《比翼の鳥》第40話:レイリの告白
沈黙が耳に痛い。
そして、俺の後ろから、レイリさんが著を著る際に出るれの音が、更によく分からない張を運んでくる。
暫くして、著替え終わったのだろう。
俺の背後にいるレイリさんから、「ツバサ様。お待たせいたしました。」と言う言葉が聞こえて來る。
振り向いた俺の目には、いつもどおり綺麗に著を著こなし、悠然と立つレイリさんの姿。
だが、その耳がへにょーんとへたってるのを見て、レイリさんも結構気にしているんだなと、わかる。
そんな見た目と心にギャップがあるレイリさんの姿を見た俺は、急に可笑しくなってしまい、思わず笑ってしまった。
突然の俺の行に、戸っていたレイリさんだったが、暫くすると「もう…。ツバサ様ったら…。」とか、ちょっと可く拗ねながらも、微笑んでくれていた。
ひとしきり笑って気の済んだ俺は、レイリさんを伴って、家路へと向かうことにした。
先ほどレイリさんがノリノリで倒した熊も例のごとく自追尾である。
しかし、これ、いい加減になんとかしないと…流石に熊の死についてこられるって気分的に微妙だ…。
家路へと向かう途中。歩きながらではあるが、まだ、森の中であるうちに、俺は先ほどレイリさんのをマジマジと見てしまったことを謝った。
このまま、うやむやにして流すというのが恐らく一番楽で確実な方法だったのだろうが…俺はあえて掘り返した。
こういうことは、傷が新しいうちに決著してしまった方が、お互いにスッキリすると思ったのだ。
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「ひ、貧相なものをお見せしてすいません…。」と、顔を真っ赤にしながら俯いてしまったレイリさんに、俺は
「そんなことはありません!とても綺麗でした!つい目が離せなくなるくらいに…って、すいません…。何言ってるんでしょうね…俺。」
と、思わず力説し、そして、やっぱり恥ずかしくなって頬をかく。
あー!もう!!何やってんだ、俺!中學生のガキじゃあるまいし!!
どうも、上手く言葉が出てこなくて、焦ってしまう自分がいる。
こんな風に、異を意識して悶えたのは、中學の時以來だ。
人と距離を置きつつ、自分の安全圏から言葉をかけることで、自分の心を守る。
そんな、俺流の付き合い方を確立したのは高校生くらいからだった。
なので、こんなに近くで心をむき出しにして、異と接すると言うのは本當に久しぶりだったのだ。
結局、人から心を離す事で自分は長した気になっていた。
しかし、こうして逃げられない狀況になったとき、改めて俺の臆病な心やさが浮き彫りになったわけだ。
レイリさんは、俺のそんな飾ることの出來ない未な言や、恥ずかしがる俺の姿を見て、クスクスと笑うと
「ツバサ様は本當に不思議なお方ですね。私のだけではなくて、心までもになさる。」
そんな言葉を投げかけてきた。俺はそんなレイリさんの直球に「うぇ!?」と、焦る。レイリさんは、そんな俺の様子に満足したのか、更に続けた。
「私は、族長の娘であり、この村の巫として今まで生きてきました。々と、辛いこともございましたが…不満なく生きてきたつもりです。」
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レイリさんは、そこで言葉を區切ると、し考えるように間をおき、そして言葉を続ける。
「しかし、満たされていたかと言われれば、それは違いました。もちろん、リリーという可い娘を授かり、巫としての大役を果たしながらも、穏やかに過ごす日々は、それはそれで良いものではありましたが…。私、個人の心を出す機會はありませんでしたし、出してはいけないとも思っておりました。」
レイリさんの視線は遠くを見つめている。それは、目の前の風景なのか、過去のものなのかはわからない。
「しかし、ツバサ様が來てから、私は徐々に今までの自分に違和を覚えるようになりました。ツバサ様は、この村のことも世界のことも本當に何も知らないお方なのに、それでも我々の知らないことを沢山知っておられるお方です。私達の出來ないことを平然とやってしまわれるのに、それを誇りもせず、私達と対等にあろうとする。」
レイリさんは視線を俺に向けると、微笑みながら更に続ける。
「ツバサ様は、私から見てとても自分のお心に素直な方だとじました。勿論、私にはわからない何か別のものに縛られているようにも見えましたが、それでもツバサ様は、最後には自分を偽ることを良しとしない方だと、私はじております。」
そんなレイリさんの指摘に、俺はある意味正しく、ある意味間違っていると思った。
確かに、俺は自分の可能な範囲で自分の心を偽らない努力はしているつもりだ…。しかし、どうしても無意識の部分の自分でも気がつかないところで、自分を偽っている部分はある。それを自覚できているかはともかく…。
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俺のそんな考えを余所に、レイリさんは自分の気持ちを語り続ける。
