《異界の勇者ー黒腕の魔剣使いー》4-24 目にしたもの

華夜がお風呂にってからし後。

勇二と未希は朝日の部屋の前にいた。

なぜ二人がここにいるかというと......

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數分前。

『魔剣サクリファイス』のの話の途中で倒れた華夜を部屋に運び込んだ勇二と未希。

その二人はリビングにて無言で向かい合っていた。

この場にの姿はない。

気絶した華夜を部屋に運び込んだ際にどこかに消えていた。

暗い表で俯き合う二人。

最初に口を開いたのは未希だった。

「……朝日は、なんでこんなことをしたんだろ」

未希の口から零れたそれは、まさしく三人の思いの総意だった。

「僕達は魔王を倒すためにこの異世界に転生した。魔王を倒さなければこの世界は滅ぶ」

だけど、と勇二は続ける。

「魔王を倒せば朝日は死ぬ」

勇二のその言葉に未希は改めて悲痛そうな顔をする。

その言葉を口にした勇二もやるせない表だ。

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「「………………………」」

リビングに再び沈黙が流れる。

「朝日がなぜこんなことをしたのか、か」

勇二はし考えるように天井を見上げた。

そして、しばしの長考の後、勇二は突然立ち上がった。

「あーもう!考えるのやめ!」

「ゆ、勇二?」

「未希!こうなったら直接聞きに行くよ!」

「え?でも今って朝日寢てるんじゃ……」

「寢てたら寢てたでその時は考えればいいよ。ほら、行くよ!」

「ちょ、ちょっと待ってー!?」

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と、まあこんなわけである。

勇二は部屋の主に聲を掛けながらコンコン、と扉をノックする。

「朝日、起きてるかい?ちょっと話したいことがあるんだけど」

しかし、いくら待っても部屋の主からの返答は來ない。

「思い立ったら吉日ってことで來てみたはいいけど……寢てるのかな?」

「かもしれないね。一回リビングに戻る?」

「そうしよっか」

寢ているならば仕方ないと思い踵を返しリビングに戻ろうとした二人。

しかし、數歩歩いたところで勇二が立ち止まった。

立ち止まった勇二の視線は朝日の部屋の扉に向けられている。

なんとなくだが、朝日の部屋から『イヤな予』がしたのだ。

無言で朝日の部屋の前まで引き返す勇二。

未希も僅かに首を傾げながらそれに続く。

勇二は頭を扉に近づけて耳を澄ましてみた。

しかし、案の定というか部屋の奧からは音ひとつ聞こえない。

勇二はそれにどことなく不自然さをじた。

「……朝日、るよ?」

先程じた『嫌な予』も相まって焦燥を掻き立てられた勇二は朝日の返答を待たずに扉に手をかけた。

扉の奧には自のものと大して変わらない裝の部屋だった。

部屋の中央には機と椅子、壁際にはクローゼットが置いてあり、その橫には木枠の窓がはめられている。

朝日が橫になっているベットは木枠の窓のし橫、部屋の隅にあった。

これに関しても自の部屋とそう変わりがないためすぐに見つけることができた。

勇二はなるべく足音を立てないように配慮しながら朝日の寢ている寢に近づいていく。

そして。朝日に近づけば近づくほど強くなっていくその匂いに勇二は顔をしかめた。

それは嗅ぎなれた匂い。

この世界に來て何度も嗅いだ『の匂い』だった。

朝日の寢のすぐ側まで來るとその匂いはさらに強くなっていた。

僅かに木枠の窓から月の明かりがれ出した。

そして勇二は目にした。

からを流し、ベットの上で力なく橫たわる朝日の姿を。

to be continued...

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