《2度目の人生を、楽しく生きる》2話 「異世界転生」
…………いや、誰…?
ルージュって誰? なんで俺の方を見て言うの? 
俺の名前は……! 
あ、あれ…? 俺の名前ってなんだっけ…? 名前が思い出せない⁉︎
俺は自分の名前が思い出せずに頭を抱えていると…
「る、ルージュ⁉︎ どうしたの⁉︎ どこか痛いの⁉︎」
「いきなり頭を抱えてどうしたんだルージュ! 」
……もう…わけがわからない。
俺はルージュって名前じゃない、なのに本當の名前を思い出すことが出來ない。
俺はもう一度目の前の2人をよーく見てみた、すると…
「……えっ⁉︎ そ、それ何⁉︎」
俺が指を指したもの…それは、男が腰にさしている長いものだった、その長いはまるで……剣だった。
「ん…? これか? あぁそうか、ルージュには見せたことがなかったな、これはな? 父さんの父さんから貰った…」
といって男は笑顔で腰から剣を抜き、俺に見せる。
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「この剣の名前は赤龍刀せきりゅうとうって言ってな? この剣には……なんて言えばいいんだ? その…簡単に言うと! 凄い魔力が込められているんだ!」
ま…魔力? なんだ? この人は噂に聞く廚二病という奴なのか?
剣を持ってたり魔力がどうだとか、こっちは笑いを堪えるので必死だ。
「もうっ! あまりルージュの前で剣を見せびらかさないで! 興味持ってって怪我したらどうするのよ!」
「えぇ⁉︎ あぁすまん母さん…だがな? 男は皆、剣に憧れるものなんだぞ?」
「憧れるのはいいけど、まだ5歳のルージュには本の剣は危ないでしょ? らせるなら木刀にしてね?」
「むむぅ…仕方がない…」
といって男は剣を鞘に収める。
なんなんだ、まるでその剣が本みたいな話をして…
そんなの持ってたら、銃刀法違反で捕まるぞ?
「さて! そろそろ朝食にしましょ? あとはもう溫めるだけだから」
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「おぉ! もう腹ペコだよ母さん! ルージュもそうだろ?」
確かに腹は減っているので頷いておいた。
は左手でフライパンを持ち、右手をフライパンに向け
「火ファイア!」
とんだ。
するとの右手から火が出てきた、その火はフライパンを下から溫めていった。
………待て待て待て待て待て待て待て待て‼︎‼︎
「ちょちょちょ! 何それ⁉︎ なんで手から火が出るの⁉︎」
 
俺がそう聞くとは笑顔で振り返り
「何言ってるの? これは初級魔法のファイアよ? いつも見せてるでしょ? 手から炎を出す魔法よ」
と言いながらは先ほどのように手から炎を出して俺に見せる。
今このは魔法と言ったのか? 
俺は最初は何か手品の一種だろうと思い、良くの手を見てみた、だが、そこには火を燃やす油も、著火剤も見つからなかった。
當たり前のように腰に剣を刺す男と、當たり前のように手から炎を出し、それを魔法と言う。
なんだこの景は…まるで違う世界に來てしまったような………ん?
違う……世界…?
俺はこの2人に聞きたいことが出來た。
これを2人が知っていれば俺の考えは間違いで終わる。
だが逆に知らなければ…俺は今後の事を々考えなければいけない。
俺は2人の方を見て、深呼吸をして。
「ねぇ……日本って、知ってる?」
その場に沈黙が流れた、男とは顔を見合わせ、また息ぴったりに
「「ルージュ、ニホンって何?」」
と言ってきた。
2人の顔を見たじ、噓で言ってるわけではないだろう。
全てが繋がった。
俺のがんでいる理由も
俺の顔が違う理由も
この2人が俺の事を我が子のように扱う理由も
男が腰に剣を刺している理由も
が魔法を使う理由も
「じ、じゃあさ、ここは…なんていう國なの!」
ここは……
「何を言ってるのルージュ? まさか自分の住んでる國の名前を忘れたの?」
この世界は……
「ここは、”ドラグラード王國”だよ、ルージュ。 父さん達が住んでる國の名前だ」
この世界は……異世界だ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ドラグラード…王國…」
聞きなれない名前を口に出しながら、俺は考える。
どうやら俺は異世界転生というものをしたらしい。
ネットで親に緒で買ったラノベなどで読んだ事があるが、まさか自分が異世界に転生するとは思わなかった。
しかもそのラノベでは年齢はそのままで、顔も名前も同じまま異世界へと行っていたはずだ。
だが俺はなんだ、は5歳のになり、日本で生活していた記憶はあるのに自分の名前は思い出せない。
ラノベと全然違うではないか。
……という事は、先ほどから俺を見ているこの2人は、正真正銘俺の実の両親と言うことになる。
そんな事を考えていると、が…いや、母が料理を運んできた。
「大丈夫? ルージュ、合が悪いなら無理して食べなくてもいいからね?」
どうやら母は俺がずっと無言だったので調が悪いと思ったらしい。