「そんなツバサ様の心が、私は眩しくて、羨ましくて仕方がありませんでした。そして、ツバサ様と接していると、自分の心を偽らずにおれたのです。ですから、私は私自のためにも…いいえ、それだけではありませんね。村のため、巫としての自分、そういったしがらみも含めて、ツバサ様の傍におりたいと…いえ、いるべきであると思っておりました。」
し申し訳無さそうにしながら、レイリさんは目を伏せる。
俺はレイリさんの言葉を聞いて、それはそうだろうなぁと、冷靜な分析をしていた。
そもそもからして、あの治療での取引騒ぎやら、婚約騒やら、急過ぎるのだ。
こう、なんとしてでも縛り付けたいという思いが見え隠れしていたのが俺でもじられた。
そして、それはある意味で當たり前であるとも、俺は思っていたのだ。
大きな力を持つであろう俺を、を使って懐する。古典的ではあるが、非に効果の高いやり方だ。に絆ほだされてくれれば、村は安泰と言っても良いだろう。
だから、婚約騒ぎの際も、さして抵抗することは無かった。
俺があの申し出をけたのも、そういった政治的な思も含めて、レイリさんたち親子の狀況や村に対して、しでも役に立てればという、打算的な考えもあったからだ。
「しかし…。私は、徐々にツバサ様に惹かれている自分をじておりました。そして、先ほどの件で私は自分の気持ちに気がつくことが出來ました。」
そして、レイリさんは一旦、言葉を止めると、俺の方に潤んだ瞳を向け、
「ツバサ様。お慕い申し上げております。巫でもなく、長老の娘でもなく、一人のとして、貴方様の事を思っております。」
そう、ハッキリと言葉にしてきた。
その言葉は、レイリという一人のとしての言葉だった。
村の巫でもなく、母親でもなく、ただのレイリという立場からの告白だったのだ。
そんな俺の中には、様々な気持ちが沸き上がる。
俺の世界の価値観からすれば、レイリさんの言うことは無茶苦茶だった。
晝ドラも真っ青のドロドロ展開が待っていることは、間違いない。
何より、母親が娘の焦がれている相手を奪う?最低だと言われても仕方ない。
だが、俺は不思議に思っているのだ。
ここまで聡明なレイリさんがそんなつまらないことをするのか?と。
村のために頑張ってきて、それなりの地位を築き上げ、順風満帆とは言わないまでもゆったりと過ごしてきたレイリさんが、たかが一人の男のために、世間の目をも気にせず、わが道だけを貫くのか?
おかしい。この人はそういう人ではない。リリーを見ていれば、レイリさんとの絆が深く、に満ち溢れていることは良くわかる。そのレイリさんが、リリーを泣かせてまでそんなことするのか?
いや、絶対にしないと言いきれる。
ならば、この狀況はなんなのだ?
娘を差し置き、母親が自分の思いを吐する。
一見、奧様方が大好きだと思われるこの狀況。角度を変えれば違った側面が浮かぶ。
やはり、そういうことなのか?俺は、心の中でそう確信にも似た気持ちをける。
そんな冷靜な分析が俺の心に沸き上がる一方で、レイリさんの事が、しくてしょうがないと言う、俺個人の思いがあるのも事実だった。
元の世界なら、なくとも良い目では見られることの無いこの関係。
しかし、この世界ならどうなのだ?
いや、違う。確かに、世間は大事だが、それ以上に俺の気持ちは?
そこは問うまでも無かった。
一人のとして、俺はレイリさんに好を持っている。
先程の、騒を経て、更にその心の距離が近くなったこともじていた。
同時にルナとリリーのことも頭をよぎる。
彼達と、レイリさんを比べたとき、俺は誰か一人を選ぶことが出來るのだろうか?
無理だ。
俺はその仮定をすぐに手放した。
解ってしまった。やはり俺は、どうしようもなく、傲慢で張りだ。
手にれるものが全て零れ落ちていった元の世界の弊害だろうか。
鬱屈うっくつされ、全てにおいてどこか諦めていた俺の心が、変貌していっているのを俺はじていた。
誰か一人だけ?一番好きな人?そんなこと考えられるわけがなかった。
それぞれ違った形ではあるが、俺は全員、側にいてしいと思っているからだ。
別に、結婚とかそんなことはどうでも良い。ただ、一緒に時を過ごして行きたい。
そんな我侭な自分を発見し、改めて呆れる。
こういうのって、男の考え方なんだろうな…と、俺は心底自分に呆れながらも、自覚する。
自覚しても、これが俺だから仕方ない。開き直った俺は、まずは思いを伝えることにした。
「レイリさん。俺は、そのレイリさんの真っ直ぐな気持ちがとても嬉しいです。俺も一人のとしてレイリさんが大好きですよ。それはもう、先ほども狼狽えてしまうほど魅力的でしたし。」
気の利いたことも言えない俺は、直球でしか返せなかった。
そんな俺の言葉をけて、レイリさんは真っ赤な顔をしながら、微笑んでいた。
「もう、どうしましょう?乙でもあるまいし。先ほどからずっとドキドキしっぱなしですよ?」
レイリさんはそんな困ったような、楽しいような、複雑なをその表に浮かべつつ、俺を見上げてきた。
もう!!いつもキリっとしてる人が、そんな顔するから余計に可くじるじゃないか!!
