《2度目の人生を、楽しく生きる》57話 「勉強の果」
「では、テストを始める。 前から言っていたが、テストは100點満點で、40點を下回った場合は赤點とする」
モーナがそう言うと、プリントを配り出した。
休日が終わり、ついに來た、テスト當日だ。
やれる事は全てやった。 一昨日のあのプリン対決の後も4人で勉強したし、昨日もクリスと共に勉強した。
テスト教科は4科目、今日だけで4科目全てやり、明日には點數が分かる。
「よし、テスト用紙が回ったな。 では、時間になったら私語は一切止だ」
テストは1科目ごとに50分間ずつ行われる。
最初ね科目は剣基礎、俺が2番目に得意な授業だ。
「時間だ、テスト開始!」
モーナの聲で、皆一斉にテスト用紙を開き、テストが始まった。
えーと…まずは名前を書いて…1問目は…
『剣の種類を3種類答えよ』
簡単だな。
俺は 『片手剣、細剣、大剣』 と書いた。
次々行こう。
『大昔、剣聖が使っていたとされる武は何か答えよ』
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……知らん! そんなは勉強してない。
分からないものに時間はかけてられない、よって後回しだ。
『片手剣などは基本的に斬る事を目的としているが、細剣は何を目的として作られているか、答えよ』
これは確かディノスがセレナに言っていたな。 答えは 『刺す事、または突く事』 だ。
そんな調子で、テストはどんどん進んでいった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「……終わったぁ…」
ようやくテストが4科目全て終わり、流石に疲れて俺は機に突っ伏した。
「お疲れ様ですルージュさん」
クリスは今ナーシャと話していてこの場にいない。
仲良くなったようで良かった。
「この1日の為にかなり勉強したな…」
「ははは…ルージュは最初の方は全く勉強してなかったもんね」
「これに懲りたら日頃から勉強する事ね、そうすれば今回みたいに焦らずに済むわよ」
「是非そうさせていただきます…」
確かに常に勉強してればこんなに焦って勉強する必要はなかった。
セレナ達はいつも自主勉してた訳だしな。
これからはちゃんと真面目に勉強しよう。
「……今は1時か、腹減ったな…」
「そうだね〜、じゃあ食堂行こうか?」
「賛です」
テストは9時から始まり、今は1時だ。 本來なら12時に食べるのだが、テストの日は違うらしい。
頭を使ったからか、凄く腹が減った。
「よーし…クリスは……いいか」
クリスもおうとしたが、仲良く話していたので遠慮しよう。
子3人と男子1人になるが……仕方ないか。
俺達は教室から出て、食堂へ向かった。
「クリスさん、最近ナーシャさんと仲が良いですよね」
食堂に著き、食べをおばさんからもらう時に、アリスが言う。
今日はステーキか。 流石剣魔學園、無料でステーキとは…
「だね! よく一緒に居るもんね!」
「昨日一緒に街に行ってたわ」
マジかよ、もう一緒にお出かけする仲なのか⁉︎ クリスの奴、昨日は何も言ってなかったのに…
全員いつもの席に座り、話しながらご飯を食べる。
校舎の食堂は、食堂棟とほとんど一緒だ。 
違うのは、一年、二年、三年と席が分けられている事くらいか。
そして全食堂共通で、段差があり、俺達がいつも食べている席よりも高い所にある席がある。
あれは一なんなのだろうか。
「ねーねー! ルージュはどう思う⁉︎」
「……ん? え? 何がだ?」
「聞いてなかったの⁉︎ だから、クリスとナーシャさんの事だよ」
「あぁその事ね。 んで、それがなんだって?」
セレナ達はクリスとナーシャの事で盛り上がっている。
実際あの2人はお似合いだ。
「ルージュはあの2人、どうなると思う?」
「…そりゃ、今のまま関係が進んだら、付き合い始めるんじゃないか?」
俺がそう言うと、セレナ達3人は口を開け、靜止した。
……何だ? 一…俺何かおかしいこと言ったか…?
