《2度目の人生を、楽しく生きる》プロローグ

突然だが、今俺は家庭で危ない狀況にある。

「アンタね! いつまで學校行かないつもり⁉︎ 來月からは行くって約束したでしょう⁉︎」

と俺に怒鳴りまくっているのは俺の実の母。

「母さんの気持ちも分かってやりなさい! 父さんと母さんはお前の為を思って言ってるんだぞ!」

ともっともらしい事を言うのは俺の実の父。

「それは本當に悪いと思う。 でも、俺にだって理由はあるんだ」

と両親の前で正座をしながら言ってるのが俺だ。

今ので察した人もいるだろうが、俺は高校に行っていない、いわゆる不登校というやつだ。

これにはちゃんとした訳がある、それは俺が高校一年生の頃だ。

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俺は中學3年生までは常に學年で1位の績を取っていた。

俺の家は決して裕福な家庭ではなく、むしろ貧乏な方だった。

両親は俺が一位を取るたびに喜んでくれたし、俺も両親が喜ぶなら一位を取り続けようと思っていた。

だが俺が中學3年生の頃、いつも俺が一位を取るからという理由で俺はイジメられた。

  「なんで一位を取るんだ」

と聞かれ、俺は  

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「母さんと父さんに喜んでほしいから」

と答えた。

するとイジメてきた奴らは俺をマザコン、ファザコンと罵りながら暴力を振るってきたのだ。

その日家に帰ると、母が俺のについた泥を見て

「どうしたの?」

と聞いてきた。

それに俺は

「友達と遊んでた」

と答えた、俺には友達は1人も居なくて、これが親についた初めての噓だった。

母は俺に友達が出來た事に喜んで、俺を抱きしめた。

どうやら母は俺に友達がいない事を心配していたようだ。

それに気づいた俺は頑張って友達を作ろうと決意した、だが、次の日學校に行くと、俺の機の上にはマザコンやらファザコンなどが書いてあり、クラスにった途端に皆が笑い出した。

その日擔任に呼ばれた俺は、擔任から

「この事が君の親にバレたら、君は転校する事になるかも知れない。

すると我が校のイメージが悪くなる。 だから親には緒にしていてくれ」

と、俺の申書を良く書く事と、俺の授業料を免除する事を理由に、俺は両親にイジメられているとは言わなかった。

両親には、擔任に作ってもらった『績優秀者は授業料免除』という偽のプリントを親に渡した、両親は凄く喜んでおり、両親が喜ぶなら俺はどんな事も耐えようと思えた。

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そして月日は流れ、俺は推薦で學力の高い高校に學する事が出來た。

そしてなんと俺の父の會社が大功し、俺たちの家庭は貧乏な家から大金持ちの家へとなった、俺が通う高校は頭のいい人達が沢山いる學校で、そんな人達と勉強できる事を誇りに思っていた。

俺は「高校では絶対に友達作ってやる!」という目標を決め、新たな高校生活を始めた。

高校での最初のテストでは、高校の問題に苦戦しつつも頑張って勉強し、俺は學年1位を取った。

またイジメられるかと思ったが、この高校の人達は1位を取った俺を褒めてくれた、こんなに優しい人達が居るんだと思った。 

俺は積極的にクラスの人達と話すようになった。

1人、また1人、またまた1人とどんどん友達が増えていき、中學の頃が噓のように學校に行くのが楽しくなった。

俺はそれから毎日の様に學校終わりに友達とカラオケ・ボーリング・買いなどをしに行った、この時は間違いなく今までで1番楽しいと思える時間だった。

だがそんな事ばかりをしていたら、もちろん勉強する時間は減る、すると學力が落ちる。

俺は高校の二學期のテストで、初めて1位じゃなく5位になった。

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だが俺は楽しければ學力なんか関係ない、友達と遊べればそれでいいと、そう思っていた。

