に長してるんだよ。
ちなみに、今では多分、外見で言えば、12~14歳くらいまで來ているのではないだろうか?
え?それでもアウト?…もうロリコンの変態でいいです。はい。
的に言えば、いままで完全に児型だったそれが、最近、ぐっとのそれへと変化しているのだ。
腰の括れや、太ももにしかり、つきに特有のらかさが現れて來ている。特に顕著なのが長とだ。確実に長がびた。多分、20cm前後。
はもっと分かり易い。そりゃもう、大平原だったにわずかながらも、膨らみが出て來たのだ。
腕を組まれれば、それと分かってしまうくらいにはらかいのだ。
長期だからなーハハハ!と笑って済ませられれば良いのだが、たかだか3週間程度で何それ!?と、正直、ルナの変化に戸っている自分がいる。
まぁ、そういう事で、まだ大丈夫だが、このペースで長を続けられたらなんか々不味い気がする今日この頃だ。
特に、服関係が本當に駄目で、前までヒラヒラだったワンピースが完全に裾が足らず、白い太ももがわになる事が多々ある。すさまじいまでのチラリズム効果である。
更には、ワンピースの癖ににあってないのかパツパツでのラインが強調されてきているのだ。ある程度のある生地のようなのでまだ良いが、これ以上は本気で々まずそうだ。洗濯後のルナを最近なんとなく直視できない自分もいる。ぽっちとか見えると何故かドキッとね。これも何か対策を練らないといけない。
服とかだけでなく、下著とか靴もどうしよう…。早急になんとかしないとなぁ…。と悩みの種は盡きない俺であった。
そんな俺の悩みを後目に、ルナは俺の前へと勢いよく駆けて來ると、
「凄い!ツバサ!!凄いよ!!あの位置からでも全然魔力をじられなかった!」
と、興気味に話している。
そう、俺が今やっているのは、魔力の隠ぺいである。どうやらやっとこさ形になって來た。
魔力を外に出さないって言うと、何となく簡単そうに聞こえるかもしれないが、これがまた非常に難航した。
最初は魔力を極力外に出さない方向で閉した…しかし、呼吸と同じなのか完全に行き場をなくした魔力は勝手に暴走して、酷い目にあった。
ならばと、今度は魔素自を、細かく中に散らせて、度を薄くしてみたのだ。
これは一定の効果があった。それを始めて3日ほどは、認識される魔力量がほぼ0へと落ちた。が…やはり人間のには慣れと言うがあるらしく、がそれに順応した。それを一週間も続けたら、逆に魔力量が増大してしまったのだ。今まで丹田付近でのみ蓄えていた魔素が、全で蓄積されるようになったらしい。そのおかげか、は軽いわ、視力は増大するわで能力までアップする始末。
しかし、良い事だけでなく、俺の魔力を見たルナに…
「ツバサ…魔力が放出されて凄い事になってるよ?」
と、し引き気味に言われた。
どうも、ルナ曰く、某スーパー何とか人的に、轟々と渦を巻いて魔力のオーラが噴出しているらしいのだ。しかも黒で。
隠ぺいどころか思いっきり目立つようになってしまった…。
俺は頭を抱え、なんとか打開策を練ろうと、思考を巡らした。
そもそも、魔力はどうしてで勝手に生まれて放出されているのか?一種の化學反応的に、溜まった魔素が勝手に反応して魔力になっているか、ごく微量の魔力を生命維持に使っているためにそうなっているのではないだろうか?
なら、どちらにしても、必要以上の魔素をその場所に留めなければ良いのではないか?ならば…
そうして、取った方法が、魔素をで循環させるという事だ。ただし、どうもではごく量の魔素を消費しているらしく、全ての魔素を循環してしまうと1時間ほどで気持ち悪くなったので、ごく微量の魔素は中に留めるようにするのが大変だった。
そうして、今日は湖の辺で、俺は魔力を隠ぺいした狀態でマッタリと過ごしていたのだ。
ルナはその様子をとても興味深そうにしていて、様々な場所、様々な距離から俺の魔力を察知しようと、右へ左へと奔走していたのだ。
ルナの奔走の甲斐あって、今の俺の隠ぺい狀況では、3m程にまで近づかないと魔力をじる事は出來ないという事が分かった。しかも、近付いても魔力のはとても小さく、まず大きな魔力を持った人だとは思われないんじゃないかと、ルナからのお墨付きを頂いた。後は、この狀態でどのくらい維持できるか?の影響はどうなのか?と言ったことを検証してみて完だな。
新型魔法も順調だし、もうししたら、新しいステップに移行してもいいかもしれないな。
俺は湖の辺に寢そべりながら、そんな事を考えていたのだった。
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