《異界の勇者ー黒腕の魔剣使いー》2-16 討伐作戦の終結
「今ご到著だ」
そういった瞬間、朝日の橫に二人の人影が現れる。
「おせぇぞ、寢坊助」
「ごめんごめん、こっちに來ても遅刻癖は治らなかったみたいで」
「朝日も勇二もよゆーがあるね」
現れたのは言わずと知れた勇二と未希の二人だ。
「さて、それじゃ。いつも面倒ごとに巻き込んでくれた禮だ。たっぷりと手伝ってもらうぜ?」
「朝日、怒ってる?」
「……まぁな、あれを見てみろ」
そういって朝日はゴブリンキングの手元を指さす。
するとそれを見た勇二と未希の表が曇る。
ゴブリンキングはそれを知ってか知らずか手に持った再びをブンブンと振り回す。
勇二はそれを見た瞬間表を険しくする。
「討伐隊長さん」
「な、なんだ?」
先程まで三人の様子を黙って見守っていた討伐隊長に勇二が話しかける。
「僕達はどうにかしてあのを取り戻しますので、のことは任せます」
「んな!?馬鹿言うな!Cランクの魔だぞ!?そんなの死にに行くようなものだ!」
「……朝日、未希。行くよ!」
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勇二はジョウの言葉を半分も聞かずにごブリンキングに向け走り出す。
「勇二!合わせろ!」
朝日も続いてそれに並走する。
「今だ!」
朝日の掛け聲を合図に二人は同時に飛び上がり、ゴブリンキングに斬りかかる、が。
「んな!?てぇ!」
分厚い皮によって防がれてしまう。
「なら魔法で!世界を照らすよ、彼のものに裁きを!『レイボルト』!」
至近距離で有事の魔法が炸裂する。
すると...
「おぉ、結構効いてる!」
「阿呆!俺を巻き込む気か!」
なんと勇二の放った魔法はゴブリンキングの皮をわずかに削ることに功した。
魔法の余波でし吹っ飛びかけたものもいるが。
「二人ともどいて!風さん!おっきいのお願い!『ストーム』」
朝日が勇二に怒鳴りつけているところに未希の風魔法が飛んでくる。
二人は何とか躱したものの、巨を持つゴブリンキングはそうはいかなかったらしい。
「グォぉぉォ!?」
ゴブリンキングに直撃した魔法は周囲の土を巻き込み砂埃を起こす。
しかし...
「っと、どうやら奴さんが本気になったようだぜ?」
砂埃が晴れるとそこには怒りの形相で醜い顔をさらに醜く歪めたゴブリンキングが立っていた。
「でも、魔法自は効いてる!」
「ねぇ朝日!朝日の魔法でどうにかならないの?」
「そうしたいが、生憎と今日はギャラリーがいやがる!」
そういって朝日は魔法によって皮の削られた部分を狙いゴブリンキングに斬りかかる。
「討伐隊長には後から言っておけばいいでしょ!」
「わかった!いったん詠するために下がるから押さえてろ!」
「了解!」
「らじゃー!」
そういって朝日はゴブリンキングからある程度離れた位置まで下がる。
そして朝日が後ろに下がると同時に意外な人が前に出てきた。
「お前の相手はこっちだよっと」
それは赤髪の冒険者、ジョウだった。
「こうなったら自棄だ!トコトン付き合ってやる!」
そういうと、ジョウは背に背負った槍を振りかぶる。
その攻撃はゴブリンキングのい皮で止められる。
行の止まったジョウに向かいを振りかぶるゴブリンキング。
しかしその攻撃は不発に終わる。
「ジョウさん!ちょっと背中借りますよっ!」
そう言うが早いか勇二はジョウの背を踏み臺にし高く跳びあがる。
「世界を照らす、彼のものに裁きを!『レイボルト』!」
そして勇二は量の手のひらからそれぞれゴブリンキングの手をめがけ魔法を放つ。
「グオォォォ!」
放たれたそれは寸分の狂いなくゴブリンキングの手に的中し、両手に握られていたを手放させることに功する。
すかさずジョウと勇二はそのを回収し、安全な場所まで運び出す。
武を失ったゴブリンキングは先ほどの比にならないくらいに暴れ始めた。
勇二たちはその攻撃に當たらないように、隙を見てしづつ攻撃する。
しかし、その攻防もついに終わりがやってきた。
「勇二、ジョウ!そこをどけ!」
二人にそう呼びかける朝日の手には青白い結晶の剣が握られ、朝日本人も淡いを放っていた。
朝日はたった一踏みでゴブリンキングの前まで跳ぶ。
そしてそのままの勢いでゴブリンキングの腹に剣を突き刺した。
「炸裂しろ!『クリエイトマジック』!」
朝日はそうび、思いっきり後ろに跳ぶ。
次の瞬間、ゴブリンキングの腹からとてつもないが発せられた。
その場にいた全員は思わず目をつぶる。
「何だったの、今の?」
勇二がそう呟きながらゴブリンキングのほうを見ると、そこには腹に大を開けて、こと切れたゴブリンの王がいた。
唖然とする勇二達。
朝日はそれを気にした様子もなく座り込み、すっかりと青くなった空を見上げていた。
それから約一時間後、四人は他の『世界樹の木』のメンバーによって無事に発見、保護され、波のゴブリン討伐作戦は幕を下ろしたのだった。
to be continued...
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