だがその日家に帰ると、母に初めてビンタされた。

母は怒りで顔を赤くしながら

「な、なんで5位なんて取ったの⁉︎ 今までずっと1位だったでしょ‼︎‼︎」

と言われた。 俺はビンタされた頬をさすりながら

「1位になれなかったのはごめんなさい。 でもね母さん、俺に友達が出來たんだよ、やっと…ずっとしかった友達が、出來たんだよ」

俺に友達が出來た、そういえば、前みたいに喜んでくれると思った。

順位なんか気にしなくてもいい、ただその一言がしかった、だが…

「……友達…? その友達といつも遊んでたから、順位が落ちたの……?」

「う、うん。 そうだよ、俺さ、今が凄く楽しいんだ、アイツらとカラオケしたりボーリングしたりするのが楽しい。 もちろん勉強もするよ? でも、前みたいに1位にはなれないと思う…だけど! 10位以にはるから…!」

俺がそう言うと、また母にビンタされた。

「か、母さん…?」

「あ、あぁ…アンタに! アンタに友達なんて必要ないの‼︎‼︎ 今まで通り當たり前に1位を取って! 母さんを優越に浸らせてくれればそれでいいの! それだけでいいのに……‼︎」

「な…なんで…なんでそんな事…」

「いい⁉︎ アンタはこれから友達と遊ばない事‼︎ 真っ直ぐ家に帰ってきなさい! 

そしてずっと勉強だけしてなさい‼︎ 次また1位取れなかったら……家から追い出すからね‼︎」

衝撃だった、あの優しかった母が、俺に友達が出來たという噓を信じて喜んでくれた母が、俺をビンタしたのだ。

家から追い出す。 その言葉がその頃の俺には恐怖でしかなくて…

「分かった! 分かったから! 1位取るから…! 追い出さないで…ください」

そう言って俺は頭を下げた、母はそんな俺を見て

「分かればいいのよ、別に母さんはね?

 學校の中なら友達と遊んでもいいと思ってるわよ? 