俺は心配かけまいと笑顔で
「あ、あぁ! ごめん母さん! 俺ちょっと寢ぼけてたみたいだ」
俺がそう言うと母は
「そう? 元気なら別にいいけど…」
「子供は元気なのが1番だからな! さ、母さん、ルージュ! ご飯を食べよう!」
「ふふ…そうね」
「「「いただきます!」」」
とそう言って、俺たちは朝食を食べ始めた。
やはり日本では見たことのない食材がいっぱいだったが、どれもめっちゃ味かった。
朝食に”サラマンダー”のが出て、俺は食べるんじゃなくて、サラマンダーを見てみたいと思った。 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ごちそうさまっと…」
皆が朝食を食べ終わり、母が食を洗いに行き、リビングには俺と父だけになった。
「なぁルージュ」
「…あっ、何?」
まだ呼ばれ慣れない名前を言われ、反応が遅れてしまう。
父は真剣な顔で
「ルージュは…剣に興味があるか?」
「剣…?」
父は腰にさしてる剣を指差しながら言ってきた。
「もしもルージュが剣に興味があるんなら、 父さんと母さんは、ルージュを”剣魔學園”に學させてもいいのではないかと思ってる」
「”剣魔學園”? 」
「あぁ、そこは王都にあって、名前の通り剣やら魔やらを學ぶ學校だ、その學校は    ”初等部” ”中等部”  ”高等部”に分かれていて、初等部は10歳になると學試験をけられる」
「10歳……」
「今ルージュは5歳だろう? もしルージュにその気があるなら、これから5年間、父さんが剣を、母さんが魔をお前に教える。 まぁ、すぐに決めろとは言わない。ゆっくりでいいから、良く考えてみてくれ」
と言って父さんは2階へ上がって行った。
正直、俺は學校にはいい思い出がない。
むしろ悪い思い出ばかりだ、だから俺はどうするべきか真剣に悩んでいた。
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あの後俺は自室に戻り、ベッドに座って學校に行くか行かないかを考えていた。
「んー…どうするか……」
學校に行った場合のメリットは、この世界のことが分かるし、運が良ければ友達が出來るかもしれない。
逆にデメリットは、日本と同じようにイジメられるかもしれない。
學校に行かなかった場合のメリットは、このままのんびりと暮らすことが出來る。
逆にデメリットは、この世界の事を知ることが出來ない。
「んー……」
俺は部屋の周りを見てみた、すると、本棚が目にった。
「……息抜きに読書でもするか」
俺は本棚に向かい、適當に一冊の本を手に取った。
「あ…そうだここは日本じゃないから文字が違うのか…」
本を見て日本語じゃないのが一発で分かり、溜息をつく。
そして、本棚に本を戻そうとしたら…
「あれ…? なんか分かるぞ?」
文字は読めないのに頭では本になんて書いてあるかが分かるのだ。
俺は本を取り、聲に出して読む。
「えっと…?  ”昔々、すごく強い剣士とすごく強い魔がいました。 その2人はすごく仲が良く、いつも一緒に魔を倒していました。”  おぉ…読める! 読めるぞ!」
どうやらこの本は昔話らしい、俺はその本に夢中になり、ずっと読み続けた。
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「はぁー…以外と面白かったな。 題名は……「剣聖と白魔」か」
俺は読んでいた本を本棚に戻し、リビングに向かった。
リビングには母さんがいた。
「あ、ルージュ。 読書は楽しかった? ここまで聲が聞こえてたわよ?」
母は笑いながら言ってきた。
「あれ…聞こえてた? ごめんなさい、つい夢中になっちゃって」
「ふふ…「剣聖と白魔」かぁ…母さんもあのお話好きよ? 」
「ねぇ母さん…剣聖って何?」
「剣聖って言うのはね? 昔に実在したすごく強かった剣士の事なんだって、數々の偉業を達したその剣士は、自然と皆から”剣聖”と呼ばれて崇められるようになっていったのよ」
「へぇ…」
「剣が好きな人達は皆”剣聖”と呼ばれる事を目指して、魔法が好きな人達は”白魔”と呼ばれる事を目指すのよ。 お父さんもね、”剣聖”を目指していたのよ?」
「父さんが…」
「あ、そうだわ。 ルージュ、そんなに剣聖が気になるなら、剣聖の銅像を見に行く?」
「え? 剣聖の…銅像?」
「えぇ、ちょうど今から母さん買いに行こうと思っていたのよ。 ドラグラード王國にはあちこちに剣聖の銅像があってね? この村にも銅像があるの、だからルージュもついてくる? 」
剣聖の銅像…確かに気になるし、見てみたいと思う。
息抜きにこの世界を見てみてもいいかもしれない。
「うん、じゃあ俺もついて行くよ!」
「そう、じゃあ著替えてきなさい?」
俺は初めて見る世界がどうなっているのかにワクワクしながら、自室に戻った。
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