《異世界で、英雄譚をはじめましょう。》エピローグ
「……というわけで、一人のをした勇者は、一人のがした世界を守るために自らを犠牲にしましたとさ」
「ええー! それでおしまい?」
「何だか悲しい語だねー!」
おじいさんの紙芝居を聞いていた子供達は、各々想を述べていく。
しかし誰もがその語を、悲観的なものだと述べていた。
「そうだろう。そう思うかもしれないな。しかし、悲しい語かもしれないが、忘れてはいけない語なのだよ」
子供達にお菓子をあげながら、おじいさんは告げた。
子供達はお菓子を貰って、頭を下げて、走って行く。それぞれまた別の遊びをするのだろう。
子供達の心に殘るかどうかは分からない。
しかし、その語を語り継いでいくことこそが――彼の役目だと思っていた。
勝手なことかもしれない。もしくは、『彼』がこの広い宇宙のどこかで見ているかもしれない。
しかし、それでもおじいさんは今日も語を語り継ぐ。
彼――フル・ヤタクミが繰り広げた、英雄譚を。
「或いは、そういう役目を持ってして生き殘ったのかもしれないな……」
おじいさんは笑みを浮かべながら、片付けを開始する。
「手伝いますよ。おじいさん」
聲が聞こえたのでそちらを向くと、彼の孫が立っていた。
「おお。済まないな、シルバ。いつも手伝いに來てくれて」
「いいんですよ。それが……おじいさんの役目なら、それを手伝うこともまた、『勇者の仲間』の子孫たる僕の役目なんですから」
「……そうか。ありがとうよ、シルバ」
そうして、二人で片付けを開始した。
空はまだ明るかったが、しだけ星の輝きが見えていた。
広い宇宙のどこかで――フルが見ている。
そんなことを、彼らは忘れられないまま、彼の英雄譚を語り継いでいくのだろう。
【書籍化+コミカライズ】悪虐聖女ですが、愛する旦那さまのお役に立ちたいです。(とはいえ、嫌われているのですが)※完結済み
★書籍化&コミカライズします★ 目が覚めると、記憶がありませんでした。 どうやら私は『稀代の聖女』で、かなりの力があったものの、いまは封じられている様子。ですが、そんなことはどうでもよく……。 「……私の旦那さま、格好良すぎるのでは……!?」 一目惚れしてしまった旦那さまが素晴らしすぎて、他の全てが些事なのです!! とはいえ記憶を失くす前の私は、最強聖女の力を悪用し、殘虐なことをして來た悪人の様子。 天才魔術師オズヴァルトさまは、『私を唯一殺せる』お目付け役として、仕方なく結婚して下さったんだとか。 聖女としての神力は使えなくなり、周りは私を憎む人ばかり。何より、新婚の旦那さまには嫌われていますが……。 (悪妻上等。記憶を失くしてしまったことは、隠し通すといたしましょう) 悪逆聖女だった自分の悪行の償いとして、少しでも愛しの旦那さまのお役に立ちたいと思います。 「オズヴァルトさまのお役に立てたら、私とデートして下さいますか!?」 「ふん。本當に出來るものならば、手を繋いでデートでもなんでもしてやる。…………分かったから離れろ、抱きつくな!!」 ……でも、封じられたはずの神力が、なぜか使えてしまう気がするのですが……? ★『推し(夫)が生きてるだけで空気が美味しいワンコ系殘念聖女』と、『悪女の妻に塩対応だが、いつのまにか不可抗力で絆される天才魔術師な夫』の、想いが強すぎる新婚ラブコメです。
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8 143異世界はチートなカードで乗り切ろう!?
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