《2度目の人生を、楽しく生きる》44話 「剣聖の正

「では今日の予定を伝える。 これから初等部1年全員はグラウンドに移し、そこで學園長の話を聞いてもらう」

モーナが何事も無かったかのように普通に話す。

対して俺は心凄く焦っていた。

モーナと戦闘……負けたら罰…

モーナから拒否権はないと言われた以上、戦闘をするしかない。

はぁ…嫌だなぁ…

「學園長の話を聞いた後、早速授業を始める。 以上だ。 では皆グラウンドに行くように」

そう言ってモーナは教室を出て行った。

モーナが教室を出た瞬間、俺は勢いよく機に突っ伏した。

「ルージュ…」

俺を見てセレナが俺の名を呼ぶ。

「……黒歴史確定だ…」

セレナの呼びかけに応えず、俺は呟く。

「私のせいで…ごめんなさい!」

セレナが俺に謝って來る。

俺は慌てて顔を上げ

「いや! セレナは悪くないだろ、これは完全に俺が悪かった」

「でも…このままじゃルージュ、罰をけちゃうよ…」

セレナが申し訳なさそうに俯く。

俺が罰をけたらセレナは悲しむのだろうか。

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まだどんな罰かも分からないが…

「まだ罰をけると決まった訳じゃないでしょう」

それまで黙っていたフィリアが口を開く。

そう、フィリアの言う通りまだ罰をけると決まった訳ではない。

「明日、この男がモーナ先生に勝てばいいだけよ」

「でも…相手は先生だよ…?」

これ以上心配させるわけにはいかない。

「大丈夫だ。 戦うからには勝つよ、本來は悪い事したら罰をけなきゃいけないけどな」

だがけなくていいなら無理にける必要はない。

俺の力がどこまで教師に通用するか見て見たいしな。

グレンやカインには手加減されてるがあったしな。

「なぁなぁ! やっぱりお前強かったんだな!」

突然俺たちのってきたのは銀髪のツンツンヘヤーのザックだ。

なんだ急に…しかもめっちゃニコニコしてるし…

他のクラスメイトはどうやら先にグラウンドへ行ったらしい。 

もう教室には俺達しか殘っていなかった。

「俺は強くないよ」

「いや、強いね! 俺には分かる!」

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「なんで分かるんだ?」

俺がそう聞くと、ザックは當たり前のように即答した。

「匂いだよ」

「……は?」

「強い奴は匂いがするんだ。 だから強い奴はすぐに分かる。 まぁお前以外の4人も強いけどな!」

そう言ってザックはセレナ達を見る。

全員を見た後、ザックは俺に拳を向け

「でもお前はこの中でも1番強い匂いがする。 だからまずはお前を倒して、このクラスで1番になる」

ザックが真っ直ぐ俺を見る。

セレナ達は何も言わずに俺とザックを見ている。

ここまで積極的に対戦挑まれたら斷れないだろ…

「……まぁ、手合わせならいつでもけるよ。 失させると思うけどな」

「本當か⁉︎ なら今度やろうな! 約束だからな!」

ザックはそう言うと、走って教室を出て行った。

「…約束しちゃったよ…どうしよう…」

「嫌なら斷れば良かったじゃない」

フィリアが正論を言う。

「だってさ…斷りづらいだろ? あんなにグイグイ來られてさ」

「知らないわよ。 約束しちゃった以上、戦うしかないじゃない」

「だよなぁ…」

いつになるかは分からないが、ザックと戦う事は確定した。

だからそれまでにもっともっと強くならなくては。

「よし、決まった以上、全力で戦うか」

「ルージュ、頑張ってね!」

「おう。 まぁいつ戦うかは分からんがな」

セレナの応援をけ、ますますやる気になる。