ただ、外で遊ぶのはダメって言ってるだけなの。 今は辛くても、きっと將來自分の為になるから、ね?」

と、優しい聲で俺の頭をでてきた。

俺はその日から、學校で友達と関わるのをやめ、勉強漬けの生活を始めた。

俺はそんな生活を……ずっと、中學3年生まで続けてきた勉強ばかりの生活を、「つまらない」と思うようになった。

そして三學期、學年で1位を取り、家に帰ると母に

「學校から連絡あったわよ! 1位とったんだってね? おめでとう‼︎」

そう言われ、母が抱きついてきた。

以前の俺ならそれだけで満足していたが、今の俺は母のその行に何もじない。

俺は一言「次も頑張るから」と言い、自室に戻った。

ベッドに潛り、俺は

「つまらないなぁ…」

と呟いた、最近は學校で誰とも話さなくなり、俗に言うボッチというやつになっていた。學校ではボッチ、家では勉強だけをする。 

そんな生活に慣れているはずなのに、一度友達と遊ぶ楽しさを知ってしまった俺は、その楽しさが忘れられなくなってしまったのだ。

そして日は流れ、春休みにった頃、俺は両親が旅行に行くという事で、3日間自由に過ごせる事になった。

俺は久々に友達と遊ぼうと思い、昔よく遊んだ3人にメールして、集まった。

それからはあの時のようにカラオケなどをした、やはり楽しかった。

そして友達の家に皆で集まり、ゲームを沢山した、初めてゲームをした俺はその面白さについ夢中になってしまった。

そこで友達の1人がカバンからあるを取り出し、俺以外の2人に渡した。

俺は「それ何?」と聞くと、友達は俺にそれを見せてきた。

それは明な袋にっている白いだった。

「何それ? お菓子かなにか?」

と俺が聞くと、3人は大笑して

「ちがうよ、これは”覚醒剤”だよ。 聞いたことぐらいあるだろ?」

「……は?」

衝撃だった、もちろん知っている。

最近ニュースでよくやっているから俺でも分かる、絶対にやってはいけはい犯罪の1つだ。

俺は3人から覚醒剤を取り上げ

「何考えてんだよ! これは犯罪だぞ⁉︎」

と3人に怒鳴った。 すると3人は突然俺の顔を毆ってきた。

3人は

「返せよ!」

「お前には分かんないだろうな! 金持ちのお前にはな!」

「勝ち組のお前はいいよな‼︎」

などと言いながら俺を毆ったり蹴ったりした。

そして3人で俺を擔ぎ上げ、玄関を開け。

「ほら出てけよ」

と俺を追い出した。

「ちょ…! 待ってくれよ! 俺たちは友達だろ⁉︎」

「俺たちはお前を友達と思った事なんて一度もねぇよ! いつも奢ってくれてありがとな!」

と言って扉を閉めた。

最後に言われた言葉が衝撃すぎて、俺はその日家に帰らず、 公園で泣き続けた。

そして俺は、高校2年生の時から學校に行くのを止めた。

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これが俺が不登校になった理由だ。

今はまだ父と母の前で俺が正座をしているままだ。

「理由? なんだ、言ってみろ。 父さんが納得する理由を言ってみなさい!」

「理由は…言えない。きっと2人とも心配するから」

「理由が言えない⁉︎ ふざけるなよお前! 俺と母さんがどれだけお前に期待しているか分かっているのか⁉︎」

そこまで言われて、流石に俺も頭にくる

「期待期待って! 父さんと母さんはただ俺に1位を取ってもらって、それを自慢したいだけだろ⁉︎」

生まれて初めて親に反抗をした。

そんな俺に最初は目を丸くしていた2人だったが、すぐに顔を赤くし

「な、なんてこと言うのよアンタ!」

「親に向かってなんだその口の利き方は‼︎ 今すぐ出て行け! そして頭を冷やしてきなさい‼︎‼︎」

「あぁ分かったよ! 出てってやるよこんな家!」

と言い殘して俺は家を出た。

俺は家からし歩いた所にある公園であったかいココアを買い、ベンチに腰を下ろし

「はぁ…家は出たけど…これからどうするかなぁ…」

勢いだけで出てきたが、正直行くあてがないのだ。

だからと言って家に帰るという選択は絶対しないが。

「とりあえず歩くか」

今の季節は冬で、雪が降っていて今は夜なのでめっちゃ寒い

「は…ハックション‼︎ うぅ…寒いな…コートは著てきたけど、手袋も持って來ればよかった…なんで防犯ブザーなんて持ってきたんだろ…」

イライラしていてよく見ずに取ったせいで手袋と間違えて持ってきてしまった防犯ブザーを見て後悔していると、路地裏の方から突然聲が聞こえた、それは男複數との聲で…

「いやっ……はな……だれか……!」

「おとなし……! しゃ……るな!」

よく聞こえないが、助けを求めているのはわかった、俺は無意識に聲の聞こえた場所へと走って行った。