俺はレイリさんのそんな一面にドキドキしつつも、今まで疑問に思っていたことを解消すべく、更に言葉を続ける。
「レイリさん。しかし、一方で俺は気になっていることがあるんですよ…。例えば、リリーについてです。」
俺はレイリさんをしっかりと見據えると、レイリさんもそれに答えようと、真剣な顔で俺を見つめてくれた。
「俺は前から、リリーとレイリさんが俺に嫁ぐ…ということに違和を覚えています。リリーはレイリさんがお腹を痛めて産んだ大事な娘のはずです。レイリさんがリリーのことをそれは大切な娘として可がっているのは、俺から見ても良くわかります。なのに、リリーを悲しませるようなことを、レイリさんが行う矛盾を教えてくれませんか?」
そんな俺の言葉に、レイリさんは本當に困ったように、俺を見つめる。
今の話し方だと迂遠うえん過ぎるか…。俺はもうしストレートに疑問をぶつけてみる。
「すいません。言葉が足りませんでした…。俺は異邦人です。ですので、俺の価値観でお話します。なくとも、俺の世界では、母親と娘が同じ男の人を取り合うと言うことはありません。それが忌とされ、周りから疎まれる原因となるからです。」
俺のその言葉で、レイリさんは納得が言ったのか、晴れやかな顔でこう答える。
「なるほど。ツバサ様の世界とこちらでは、大きな違いがあるようですわ。なくともこちらの世界では、好きな方を家族や友人で取り合うのはいたって普通のことでございます。また、一人の方に多くの方が付き従うのもこちらでは當たり前でございます。むしろ、多くの方が付き従っている人ほど尊敬される傾向にありますわね。」
ああ…やはりそうか。俺は思っていた通りの答えに納得する。
この世界ではなくとも、元の世界のような一対一のお付き合いが健全とか、そういう考え方は無いようだ。
むしろ、ハーレム推奨…。異世界凄いわ。
だからこその、あの親子間紛爭だったわけだ。
もっとも、そこにドロドロしたものはじなかった。やっぱりそれは、なんだかんだ言っても、お互いに思いあっているからこそなんだろう。
そんな思考に沈んだ俺を、レイリさんは「ツバサ様…。私からも質問がございます。」と、呼びかけて思考の海より引き上げる。
「はい。なんでしょう?」と、聞いた俺に、レイリさんは
「先ほど、ツバサ様が変な表現をしたので気になったのですが…。お腹を痛める…とか、産むとは、どういうことでしょうか?」
と、俺の予想をはるかにすっ飛ばした質問をしてきた。
それを聞いて、俺は思わず、「は?」と、間抜けな聲を出してしまう。
同時に、今のレイリさんの質問が、無視できない大きな意味を持つことに、俺は気がつく。
おいおいおいおい…まさか?まさか!?そういうことなのか!?