「んじゃ、俺達もグラウンドに行くか」

俺のせいでグラウンドに行くのが遅れてしまった。

まだ余裕で間に合うだろうが、早く著くのにこした事はないだろう。

皆頷いて肯定してきたので、俺達は教室を出る。

「學園長のお話ってなんなんだろうね?」

り口に向かう途中、俺の隣にいるセレナが効いてくる。

「さぁ? でもきっと剣魔學園の歴史とか聞かされるだろうな」

「? なんで分かるの?」

そりゃ経験してますから。

と言っても信じないのは分かってるから、んー…なんて言おうか。

「な、なんとなくそんな気がするんだ」

「へー」

「でもルージュさんの予想は當たってますよ。 父様から聞かされました、學したらまずは剣魔學園の歴史を聞かされるだろうから、ちゃんと覚えるように。 と」

「そうなんだ、なら頑張って覚えないとね‼︎」

アリスからのフォローに助けられた。

アリスの父親か、どんな人なんだろうか、やっぱり子供と同じくちゃんとした人なんだろうか。

そんな話をしていると、り口に著き、校舎を出る。

そこからし歩くと、グラウンドに著いた。

「おぉ…やっぱり300人って多いよな」

「確かに、同じ所に集まると圧巻だな」

グラウンドには1年生が全員集まるので、300人がこのグラウンドに集まる。

人數も凄いが、こんな大人數がいても決して狹いと思わないこの學園の大きさも凄い。

「あ、君達1年生かい?」

突然橫から聲をかけられる。

大人っぽい聲だったからきっと教師だろう。

俺は聲のした方を向き

「はい、このグラウンドに集合するように……あれ?」

「あっ、君は…」

その男は俺の知っている人だった。

ローブを著て、メガネを掛けた…

「ザイル先生!」

「ルージュ君じゃないか!」

そう、學試験で戦ったザイルだった。

この人の回避能力の高さには苦戦した。

「無事合格したんだね、おめでとう」

「ありがとうございます!」

「いやー、これからは魔で負けた相手に魔を教えるのか」

「ははは……」

「あ、そうだ。 君達は何組だい?」

「2組です」

「2組か、なら集合場所はあそこだよ」

ザイルが指を指した場所には見知った顔が何人かいた、クラスメイト達だ。

なるほど、ザイルは案役か。

「ありがとうございます! これからよろしくお願いしますね」

「あぁ」

ザイルにお禮を言うと、ザイルは笑顔になった。

2組の集合場所に著き、2列に並ぶ。

多分順番とかはないだろう。

「さっきの人は知り合いですか?」

俺の後ろにいるアリスが聞いてくる。

學試験の時に戦ったんだよ」

「なるほど、見たじ魔師っぽいですね」

「魔師だぞ。 めちゃくちゃ強かった」

ザイルの話をしていると、グラウンドの前の方にある高臺…きっとその高臺に登れば俺達300人を見渡す事が出來るくらいの高さの高臺にカーラが登った。

「お、どうやら始まるみたいだぞ」

俺がそう言うと、セレナ達は靜かになった。

カーラは咳払いをすると

『えー、皆さん。 まずは學おめでとうございます』

グレンの時も不思議だったが、なんで聲が聞こえるんだろうか。

カーラはマイクを使っていない、そもそもこの世界にマイクがあるかも分からない。

なのにカーラの聲は離れた所まで聞こえる、決して大聲ではないはずなのにだ。

やっぱり魔だろうか。

『ここにいる300名は、學試験を合格した優秀な方々です。 今後の活躍に期待していますよ』

カーラは生徒全員を見回しながら言う。

『さて、ところで皆さんは、何か夢がありますか? やはり”剣聖”か”白魔師”を目指す方は多いと思います。

そこで皆さんには1つ、”剣聖”に関する昔話をしたいと思います』

剣聖に関する昔話…?

