《異界の勇者ー黒腕の魔剣使いー》3-42 銀の
「こい『魔剣サクリファイス』」
その言葉と共に朝日のから大量の『闇』が噴出した。
その景に剣の使徒は駆けていた足を止め朝日の様子を注意深く観察する。
朝日のから噴出した『闇』はそのまま朝日のを包むように覆い隠すと朝日の右手の掌を起點に集まり始めた。
闇はまるで編みでもするように徐々に形をしていく。
そうして形作られたそれは、ガード部分に黒い寶石が埋め込まれた、標準的なサイズの長剣。
銘は『魔剣サクリファイス』。
全てを喰らう暴食の魔剣だ。
いつか見た漆黒の魔剣を攜えた朝日は軽くその場で剣を一閃する。
すると、朝日のその作を合図とするように朝日の隣にあるものが現れた。
それは朝日の元あたりまでしかない小柄な長、腰あたりまでびた銀の髪、無機質な青い瞳とその右目に走る線のような模様が特徴的なだった。
「いかがなさいましたか?マスター」
凜とした場違いとも思えるい聲があたりに響く。
「別にお前は呼んでないんだがな…」
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朝日はそう言って額を抑えると大きなため息をつく。
「いえ。間違いなくマスターは私を呼びました」
そう言って不思議そうに首を傾げる。
「俺が呼んだのは『剣』であって『本』じゃねぇよ…ったく」
「そうでしたか。それは失敬」
表を変えずにそういったにアサヒは額に青筋を浮かべる。
「絶対思ってないよな、それ。むしろ分かっててやっただろ…」
「はい」
「即答しやがったよこの野郎!」
朝日の様子を遠目に見ていた勇二と未希は、いきなり目の前で繰り広げられた朝日ととの漫才のようなやり取りに思わず唖然としていた。
「ねぇラッ…華夜ちゃん。あの子はいったい…?」
その視線の先にいるのはもちろん銀のである。
「そう、ですね…簡潔に説明すると、偶然に偶然が重なって兄さんの右腕となった『魔剣サクリファイス』。それの、意思というか霊というか…そんな存在ですね」
「霊…?」
「えぇ。勇二さんは聞いたことありませんか?名工の作った魔剣、その中でも特に業なものには意思が宿るって話」
「あー。朝日の本にそんなことが書いてあった気がする。それじゃあ、彼も…?」
「ええ。兄さんは恐らくそうなんじゃないかって言ってます」
「恐らく?」
「なんでも、あの魔剣。契約した兄さんですら分からないことだらけらしいんですよ」
「え?契約してるのに?」
「契約してるのに」
華夜と勇二がそんな會話を繰り広げている間、朝日は先程と変わらず霊と思わしきと漫才を続けていた。
「とにかく。てめぇはお呼びじゃねぇんだ。さっさと戻るか華夜のところにでも行ってろ!」
「マスター。の子はもうし丁重に扱うべきだと進言します」
「うるせ!戦闘中に文句言うな!」
朝日が怒鳴るようにそういうと銀のは肩をすくめるとその姿を『闇』へと還し、朝日の右腕に吸い込まれるように戻ってゆく。
「はぁ…なんで戦闘前にこんなに疲れなくちゃならねぇんだ…?」
大きなため息を吐きながらそうぼやく朝日。
どこかで「宿命なんじゃない?」と聞こえた気がするがスルーする。決してそんな悲しい宿命などは背負っていない。そう、決してだ。
「さて…待たせて悪かったな。剣の使徒」
「ふん。貴様のあの稽な姿。楽しく拝見させてもらったよ」
そういって皮気に鼻を鳴らす使徒に朝日は思わず苦笑いを浮かべる。
「勘弁してくれ…でも、まあ魔王の使徒たるアンタに楽しんでもらえるなら。案外魔王も話が通じる相手だったりするんじゃないか?」
そんな皮を薄ら笑いを浮かべながら軽口で返す朝日。
その背中からは先程まで漫才をしていたとは思えない程の怒気と殺意が溢れていた。
「さぁ…それじゃあ今度こそフィナーレだ。覚悟しろ」
to be continued...
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