初めてディノスと戦い、敗れ、それから時間が経ち、俺は9歳になった。

あと3日後は俺の誕生日で、3日後、俺は10歳になる。

ちなみにセレナはもう10歳だ、そして剣魔學園の學試験は、あと7日後、俺とセレナの修行は最終段階になってきた。

まずは魔法の修行から。

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「さて、ふたりともだいぶ初級魔法を使えるようになってきたわね」

フローラが俺たちを見ながら言う、セレナはあれからほぼ毎日俺の家に來て、修行をしている。

「だからそろそろ中級魔法を教えてもいいかなと思っているわ」

「え、でも剣魔學園の學試験は7日後で、あと5日後にはこの村を出ないといけないんだよ？」

「5日で中級魔法を覚えられるんですか？」

「流石に全屬を覚えるのは無理よ、だから、あなた達が1番得意な屬の中級魔法を教えるわ」

なるほど、今までは複數の屬をバランスよくやってきた。

だが１つに絞るのか。

得意な屬か……やっぱりこれだな

「じゃあ、俺は火屬にするよ」

「私は屬をお願いします」

「分かったわ、じゃあ広い場所に移しましょう」

「移？ なんで？ 今までこの庭でやってきたんだし、この庭じゃダメなの？」

「えぇ、中級魔法になると、それだけ範囲も広くなるし、威力も高くなるの、だから広い場所じゃなきゃダメなのよ」

なるほどな、流石に家が壊れたら灑落にならん。

「分かった、でも広い場所って、どこでやるの？」

「村の外の草原よ」

「村の外‼︎」

初めて村の外に出れるので、俺が激していると、ディノスがやってきた。

なんだ？ まだ剣の修行の時間じゃないはずだが…

「俺も草原に行くからな」

「え、父さんも？」

「あぁ、午後になったらそのまま草原で剣の修行をする。

流石にもう家の庭で戦うのは危険だからな」

まぁ、俺とセレナは遠慮なく魔法ぶっ放してるからな。

最近では魔法の威力も速度も上がってきたし。

「じゃあ準備が出來たら出発するわよ！」

その合図で俺たちはいろいろ準備をして、村の外の草原へ向かった。

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草原へはそんなに時間はかからずに著いた。

10分くらいだろうか？

さっそく俺達は中級の魔法を教わることにする。

「じゃあ俺は午後になるまで適當に散歩してるからな、先にお前らの中級魔法見ちゃうと午後の楽しみがなくなっちまうし」

と言ってディノスはどこかに歩いて行った。

「さてと…じゃあこれから中級魔法を教えるわよ」

「「お願いします！」」

「まず中級魔法というのは、當たり前だけど初級魔法よりも威力も範囲も全然違うの」

「ほうほう」

「そして、使う魔力もかなり増えるわ。

 魔力がなくなると、力や筋力が急激に落ちて、うまくけなくなるの。 

だから本來は魔法の使用回數はなくしなきゃいけないのよ。

まぁあなた達なら心配はいらないだろうけどね…」

前にフローラに言われたが、どうやら俺とセレナの魔力の量はとても多いらしい。

ハーフエルフであるセレナは魔力が多いのは納得だが、まさか俺も多いとは……

だからといって魔法を撃ちまくっていいわけではない、俺とセレナも魔力が多いとはいえ、無限ではないのだ。

その事はフローラにしつこく注意された。

俺のように魔法を纏わせたり、魔法を移手段にする戦い方は、普通ならすごく危険な事らしい。

「じゃあまずはセレナちゃんから教えるわね、ルージュ、的を作ってくれる？」

「はいよっ…と」

俺は土魔法を使い、土を丸太ほどの太さにして固める、これを魔法の的にするのだ。

「はい、ありがとう。 じゃあルージュは最初は見學してるか自主練しててね」

「分かった」

「じゃあセレナちゃん、セレナちゃんに教える魔法は矢フォトン・アローの上位版、閃矢ライトニング・アローよ」

