《2度目の人生を、楽しく生きる》48話 「天使であり悪魔。 その名はアリス」

剣魔學園に學してから1週間が経った。

ここでの生活も慣れてきて、すごく充実した日々を送っている。

……あの夢の事を除けば。

あれからも頻繁に夢を見る、本當になんなんだろうかあれは。

學園にってから急に見るようになったしなぁ……

「…困ったもんだ」

「何が”困った”んだ? ルージュ・アルカディア」

「へ?」

ふと橫を見る。 そこにはモーナなような顔をした鬼が……違う。 鬼のような顔をしたモーナがいた。

なんでこんな怒ってんだ? 

「私の授業中にボーッとするとは、お前私を舐めているのか? 舐めてるんだろう」

「ぼ、ボーッとなんてしてないですよ」

「噓をつくな噓を。 さっきから何回も指名してるのに見向きもしないではないか」

え…噓だろ。 

俺はモーナから目を離し、黒板を見る。

黒板には何やら訳の分からない文字が沢山書いてあった。 俺の知ってるこの世界の文字とは違う。 かと言って日本語でもない。

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もう一度言おう。 何だアレ。

「本當に聞いていたのなら聞こう。 ルージュ・アルカディア。 「剣魔學園」を古代文字で書け」

「えぇ⁉︎」

何言ってんのこの人! 

古代文字って…無理に決まってるだろ。

確かに今は古代文字の授業だけどさ……

「え、えぇと…」

「どうした? 真面目に授業をけていたなら分かるはずだぞ? 」

モーナは意地悪な笑みを浮かべて言ってきた。

俺は渋々黒板の前に立った。

黒板には訳の分からないから文字が沢山書いてあった。

どうやらこれが古代文字らしい。

うん、分からん。

「どうした? 早く書け」

「はっはい!」

もう適當でいいや。 だって分からないし。

俺は黒板に「剣魔學園」と書いた。 ”日本語”で。

「すみません先生。 俺授業聞いてませんでし……」

「こ、これは…!」

俺が謝ろうとしたら、何やらモーナが日本語を見て驚いていた。

「おいアルカディア。 お前この文字を誰に習った?」

「はい? 誰に?」

「とぼけるな。 お前はこの…神聖文字を誰に習ったんだ?」

日本語が神聖文字…? 訳が分からんぞ。

「誰にも習ってませんよ? ただ適當に書いただけです」

「……教えたくないのならばいい。 席に戻れ」

モーナにそう言われ、席に戻った。

日本語が神聖文字…つまりは古代文字って事か?

だとしたらやっぱり初代剣聖が絡んでるのだろうか。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

古代文字の授業が終わり、晝休みになると、アリスがノートを見せてきた。

「なんだこれ?」

「古代文字の授業のノートです。 ルージュさん分からないでしょう? 

 貸しますから放課後2人でお勉強しましょう」

ノートには綺麗な文字で古代文字の事が書いてあった。

左側には古代文字。 矢印があって右側にはその古代文字をどう読むのかが書いてある。

うん、読みやすい。

「サンキューアリス! 助かるよ」

「どういたしまして」

アリスが微笑む。 俺はつい

「…天使か」

と呟いてしまった。 とても小さな聲だったが、アリスは近くにいたので聞こえていたらしい。

「……やっぱり、ノートはいらなそうですね。 ”1人で”お勉強頑張って下さい」

それまで暖かかったアリスの笑顔が、一瞬で冷たい笑顔に変わった。

何この表の変化、百面相かよ。

しかも「1人で」の部分を強調して言われたし。

「す、すみませんアリスさん…ゆ、許して…」

素直に謝ろうとしたが、中々聲が出なかった。

天使だと思ったけど、今のアリスは天使なんかじゃない、悪魔だ。

「凄いねアリス! 笑顔だけでルージュを黙らせるなんて!」

何関心してんのセレナさん。

言っとくけどあなたも怖い笑顔する時あるからね?

自覚してんのか分かんないけど。

「ルージュ、ちゃんと勉強しないとダメだからね!」

「わ、分かってるよ」

「ちゃんと勉強しないと、補習になっちゃうんだからね!」

「え、何それ、補習なんてあんの⁉︎」

初耳なんだけど。 補習って事はやっぱりテストもあんのか?

「今朝先生に言われたじゃないですか。 來週はテストがあって、合格出來なかったら補習だって。 …まさか……」

「ねぇルージュ、もしかして朝もボーッとしてたの…?」

や、やめろ…そんな冷たい目で見るな。

確かに朝もちょっと考え事してたから先生の話の記憶は無いけど……

「はぁ……あなた真面目そうに見えるけど本當は不良なのね 」

「全くだな。 授業は真面目にけるものだぞルージュ」

フィリアがため息混じりにいい、クリスが同意する。

容姿は関係ないだろ。 しかも不良って……

「わ、悪かったって。 午後からは真面目にけるよ」

そう言い、俺達は晝飯を食べるために食堂に向かった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

あの後も授業は進み、今は放課後だ。

時刻は午後3時、もう教室には俺達5人しか殘っていなかった。

「あーやっと終わった〜…」

俺が機に突っ伏すと…

「まだ終わってませんよルージュさん。 古代文字のお勉強です」

……そうだった。 アリスに教えて貰う約束してたんだ…

俺はゆっくり顔を上げ、セレナ達を見た。

「セレナ達はどうするんだ? 一緒に勉強會するか?」

「あー…ごめんね? 私今日は予定があるんだ」

「殘念だけど、僕も予定があるから參加出來ない」

マジかよ。 2人とも予定あんのか。

そして俺は最後の1人、フィリアを見る。

「……何よ」

「いや、フィリアも予定あるのか?」

「ないわよ」

「でしたらフィリアさんも一緒にお勉強しませんか? 分からないところを教えあう事も出來ますし」

「…そうね、じゃあ私も參加するわ」

これで勉強會のメンバーは揃った。

アリスとフィリア、この2人めっちゃ頭良さそうだけど…スパルタじゃないよな…?

「ルージュさん、どうせなら古代文字以外も教えましょうか?」

「え?」

「それはいい案だわアリス。 どうせ他の授業も聞いてないんだろうし、ここでキツくやっておけば今後は真面目に授業けるでしょ」

「え?」

「そうですね、”多”キツくなるかもしれませんが、ルージュさんの為です。 私、鬼になりますよ!」

く言ってるけど、灑落になってない。

 なんだ多って、絶対噓だろ、絶対スパルタだろ。

あれ? ガチでアリスって悪魔なんじゃないか?

「地獄を見せてやるわ、覚悟しなさい」

「……え?」

確かに今日の午後はともかく、これまでは他の授業も真面目にけた事はない…と思う。

だってさ、この世界の授業訳わからないからさ。

容を理解出來ないんだよなぁ…

「ははは…じゃあルージュ、頑張ってね!」

「頑張るんだぞルージュ」

セレナとクリスはそう言うと、教室を出て行った。

「さて…ルージュさん」

「地獄の始まりよ」

「お、お手らかにお願いします…」

悪魔2人との勉強會。 

間違いなく地獄になるだろうこれから始まる勉強會を思い、俺は これからは真面目に授業けよう。 と決心した。

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