《異界の勇者ー黒腕の魔剣使いー》1-4
國王との會談が終わった後、朝日達は無駄に広くて長い廊下を歩いていた。
目指しているのは歴代勇者たちが使っていた部屋。
國王の話からすると、どうやらしばらくの間はその部屋で暮らすことになるらしい。
そして、彼らを案しているのは一人の騎士とメイド。
騎士の方は名をウィリアムといい、騎士団の副団長を務めているらしい。中々の中年である。
メイドの方は名をジェーンという、歳はらしいが見たところ二十代前半と言ったところだろうか。
先程からこの無駄に長い廊下を歩いているわけだが只々歩いていつわけではない。
歩きながらも會話を通し報の引き出し中である。
騎士の方は勇二が好奇心旺盛といったじで騎士団や冒険者などの荒事や戦いに関する報を。
メイドの方は未希がこの世界獨自の料理や食材、観地、最近あった出來事など主に生活関連の話を聞き出していた。
殘った朝日はというと、四人の會話に耳を傾け、時に気になったことに質問し、時に尋ねられたことに返答したりして報収集を行っていた。
Advertisement
因みにこの報収集、差し金は朝日である。
本人曰く「報収集は転生モノでも転移モノでも定番だからな」だそうだ。
-------------------------------------------------------------
さて、朝日達が國王の間から出てから十五分ほど経ちこの場にいる五人が程よく打ち解けた頃、その部屋についた。
まず目についたのは大きな扉だ。
そう大きな扉である。
未希ですら「この城、なんでこんなに無駄に大きいのが多いかな」と若干呆れ気味である。
三人がその部屋にろうとしたとき…
「あ、未希様は別室になります」との聲がかかった。
固まる未希。
気にせず部屋の扉に手を掛けるにる朝日。
それを見て苦笑いする勇二。
「っえ?私別の部屋なんですか!?」
そんな未希の言葉にその場にいた全員が當然とばかりに頷く。
「では未希様、參りましょう」
メイド、ジェーンはそういうと未希の腕をつかみそのまま引っ張っていく。
このメイド、短時間で未希の扱いを心得たようである。
「それでは私はこれで失禮する。騎士団に興味があったら是非とも中庭に來てくれ、稽古をつけよう」
その場に殘った騎士ウィリアムはそう言って二人に軽く禮をするとその場から去っていった。
-------------------------------------------------------------
ウィリアムがいなくなった後、朝日と勇二はすぐに行を開始した。
部屋にはいくつかの家と支度品が置かれていてそれなりに豪勢なものだった。
それでも、裝飾華ではないあたり過去の勇者がなにか指摘したのかもしれない。
日本人は異世界でもわびさびの文化は忘れないのだ。
「勇二、なんかあったか?」
「うーん、これなんてどう?」
ちなみに、部屋にった二人が始めたことがなにかというと、それは...
そう、である。
しかしこの行にもちゃんと理由はある。
‘先代の勇者も使っていた部屋だから、もしかしたらこれからの手助けになるものがあるかも,といったものだ。
因みに一応未希にも伝達済みだ。
「一番ありがたいのは日記とか、そこら辺なんだが」
そういいながら朝日は部屋に置かれていたキャリーバッグの中を探る。
「でも驚いたね、まさかこっちに來てこれを見ることになるなんて」
そう、明らかにこのファンタジーな世界には不釣り合いなが多數ある。
キャリーバッグ、攜帯電話、通學カバン、etc...
恐らくこれは全て過去の勇者がこちらに來るときに一緒に持ってきたものだろう。
「ん?」
すると突然、聲が聞こえた。
いや、これは聲といっていいのだろうか。
ただ、この聲の主は何かを訴えかけている、そうじた。
「なぁ勇二」
「なにー?」
と、なれば一番に反応するだろう勇二に聲をかけてみたが、どうやら彼には聞こえていないらしい。
「いや、なんでもない」
その言葉にまたもや怪訝そうな表の勇二。
「ッ!?」
今探している鞄の中も探し終えたので別の場所を探そうと移したとき、再び聲が聞こえた。
それも、先ほどよりもはっきりとした聲で、頭に響いた。
聲はまだ聞こえている。
「「私はここです」ねぇ…?」
聞こえたのはの聲だった。
そして聞こえてきたのは...
「なぁ、勇二よ、ベッドの下って確認したっけか?」
「ううん、まだだよ?でもそんな定番な場所に「あったぞ?」…定番バンザーイ」
聲の聞こえてきたベッドの下、そこにあったのは大きな箱。
「箱?ねぇ朝日開けてみて」
「…おまえ、分かっててオレに危ない役やらせようとしてないか?」
ジト目で勇二を睨む朝日、目を逸らし乾いた笑いを浮かべる勇二。
やってやるけどよ、と悪態をつきながら箱を開ける朝日。
勇二がガッツポーズをとった気がするが気にしない。
「さぁて中は…本、日記か!」
中にっていたのは四冊の分厚い日記だ。
「四冊ってことは歴代勇者全てのものじゃないみたいだね?」
「ああ。でも貴重な報源だ。あとで三人で確かめるか」
それにしても、と朝日は思う。
(さっきの聲は何だたんだ?)
出した本を一度しまおうとしたところ、箱の奧にまだナニカがあるのを発見した。
そこにあったのは...
(黒い、結晶?)
サイズだけで言えば丁度親指くらいの真黒な結晶だった。
その結晶を認識した途端、また聲が聞こえた。
「「手に取れ?」まぁいいけどよ」
そういいながら結晶を手に取った瞬間、朝日の頭に激痛が走った。
「ッく!?」
その痛みに耐え切れず朝日は意識を失った。
to be continued...