「閃矢？」

「えぇ、消費魔力は高いけど、矢に比べて出せる矢の數が多いし、威力も速さも全然違うの。 

閃矢は普通は矢を10本出すわ、でもセレナちゃんなら…」

10本、セレナは矢の時點で既に10本矢を出している。

それが最初から10本だす閃矢なら…セレナはどうなるのだろう。

20本くらい出すのだろうか、避けられる気がしないな……

「さて…俺も自主練するかね」

俺は先ほど作った的と同じものを作る。

そして持ってきた木刀を持ち、その木刀に火を纏わせる。

最近では戦いの最中は常に木刀に何かの魔法を纏わせて戦うのがデフォルトになっている。

「もうすぐ完しそうなんだけどなぁ…」

俺は今ある技を考えている。

それは、剣に纏った魔法をそのまま斬撃として飛ばせないか、というものだ。

これが出來れば戦いの幅が広がる、なんたって遠くにいても相手を切れるのだから。

そんな技はないかとディノスに聞いてみた事があるが、ディノスは「そんな事をしたらあっという間に魔力が無くなるし、そもそも使えるやつはいないと思うぞ」 と言われた。

という事は、俺がもし斬撃を飛ばす事に功したらこれは俺のオリジナル技という事になる。

オリジナル技…！ 燃える展開だ‼︎

「ふうううぅぅぅ………」

俺は深呼吸をして、落ち著かせる。

そしてひたすらイメージをする、剣を振った瞬間に剣から纏った魔法を飛ばすイメージだ。

頭の中ではイメージ出來るのに、なかなか実現できないのだ。

「よし……おりゃっ！」

俺は思い切り剣を振った。

だが斬撃は飛ばなかった。

前から何回も何回も練習していたが、結果はいつも変わらないのだ。

「んー……どうすればいいんだ…？ 矢とかみたいにビュンッ！ って飛ばしたいのに…」

そんな事を考えていると、セレナとフローラの聲が聞こえてきた。

「んー…フローラさん、なかなか閃矢が出ません…」

「多分初級魔法を使うときみたいなじでやってるからね、もうちょっと魔力を”溜めて”から撃ってみなさい？」

「はい！」

魔力を…溜める？

「そうか！ 分かったぞ！」

ただ振るだけだったからダメだったんだ、いつもよりも長く溜めて、一気に振れば……

そうすると、ブォンッ！ っという音と共に剣から炎の斬撃が的に向かって飛んで行った。

その斬撃が的に當たると、的には亀裂がった。

「………や、やった…！ 完だ！」

それから俺はいろいろな魔法を纏わせて試した、風を纏わせたり、雷を纏わせたりとやったが、全て功した。

「オリジナル技の完だー‼︎」

俺は技が完した事に安心し、地面に腰を下ろした。

そしてそのままセレナの方を見た、すると…

「な……なんだあれ…⁉︎」

セレナの頭上には大量のの矢があった、あんなの10本20本ってレベルじゃない。

下手したら50本を超えているかもしれない。

「閃矢ライトニングアロー‼︎‼︎」

大量のの矢が的に向かって飛んでいく、の矢1本1本が正確に的に當たり、全てが刺さると的が壊れた。

あんな大量のの矢を、1本も外さずに的に當てたのだ。

「フローラさん、今のは功ですか？」

俺とフローラは驚愕して何も喋れなかった。

だがフローラはハッ！ としたじで

「え、えぇ！功よセレナちゃん！ 凄いわねあの數……いったい何本出したの？」

「私にもよく分かりません…ただいつもよりちょっと魔力を貯めただけで…」

ちょっと溜めただけであんな威力になるのか…

「凄いわね、でもこれでセレナちゃんは魔法の中級を習得できたわね！」

「はい！」

「じゃあ次はルージュね、ルージュ！ こっちきてー」

俺は呼ばれたので立ち上がり、フローラの元へ行く。

「ようセレナ、さっきのすごかったな！ あれが中級魔法か」

「えへへー、ルージュも頑張ってね！」

「おう！」

セレナは俺が先ほど使っていた的の所へ行き、さっそく閃矢の特訓を始めた。

さて……次は俺の番だ、覚えてやるぜ中級魔法‼︎‼︎