《2度目の人生を、楽しく生きる》52話 「部活見學」

「部活かぁ…」

「そういえばさ、ルージュは何で部活の事を知ってたの?」

「え⁉︎ あー…」

確かに、5年間一緒に生活してきたのに俺だけが知ってるのはおかしいよな…

んー…なんか最近言い訳を考えるのが多い気がするな。

「父さんにこっそり教えてもらったんだよ」

「えー⁉︎ 私に緒でズルイよ!」

「まぁまぁ…んで、その部室棟…? ってのは何処にあるんだ?」

「話を逸らしたね…まぁいいや、部室棟はねー、高等部の隣だよ」

セレナに聞いた所、部活は初等部、中等部、高等部合同らしい。

そして部室があるのが部室棟だ。

先輩達と部活とか張するな絶対…

「高等部か、行った事ないな」

學したばかりだしね。 でも優しい人ばかりだったよ?」

ほぅ、それなら安心だ。

理不盡な先輩もいるしな。 

キンとかコンとかケンとか言う奴らな。

「ほら、ついたよ。 ここが部室棟」

「結構歩くんだな。 しかも相変わらず…」

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超でかい。 校舎程ではないが日本なら十分校舎と言える程の大きさだ。

しかも3階建て…異世界恐るべしだな。

「まずは何部から見に行く?」

「セレナの行きたい所でいいぞ? 何があるか分からんし」

「分かった!」

そう言い、俺とセレナは部室棟へった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「………何これ」

「ちょっ…ルージュ助けてよー!」

今、俺の目の前では目を背けたくなるような出來事が起きている。

それはと言うと……

「相変わらずセレフィーナちゃん可いー!」

「真っ白なも!」

「綺麗でサラサラな髪のも!」

「「「全部可いー!」」」

今セレナを囲んでいる3人の人は、全員だ。

1人は茶髪、1人は青髪、1人は赤髪だ。

もしこれが男だったら、今頃俺は魔を使っている所だろう。

この人達は部室棟にったセレナを見つけた途端走ってきて、あっという間にセレナを捕まえた。

「ねぇねぇセレフィーナちゃん! やっぱり私達の部にらない⁉︎ きっと楽しいよ!」

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「だ、だから…! ちゃんと考えて決めたいので…!」

「「「嫌がるセレフィーナちゃんも可いー!」」」

何だこれ……

セレナに部を勧めたのが部長だろうか? そもそもこの人達は何部なんだ?

子生徒3人で出來る部活…分からん…

とにかく、セレナが嫌がってるし、そろそろ助けてやるか。

「すみません先輩方。 セレナが嫌がってるので離してあげてくれませんか?」

俺がそう言うと、3人は一斉に俺を見た。

そしてようやく解放されたセレナは目を輝かせて俺を見ている。

「君…」

「黒髪…」

「黒目…」

3人はそれぞれ何かを呟きながらジリジリと俺の方に歩いてきた。

なになに…⁉︎ 何これめっちゃ怖いんだけど…! 子の會話に割ってるとこうなるのか⁉︎

ホラー映畫みたいだぞコレ!

くそ…、こうなったら風加速ウインド・アクセルでセレナと一緒に逃げるか? 

また今度來れば良いしな、うん…よし、そうしよう。

「風加ウインド・アク……」

「「「なんて可いのー⁉︎」」」

俺が風加速を使おうとしたら、恐るべき速さで両腕を摑まれた。

両腕は青髪のにガッチリと固定され、赤髪のには腰を摑まれて抱っこされた。

おかげで足がつかないし腕がかないしできが取れない…あれ? 俺こんなに弱かったのか…?

そんな俺の前に茶髪の子生徒が立つ。

何これ…俺何されんの? 集団リンチか…?

いや…さっきこの人達は俺の事を…

「やっぱり可いわ!」

そう、可いって……はぁ⁉︎

「君! 黒髪で黒目なんて珍しいね!」

「は、はぁ…」

「しかも男の子の割には可い顔!」

「何気に凹むんですけどそれ…」

「何言ってるの‼︎ 可いは正義! 可いければ全てが許されるんだよ!」

何言ってんだこの人…

俺を抑えている2人は何も言わずにうんうんと頷いている。

黙ってれば人なのになこの人達…

しかもさっきから著してるから…

「あの…もうちょっと力を緩めてもらってもいいですかね…?」

じゃないと特有のアレが…

さっきからずっと押し付けられて嫌でも意識してしまう。

「んー? お姉さん達のに興しちゃったのかな?」

「「可いー!」」

かこの人達は‼︎ 子供だからって余裕そうにしやがって…!

はもう20歳超えてんだぞ! 

しかもさっきからセレナが睨んできてるし!

「いや…本當に勘弁して下さい…」

これ以上続いたらセレナに何を言われるか分からん…何としてでも解放して貰わなければ!