そこには男3人が子高生1人を囲んでいる狀況だった。

俺は近くにあった石ころを投げ、男の背中にぶつける

「おっ…おまえら! な、なにやってんだ!」

張で聲が裏返ってしまう。 

そして男達が俺の方を見る……すると

「あれ…? お前ら!」

「あぁ? あ! お前!」

そこにいたのはかつて一緒に遊んだ友達の3人組だった、よく見ると襲われていた子高生は俺と同じ高校の制服だった。

「お前ら! その娘になにする気だったんだ!」

「うるせぇ! お前には関係ないだろうが!」

「関係あるだろ! 同じ高校なんだから!」

その俺の言葉に男はかすかに反応する。 そしていきなり笑い出し

「ははははは! そうか…お前は知らないのか! 実は俺らさぁ、覚醒剤がバレて退學になっちまったんだよ」

「……は?」

「幸い學校のイメージが悪くなるってんで、警察沙汰にはなんなかったけどなぁ」

「だからって…なんでその娘を襲ってるんだ!」

「決まってんだろ! 腹いせだよ! 俺らと違う勝ち組のお前らをボコボコにしてやるんだよ!」

というと男2人が子の両腕を摑む、子は怯えながら

「い、いや…! 離して!」

「おいやめろよ!」

「お前も混ざりたきゃ混ざっていいんだぜ? 彼いた事ねぇだろ?」

そう言って男は子に近づいて行く、俺は落ちていた看板を持って

「その娘から離れろぉぉおおお!」

男達へブン回した、だが看板は一度も男達に當たらず

「危ねぇ……な!」

男の回し蹴りを食らってしまう、そのまま壁に激突して

「うッ…!」

地面に倒れ込んでしまう。

「ったく余計な事を…」

「や…めろ」

まだ子の方へ向かおうとする男に向かって俺は

「…おおおっ!」

力を込めて男の顔にパンチをする。

転んだ男は顔を赤くして

「テメェ…ぶっ殺すぞ!」

と毆りかかってきた、子を摑んでいた1人も加わり、2対1になる。 ケンカなどした事なかった俺はあっという間にボコボコにされる。

「…くそっ! まだ立つのかよ!」

「はぁ…はぁ…その娘を…離せ!」

なぜ自分がここまでするのか分からない。

助けたところで自分に利益がない事くらい分かっている。

このままなら自分が死ぬ事も分かっている。

だが、ここで彼を見捨てれば後悔してしまう。

ずっと親のいいなりになって生きてきた、だから最後くらいは、自分で何をするかを決めたいのだ。

俺は男をもう一度毆ろう拳を構えた……瞬間、背中からザクリ…という音と、鋭い痛みが襲ってきた。

俺はそのまま地面に倒れこむ、左手で背中をってみると、自分の手のひらには赤いものが付いていた、どうやら自分は刺されたらしい。

痛いのに聲が出ない。 泣きたいのに涙が出ない。

だが聲だけははっきり聞こえた。

「お、おいまさか! 殺したのか⁉︎」

「しゃーねぇだろ! バレなきゃ大丈夫だ! 」

このまま俺は死ぬか、俺が死んだらあの娘はどうなるのかな

助けたいな

と思っていると、自分の右手に何かがある事に気づいた、自分の右手がれている場所はコートのポケット……それだけで、もうどうすればいいか分かった。

俺はコートからあるを……防犯ブザーを取り出し、もう痺れてきてる手でストッパーを外し、そのストッパーを取られないように飲み込んだ。

すると防犯ブザーからピーーーーー‼︎‼︎‼︎と大きな音が鳴った。

男達は振り返り。

「な、なんだこの音は⁉︎」

「…! 防犯ブザーだ! こいつ防犯ブザー鳴らしやがった!」

「ストッパーを探せ! 」

男達は俺の手や顔の橫を調べる、俺は顔の橫を調べていた男にかすれ聲で

「むだ…だよ…ストッ……パーは…俺のく……俺が…呑み込んだ…」

「あぁ⁉︎ おい! こいつストッパー呑み込んだらしいぞ!」

「なに…⁉︎ あぁくそッ! なら逃げるぞ! は置いてけ! 早く行くぞ!」

その場からドタドタと去っていく音が聞こえる、もう目も開けられないし、かない。

自分がもう死ぬというのが分かる。

「あ…だ、大丈夫ですか⁉︎」

そこに多分先ほどの子だろう、その子が聲をかけてくる。

「い、いや…死なないで…あ、あなたは…私と同じ高校の人ですよね⁉︎ 

わ、私……!」

なかなか言う事が決まらないのだろう、そんな子に俺は最後の力を振り絞り。

「よかった…しな…なくて…」

「い…いや! 待って…! 今救急車を…!」

そんな事を言われても、もう喋る事は出來ない。

俺はどんどん意識が遠のいていく、もう死ぬのだろう。

ーーあぁ…次は…自由に…楽しく暮らせる人生がいいなぁ…

そこで俺の意識は途絶えた。

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