さて、朝日達は再び國王の間の前まで來たわけだが...

（（（相変わらず扉デカ！）））

こればかりはどんな時でも変わらない三人の総意である。

先頭に立つメイドが扉の前に立つ騎士に一禮をする。

騎士はかるく頷くと扉の前で聲お張り上げる。

「國王様、勇者様方が到著いたしました！」

するとすぐに國王の聲が返ってきた。

「苦労、通せ」

その國王の言葉に大きな扉がゆっくりと開いてゆく。

そこには王座に座る國王とその橫に控えているウィリアムと昨日の神風の男がいた。

國王の間にったとたん周りのメイドたちが一斉に國王に対し禮をする。

朝日達も禮をしようかと思ったが國王が手で制す。

「いや、頭を下げなくともよい、それより昨日はよく眠れたか？」

その問いに勇二と未希は頷き、朝日は肩をすくめる。

「ふむ、アサヒ殿は朝から晩まで寢ずに番をしていたと聞くが…どうかこの城のモノを信用してはくれんかのう？」

こんな時に勇者に手を出す者はおらんだろうしな、と國王が言う。

対して朝日はなぜ知っているのか、といった顔をしていたが。

「さて、昨日はできなかったが自己紹介をさせてもらおう。我は人間國ノイドの國王シュバルツ=クラウズ=ノイドだ」

「今回、來てもらったのは他でもない勇者殿たちの実力を確かめるためだ」

しかし、と國王は続ける。

「戦闘能力についてはウィリアムから聞いている、特にユージ殿、そなたの腕前はなかなかのものだとウィリアムが引っ切り無しにほめていたぞ？」

國王のその言葉に思わず背筋がびてしまう勇二。

國王は構わず続ける。

「さて、今日測らせてもらのは魔法の適だ」

魔法、という言葉に三人がピクリと震える。

「確か伝承によると勇者様方の世界には魔法が存在しないとあるがこの世界では當然のように存在し人々の生活を支えておる」

それは知っている、神から與えられた知識にあったものだ。

「そして、召喚された勇者たちは世界を渡るとき魔法を授かるとある」

そこまで聞いて朝日はこれからのことを把握した。

「程、今回測定する適ってのは『どんな魔法を持っているか』、『どれだけの規模の力か』ってのを測ろうってわけだ」

朝日のその言葉を聞いた國王は嘆の聲をこぼす。

「ほぅ、たったこれだけでそこまでわかるか。その通りだ」

國王はそういうと自分のすぐ近くに控えている神風の男に目配せをする。

すると目配せされた神風の男は朝日たちの前まで歩み一禮する。

「どうも勇者様方、わたくしはこの城の専屬の神をしております。ルシフル=マジェスタにございます、以後お見知りおきを」

すると神の男、ルシフルは著込んだローブの袖から何やら円のようなものの書かれた紙を取り出した。

ルシフルは紙を広げ國王の間の床に敷いた。

その紙に書かれていたのは巨大な魔法陣。

「この魔方陣は魔力を流すことでその者の魔法適の有無や屬などがわかるものとなっています」

魔法の屬には基本五屬の火屬、水屬、風屬、土屬、雷屬の五つがあり。

さらに、上位屬とも呼ばれ、とても珍しい新生五屬の屬、闇屬、無屬、治癒屬、そしてユニーク屬の五つがあるらしい。

例えば、とルシフルは魔法陣の端に手を置く。

すると彼の周りにの粒子のようなものが飛びう。

そして...

「うわっ、燃えた！」

「でも熱くないよ？」

「ほぅ？」

魔法陣の真ん中から炎が噴き出した。

「まぁ、私には火屬の適がありますのでこのように炎が噴出します」

ちなみにこの魔方陣で発生したものに実態はありません、と付け加える。

「さて、ではさっそく誰かやってみますか？」

その問いに朝日と未希はサッと勇二のほうを向く。（未希はいまだに勇二と顔を合わせようとはしないが）

そんな二人に苦笑しつつ、未希が自分のことに反応してくれたことを喜びつつ魔法陣のもとに近づく勇二。

「えっと、れるだけでいいんですか？」

勇二の問いに頷くルシフル。

勇二がしゃがみ魔法陣にれた瞬間それは起こった。

それはと炎と雷の演舞。

それぞれの屬が激しく自己主張し起こった景。

その演舞は數秒にしか満たなかったがその場にいた全員にを與えていた。

一番先に再起したのはルシフルだ。

「ほほぅ、これはまた見事なものですなぁ。ふむ屬はに炎に雷ですか」

彼は研究者らしく先程起こった事象を引き起こした屬を言い當てていた。

「なるほど、面白いものが見れました、さて次はどな「私が行きます！」…ではどうぞ」

彼の言葉を遮り未希が元気良く手を挙げる。

ルシフルは若干押され気味だ。

勇二とれ替わる形で魔法陣の前にしゃがみ込む未希。

そして魔法陣に手を置く。

するとまたもや異変が起きた。

それは優しげなに包まれた水が宙を躍る景だった。

「おぉ、次は水屬に治癒屬、さらには風屬ですな」

「へぇ、きれいだね」

その景もすぐに消え魔法陣の前には満足そうな表の未希が立っていた。

to be continued...