「んー…じゃあ、お姉さん達とお話ししてくれるなら解放してあげるよ? 」

「‼︎ 話します話します! だから早く!」

そう言うと、先輩達は俺を解放してくれた。

やっと解放された……くそ…癡め…

「ルージュ…」

「お、セレナ…」

「よく分からないんだけど…今ルージュに魔撃ちたいから魔撃っていい?」

「良いわけないだろ⁉︎ 」

なんだいきなり…びっくりするな。

「セレナ、聞いてたと思うけど、俺はあの人達と話ししなきゃいけなくなったから、一緒に行けなくなった。 ごめんな」

セレナには悪いが約束は約束だ。 

何より、もしこのまま逃げたら次どうなるか分からない。

「え? 私も行くよ?」

「は?」

「ルージュ1人だと不安でしょ? だから私も一緒に行ってあげる」

マジか、それはありがたい。 非常にありがたいが……

俺はセレナの耳元で先輩に聞こえないくらいの大きさで

「でも、あの癡共……いや、先輩達に何されるか分からないぞ?」

「うっ…そ、そうだけど…ルージュは私を助けてくれたんだし…」

俺とセレナが話している間、先輩達はずっとニコニコしていた。

「本當に良いんだな…?」

「うん。 覚悟は出來てるよ」

そう言うと、俺とセレナは先輩達の方を向いた。

「決まったみたいだねー、セレフィーナちゃんも來てくれるなんて嬉しいな〜」

「えっ、なんで聞こえて…」

セレナが質問する。 茶髪の先輩はニコニコしたまま。

「ん? 私ねー、耳が良いんだよね。 だから全部聞こえてたよ」

え…全部…って事は…

茶髪の先輩はニコニコしたまま俺を見て。

「酷いなー君。 お姉さん達の事を癡だなんて、お姉さん悲しいなぁ〜…」

全然悲しそうじゃないし、寧ろ怖いんだけど…

セレナは橫で「ちじょ…?」と言っている。

セレナは知らなくて良いんだ、て言うか一生知らなくていい。 

「ま、それは置いといて、まずは自己紹介しようか。 ね?」

「は、はい」

先輩にそう言われ、俺たちは移した。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ここが私達のってる部活」

「えーと…」

「生研究部だよ。 ルージュ」

セレナは昨日來たらしく、俺に名前を教えてくれた。

部室はごく普通の教室だった。 違うのは機が10個しか無いのと、本棚が多い事くらいか。

先輩達は機を5個、2個と3個に分けてくっつけた。

なるほど、向かい合うように座れって事か。

「座っていいよ?」

「…はい」

俺は渋々座った。 俺の橫にはセレナが座った。

それを確認すると先輩達も席に座った。

「じゃあ、早速自己紹介しようか」

うわ…俺の対面この人かよ…

「じゃあ私から行くね。 生研究部部長。 そして中等部1年のシルフィです」

やっぱりこの人が部長か。シルフィは明るい茶髪の人だ。 ……黙ってればな。

てかこの人中等部なのかよ、って事は3歳違いで13歳か。

意外と年近かったんだな。

「わたくしは生研究部副部長、中等部1年のミーナですわ」

ミーナは水の髪で眼鏡を掛けた、大人しそうな人だ。 ……黙ってればな。

「あたしは生研究部部員。 中等部1年のベリーだ!」

ベリーは短い赤髪の元気そうな人だ。 ……黙ってればな。

「はい、じゃあ次はそっちどうぞ?」

シルフィにそう言われ、まずはセレナが名乗る。

「セレフィーナ・エゼルミアです。 初等部1年です」

「ルージュ・アルカディアです。 初等部1年です」

俺が名乗ると、シルフィは目を見開いた。

「え、ルージュってあの…ケンを倒した子⁉︎」

うっ…まさか名前を知られてるとは…

「そ、そうです…けど」

「お前がルージュだったのか! 凄いなお前! ケンを倒すなんて!」

ベリーが聲を大きくしてそう言って來た。

なんだこれ…なんでこんな事に…

「実はね、ケンと私達って同じクラスなんだよね」

「え? ケン……ケン先輩って中等部1年生なんですか? 中等部で1番強いって言ってたからてっきり3年生かと…」

「あー…それ噓。 ケンは私達のクラスの男子の中で1番強いだけ。 それで調子に乗ってるだけだよ」

「え…」

なんだそれは…確かに1番の割には弱いとは思ったが、まさか噓をついていたとは…

しかも中等部1年生の中で1番強いならまだしも、クラスの男子の中で1番とは…規模が小さすぎるだろ……

「まぁ、それでもそれを倒したルージュ君は凄いと思うよ? 本當に」

「は、はぁ…」

「それで、話は変わるんだけどさ」

急に、シルフィの雰囲気が変わった。

それに伴い、ミーナとベリーの雰囲気も変わった。

3人とも真面目な雰囲気だ。

「2人にお願いがあるの、2人の、どちらか1人でもいいから、生研究部にってくれないかな…? 」

シルフィは、ふざけたじではなく、真面目に、真剣に言った。

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