いや、それよりも…

「なぁアリス。 ”白魔師”ってなんだ? 白魔じゃないのか?」

カーラが言ったのは白魔ではなく白魔師だ。

だが俺の部屋で読んだ本には『剣聖と白魔』と書いてあった。

「魔にはしかなれませんよね? でも魔師の男は大勢います。

でも白魔しかなれないと言うのは男の魔師には可哀想だ。 と言う話から、剣聖と白魔師と変更されたのです。」

アリスが淡々と答えてくれる。

確かに男の魔師には可哀想だよな。

「なるほど…ありがとうな、アリス」

「はい」

アリスにお禮を言い、カーラを見る。

『皆さんが知る初代剣聖。 ケンザキ・リュウヤは、その存在自が謎の人でした』

………ん?

ケンザキ・リュウヤ…?

なんだその名前……なんか………

「そいつ絶対日本人だろ…」

この世界には絶対にいないだろうその名前。

初代剣聖って日本人だったのか。

しかも名前が日本人っぽいとなると、転生した俺とは違って、召喚されたって事か?

『ケンザキ・リュウヤは々な偉業を達しました。

エンシェント・ドラゴンを1人で封印。

7匹のドラゴンを従わせ。

滅ぶ寸前だった國を発展させ。

何度も何度も國を敵國から守り。

その強さに次第に皆彼をこう呼びました。

 ”剣聖”と』

なんだそれは…リュウヤさん強すぎるだろ。

無雙しちゃってんじゃん。

『その剣聖が発展させた國がここ、ドラグラード王國なのですよ。

そしてこの剣魔學園の創設者こそが、

”初代剣聖”ケンザキ・リュウヤなのです』

マジか、リュウヤさんこの國にいたんだ。

あ、そういやドーラ村に銅像あったもんな。

それに剣魔學園を作ったのがリュウヤさんか。

道理で懐かしいが多いと思った。

日本人が作った學校なんだからそりゃ懐かしいわな。

『その初代剣聖が病により亡くなった後も、二代目剣聖、三代目剣聖と剣聖は現れました。

ですが、どの剣聖も初代剣聖には遠く及ばなかった。

ですが今剣聖と呼ばれている六代目剣聖、アルダ・ガーレットは、1番初代剣聖に近い強さを持っていると言われています。 

私は、この剣魔學園の生徒から、初代剣聖を超える剣聖が出る事を、心から祈っております』

今は六代目まで剣聖がいるのか。

アルダ・ガーレット。 名前からしてこの世界の人だろう。

……いや、俺みたいに転生した可能もあるのか。

『以上で、私からのお話は以上です。 では、授業頑張ってくださいね』

カーラは頭を下げる。 そして高臺から降りた。

次に高臺に登ったのはモーナだ。

『學園長からの話は以上だ。 各自自分の教室に戻れ』

そう言われ、300人が一斉にき出す。

「剣聖の名前、初めて聞きました」

「珍しい名前だったわね」

アリスとフィリアがそんな話をしている。

アリスも名前知らなかったのか。

「僕は調べたから知っていた。 因みに二代目剣聖の名前も珍しい名前だったらしいぞ」

なるほど、二代目剣聖も召喚された人か。

異世界召喚って本當にあるんだな。

……異世界転生した俺が言うことでもないか。

「……もしかしたら今もどこかに日本人がいるかもな…」

「ん? ルージュ何か言った? 」

どうやら聲に出ていたらしい。 セレナに聞かれていた。

「い、いや、獨り言だ。 珍しい名前だなーと思ってな」

「確かにそうだね、どんな人だったんだろうね?」

「さぁな」

ケンザキ・リュウヤ。 

初代剣聖。

日本から召喚されてきた日本人。 

剣魔學園創設者。

二代目剣聖も召喚されてきた人なのはほぼ確定だ。

日本人かは知らんがな。

そして召喚だけではなく、転生された奴もいるのは俺がいるから確定してる。

案外向こうの世界から來てるやつは多いかもしれないな。

時間がある時は調べてみよう。

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