待て、いや待て…。まだ確定ではない。答えを聞いてみないことには、わからない。
俺は、勝手に早くなった鼓を沈めるべく、目を閉じ深呼吸をする。
そして、気持ちが落ち著いたところで、俺はレイリさんを見つめ、問う。
「私の世界では、が男から種をもらい、十月十日…約280日がお腹の中で子供を育てた後、子供を産みます。男にはそれはできません。そして、子供を産む際には、とてつもない激痛と戦わなくてはならないのです。ですから、もその分ひとしおである…らしいです。俺は相手も子供もいなかったので、知識としてしか知りませんけど、これが普通です。」
そんな俺の言葉に、レイリさんは驚くと、「そんなに違うものなのですね…。」と、呟き、続ける。
「こちらの世界で子をす場合は、番つがいの片方が、もう片方の魔力をけ、に宿します。その際、の方が、功率が高いとは言われております。どうやら、のには魔力を溜め込みやすい場が、備わっているからと言われておりますわ。」
なるほど。今の話で既に何個かぶっとんだ報が出てきているわけだが…。
とりあえず、俺は先を促すために頷く。ちなみに、先ほどから嫌な汗が出て止まらない。
「魔力をけ取った方は、1週間かけて、自分の魔力と融合した後に、霊樹の元に行きその魔力を託します。その際に、雙方とも、魔力にある程度の思いが乗っていないと、霊樹はけ付けないと言われております。」
「リリーのときも、私の思いが足りず、何回か失敗しておりますわ。恥ずかしいお話です。」と、そんな裏話まで話すレイリさん。
もう、俺の頭はこの時點でどうにかなりそうだったが、更に無言で頷き、話を促す。
「霊樹にけれられると、すぐに種が実ります。その種を自分の家の、龍脈と呼ばれる特別な場所に蒔まいて、魔力と水を與えながら、育てます。大、半年ほどで花が咲き、その中に子供がおりますわ。」
ハハハハ。花から生まれるとか、とってもロマンチックだ事。
俺の価値観は今、完全に崩壊していた。
「ち、ちなみに、下世話な話ですが、せ…渉は一どういう意味合いを持つのでしょうか?」
そんな俺の余裕の無い質問に、レイリさんはちょっと恥ずかしそうにしながらも、
「そうですね…。お互いの気持ちを確認しあう儀式であったり、単なる快楽の為であったり、威厳を示すために行うこともございますわ。…ああ、そうそう、確か…その最中で魔力注をすると子供を授かる確率が高いなんて話もございましたわ。」
「ちなみに、私はまだ、そういう関係を持ったことがありませんわ…。」と、モジモジしながら言うレイリさんだったが、俺はそれどころでは無かった。
つまりは…、渉は子を宿すのに必要な行為ではないということだな。
なんだか、今の一連の會話だけで、々ぶっ飛んだぞ。
ああ、そうか…だから、あの馬鹿息子…ガレフだっけ?あれがおかしな事を言ってたのもそういうわけか?
「レイリさん。この世界に近親相きんしんそうかんの概念はありますか?あーっと…。父親と娘で子供を作っちゃいけないとか…そういうことです。」
「いえ?特にそのようなことはございません。実際に、この村でも父親や母親が娘や息子に子供を作らせたり、その逆も行われておりますよ?」
ハイ。決定。
もう、駄目だね。々想像して、気持ち悪くなってきた。
つまり、あれだ。別、統、問わず、どんな人とでも子をすことが可能だと言うことだ。
種族すら超えるんじゃないか?これ。
もちろん、それなりのは必要なのだろうが、それが例え、親子であろうがこちらでは忌になり得ない。
だって、許されているんだから。
俺は、最後に一つ、どうしても聞かなければならないことを聞く。
「これは、非に失禮な質問なので、レイリさんが嫌なら答えなくて結構です。」と、前置きした後で、
「レイリさんのように、相方を亡くした方が再婚なさる場合、それは周りからどう思われますか?そして、レイリさんはその事をどう思っておりますか?」
そんな俺の質問に、レイリさんは顔を赤くして、「まぁ、ツバサ様ったら。」と、恥ずかしそうながらも何故か嬉しそうに言うと、
「通常、番のいなくなった方は、すぐに他の相手を探して一緒になることが多いですわ。本當に深い絆で繋がっていた場合は、再婚しないこともございます。私は、村に気になる相手がいなかったので、しておりませんでした。それで良かったと思っておりますわ。」
そんな風に、クネクネしながら話してくれた。
俺は、いつもなら狂喜舞してその可い姿を堪能するところだが、今はできなかった。
「レイリさん。昔の旦那さんの事は…どうおもっていらっしゃいますか?」
俺は吐き出すように、そう問いかけた。
そんな俺のこわばった問いかけに、レイリさんは何かじるところがあったのだろう。真剣な眼差しを向けると、
「悪い人ではありませんでしたわ。リリーを授かった程度にもございました。しかし、ツバサ様。死んでしまわれた方にはして頂けないですし、養ってもいただけないのです。私達のような弱い達は特に、その意識が強うございます。生活する以上、割り切るのは當然でございます。ですから、前の番の事は、に仕舞い新しい方と共に生きる。これが私達の普通でございますわ。」
そう、噓偽り無く、本心をぶつけて來てくれた。
俺は今までの報を整理し、自分の思考へと沈む。
この世界の住人は、倫理観と言うものが、俺の世界に比べてずいぶん違っていた。
結婚にしても、子供を作るにしても、その制約は非に薄く、また、進んで沢山の子供を作るように変化している。
一見すると、違和しかない親子の結婚騒も、こちらでは特に問題が無い…。
いや、むしろ、多くの人を囲うという意味では推奨すらされている。
3人を娶ると言うことに関しても、なんてことは無い。その方が良いこととされているから、そういう結果に持っていかれたのだ。
未亡人であるレイリさんの結婚も、ある意味推奨されている。
全て問題がない。俺の気持ちと、3人の気持ちが一致しているのであれば、何も障害が無い。
それなのに…。このどうにも煮えきることの出來ない、モヤモヤした不快にも似たはどこからくるのだろうか?
俺は、心の中で問いかけるも、それに答えてくれるものはいなかったのだった。
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