《異界の勇者ー黒腕の魔剣使いー》2-7 依頼
「ふぁあ…もう朝かぁ。昨日は買い楽しかったなぁ」
そんなことを言いながら宿屋のベットで目を覚ましたのは未希だ。
昨日のことだが、あの後三人は武屋を出てから服屋や道屋などを回った。
男陣が服屋の前で一時間近く待たされたのは記憶に新しい。
「勇二はいないかぁ。朝日は……まぁ居ないよねぇ」
隣のベットを見やり朝日と勇二が部屋にいないことを確認すると未希は服をぎだし著替えを始める。
すると扉の方からコンコンッ、という音が聞こえた。
余談だが、あの出來事以來、三人の間ではノックをすることが暗黙の了解になっていたりする。
「未希、起きてる?もうそろそろ朝ご飯だよ?」
聲の主は勇二だった。
「起きてるよー、著替え終わったら行くから先に食堂で待ってて―」
未希は昨日買った新しい服にそでを通しながら答える。
「うん、これで良し!」
服を著終わり、もう一度だしなみを確認して部屋を出て鍵を閉める。
階段を下りて食堂に行くと昨日座った席に勇二と朝日が座っていた。
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「未希、おはよ」
「おっはよー!」
「…朝から元気だなお前ら」
未希が椅子に座るといつも通りのやり取りか繰り出される。
「朝食なら先に頼んでおいたぞ」
「どんなやつ?」
「黒パンと冷製スープ、フルーツジュースだよ」
そんなことを話していると、まるでタイミングを見計らったかのように朝食が出てくる。
「おお、味しそう」
「だね、それじゃ頂きます」
そういって料理に口をつける勇二。
朝日と未希も同じく料理を食べ始める。
「あ、今日はギルドで依頼けるんだっけ?」
一度食事の手を止めて勇二が問う。
「あぁ、まずは試しに魔ってのがどんなじか、確かめる必要があるからな」
そういって朝日はいち早く料理を平らげる。
「あ、ちょっと朝日食べるの早いよ!」
「いいからさっさと食え。割のいい依頼がなくなっちまうだろうが」
いまだに食べ続けている二人を急かしつつ朝日は殘っていたフルーツジュースを飲み干す。
「先に出てる」
それだけ言うと朝日はコートを翻し宿屋のお出口に向かう。
殘った二人もすぐに朝食を平らげ朝日に続き宿を出るのだった。
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宿を出て向かったのは冒険者ギルド。
そこには昨日來た時よりも多くの冒険者がいた。
三人はギルドにると真っ直ぐ依頼書の張ってある掲示板、通稱クエストボードに向かう。
ギルドの中には昨日の騒を目撃した冒険者もいたようでやたらとこちらに視線が向かってくる。
「さてと、初依頼に相応しい、良い依頼はあるかなーっと」
そんなことを言いながらクエストボードを見上げる勇二。
「ふむ、これなんてどうだ?」
そういって朝日の指さす先には「フォレストウルフ五の討伐」と書かれた依頼書があった。
「依頼のランクは?」
「Eランクだ。ついでに報酬は銀貨三枚」
日本円に換算すると三千円だ。
「で、どうする?」
「それでいこう」
「わかった。依頼書はカウンターに持っていけばいいんだよな?」
ける依頼を決めた三人はり付けてあった依頼書を手に取り昨日登録した付、その隣のクエストカウンターと書かれた付に向かう。
朝日は手に持つ依頼書を付に起きそこに座る付嬢に話しかける。
「この依頼をけたいんだが」
「はい、では、ギルド証を提示してください」
「わかった」
付嬢の言葉に促されギルド証を差し出し三人。
「ギルド証では昨日登録したばかりですが、討伐系依頼の大まかな流れを説明した方がよろしいですか?」
「頼む」
「畏まりました。基本的に討伐系の依頼では現地に行き魔を討伐、討伐した魔の討伐部位を持ち帰りクエストカウンターにて提出し依頼達となります」
「フォレストウルフの討伐部位は右の牙だったな?」
「はい、そうなります。もし余分に討伐した場合は達報酬に金額が上乗せされます。ああ、あと討伐した魔の素材の買取もギルドで行っておりますので、もし素材を回収した際にはご利用ください」
「わかった。ちなみにここに書かれている場所は、街の南にある森で間違いないか?」
「リザーブの森の事ですね?間違いありませんよ」
「わかった。よし、お前らさっさと行くぞ。森まで歩いて一時間近くかかるからな」
「「りょうかーい!」」
「依頼の領を確認しました。ギルド証をお返しいたします。武運を」
そういって付嬢はかるく頭を下げる。
三人はそれを見て軽く會釈するとそのままギルドから出ていった。
しかし、三人は気付くことはなかった。
ギルドのから三人の事を見つめていた憎悪の籠った視線に.....
to be continued...
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