【書籍化】隻眼・隻腕・隻腳の魔術師~森の小屋に籠っていたら早2000年。気づけば魔神と呼ばれていた。僕はただ魔術の探求をしたいだけなのに~
---------- 書籍化決定!第1巻【10月8日(土)】発売! TOブックス公式HP他にて予約受付中です。 詳しくは作者マイページから『活動報告』をご確認下さい。 ---------- 【あらすじ】 剣術や弓術が重要視されるシルベ村に住む主人公エインズは、ただ一人魔法の可能性に心を惹かれていた。しかしシルベ村には魔法に関する豊富な知識や文化がなく、「こんな魔法があったらいいのに」と想像する毎日だった。 そんな中、シルベ村を襲撃される。その時に初めて見た敵の『魔法』は、自らの上に崩れ落ちる瓦礫の中でエインズを魅了し、心を奪った。焼野原にされたシルベ村から、隣のタス村の住民にただ一人の生き殘りとして救い出された。瓦礫から引き上げられたエインズは右腕に左腳を失い、加えて右目も失明してしまっていた。しかし身體欠陥を持ったエインズの興味関心は魔法だけだった。 タス村で2年過ごした時、村である事件が起き魔獣が跋扈する森に入ることとなった。そんな森の中でエインズの知らない魔術的要素を多く含んだ小屋を見つける。事件を無事解決し、小屋で魔術の探求を初めて2000年。魔術の探求に行き詰まり、外の世界に觸れるため森を出ると、魔神として崇められる存在になっていた。そんなことに気づかずエインズは自分の好きなままに外の世界で魔術の探求に勤しむのであった。 2021.12.22現在 月間総合ランキング2位 2021.12.24現在 月間総合ランキング1位
8 111家から逃げ出したい私が、うっかり憧れの大魔法使い様を買ってしまったら
◇SQEXノベルさまより書籍全3巻発売中!3巻は完全書き下ろしで、WEB版の続きになります。幸せいっぱい、糖分過多のハッピーエンドです。 ◇ガンガンONLINEさまにてコミカライズ連載中! コミックス2巻が発売中です。 ◇ 書籍ではWEB版のラストを変更しています。 伯爵家に引き取られたジゼルは、義母や妹に虐げられながらも、持ち前のポジティブさと亡き母に貰った『やさしい大魔法使い』という絵本を支えに暮らしていた。 けれどある日、自身が妹の身代わりとして変態侯爵に嫁がされることを知り、18歳の誕生日までに逃げ出す計畫を立て始める。 そんな中、ジゼルは奴隷市場でムキムキの青年を買うつもりが、ついうっかり、歳下の美少年を買ってしまう。エルヴィスと名乗った少年は、ジゼルをクソガキと呼び、その上態度も口もとんでもなく悪い。 ──実は彼こそ、最低最悪の性格のせいで「人生をやり直してこい」と魔法を封印され子供の姿にされた後、神殿から放り出された『大魔法使い』だった。 魔法によって口止めされ、自身の正體を明かせないエルヴィス。そんな彼に対しジゼルは、あまりにも辛い境遇のせいでひねくれてしまったのだと思い、逃亡計畫の傍らひたすら愛情を注ぎ、更生させようとする。 (あれ、エル、なんだか急に身長伸びてない?魔法が少し使えるようになったって?ていうか距離、近すぎるのでは……?) 世話を焼き続けるうちに、エルヴィスに少しずつ不思議な変化が現れ始める。彼に掛けられた魔法が、人を愛することで解けることを、二人が知るのはまだ先で。 家を出たい心優しい少女と、元の姿に戻りたい優しさの欠片もない魔法使いが、幸せになるまでのお話です。
8 181彼女が俺を好きすぎてヤバい
魔術を學ぶ學校に通う俺、月城翼には彼女がいる。彼女こと瀬野遙は、なんというか、その。ちょっと、いやかなりヤバい奴だった。ヤンデレとかメンヘラとか、そういうのではなくだな……。 (「小説家になろう」に投稿しているものと同じ內容です)
8 188ドン底まで落ちた私
25歳でドン底を見た私がもう一度這い上がる為の決意をする話
8 73未解決探偵-Detective of Urban Legend-
警察では解決できない都市伝説、超能力、霊的問題などの非科學的事件を扱う探偵水島勇吾と、負の感情が欠落した幼馴染神田あまねを中心とする“解決不能“な事件に挑む伝奇的ミステリー。
8 93異世界でもプログラム
俺は、元プログラマ・・・違うな。社內の便利屋。火消し部隊を率いていた。 とあるシステムのデスマの最中に、SIer の不正が発覚。 火消しに奔走する日々。俺はどうやらシステムのカットオーバの日を見ることができなかったようだ。 転生先は、魔物も存在する、剣と魔法の世界。 魔法がをプログラムのように作り込むことができる。俺は、異世界でもプログラムを作ることができる! --- こんな生涯をプログラマとして過ごした男が転生した世界が、魔法を”プログラム”する世界。 彼は、プログラムの知識を利用して、魔法を編み上げていく。 注)第七話+幕間2話は、現実世界の話で転生前です。IT業界の事が書かれています。 実際にあった話ではありません。”絶対”に違います。知り合いのIT業界の人に聞いたりしないでください。 第八話からが、一般的な転生ものになっています。テンプレ通りです。 注)作者が楽しむ為に書いています。 誤字脫字が多いです。誤字脫字は、見つけ次第直していきますが、更新はまとめてになります。 【改】となっているのは、小説家になろうで投稿した物を修正してアップしていくためです。第一章の終わりまでは殆ど同じになります。
8 95