「…どうした?」
「い、いや…ルージュがの事を知ってたのが驚きで……付き合うとか知ってると思ってなかったよ」
「はぁ…? じゃあなんで2人はどうなるか聞いたんだよ」
「ルージュはどんな風に考えてるのかなぁ…と思って」
「……俺でもの事くらいは分かってるつもりだぞ」
経験はないがな。 そりゃそうだろう、人と話した事がない人間が、と付き合えるわけがない。
その點今の俺は自分で言うのもアレだが……良いと思う。
容姿は普通、勉強はダメだが、戦闘に関してはそこそこ強い。
……あれ…? 俺地味じゃね…? 何も良くないじゃないか。
「まぁ、ルージュさんも男の子ですからね。 に興味があるのは當たり前ですよ」
「……寒気がするわ、ちょっと私から離れてくれるかしら」
「なんでだよ」
フィリアが本當に寒いかのようにを守るように自分の腕をる。
しかも寒気って…傷つくんだけど。
「…あ、あー…このステーキ味いなー」
何故か棒読みになってしまい、アリスに笑われた。
「赤點、無いと良いですね、ルージュさん」
「…あぁ、もし赤點取ったら、困る事ばかりだからな」
部活の件もあるが、1番はやはりあのシルエットの言葉だ。
『赤點を取ったら一生後悔する』
赤點くらいで何を言ってるんだと思うが、何故か直で言う通りにしなきゃダメだと思った。
そして俺が思うに、テストが終わり、點數が分かった後、 何かが起こる。
まぁ、いつになるか分からないけどな。
だが、何故かそんな気がする。 俺の人生、または誰かの人生を大きく変えるような、何かが。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「よし、では昨日行ったテストを返卻する。 そして同時に、このクラスの順位も発表する」
ようやく今日。 テストが返される。 
頼むから赤點はやめてくれ、41點とかでもいいから…!
「では窓側の席から呼ぶぞ」
噓だろこっちからかよ…!
「では次、クリス・フォード」
「はい」
テストは4科目纏めて返される。 だから一気に點數が分かる。
「次、ルージュ・アルカディア」
「は、はい」
俺は張しながらモーナの前に立った。
モーナは無言でテスト用紙を渡してきた。
俺は點數を見ないようにして席に戻った。
「く、クリスは何點だった?」
「剣基礎が79點、魔基礎が98點、古代文字が85點、武基礎が90點だな」
こ、高得點すぎないか…?
頭いいとは思っていたが、ここまでとは…
「それで、ルージュはどうだったんだ?」
「お、おう。 よし、開くぞ…」
頼むぞ…赤點だけは…!
俺は、全ての紙を開いた。
剣基礎50點、魔基礎60點、古代文字55點、武基礎45點。
「や、やったぞ…點數は地味だけど、やった…赤點回避だー!」
地味だが、赤點はない。
良かった。 これで目標達だ。
そして全員にテストを渡し終わり、次は順位の発表になった。
「では、順位を発表する。 まずは1位、アリス」
「は、はい…」
「アリスはこのクラスだけでなく、この1年生全員の中でも1位だ。 よく頑張ったな」
「あ、ありがとうございます」
ま、マジかよ…アリスってそんなに頭良かったのか…
「そして2位、クリス・フォード。 3位、フィリア・ジュエル。 4位、セレフィーナ・エゼルミア。 5位、ザック」
まさかの上位5位が全員知り合いと言うとんでもない自に、俺は驚きを隠せなかった。
セレナもあんなに頭良かったのか……
そして、俺の名前が呼ばれないまま、どんどん順位発表が進んでいった。
「次、44位、ルージュ・アルカディア」
44位。 50人中、44位。 
アリス1位、クリス2位、フィリア3位、セレナ4位。 俺44位。
「やばい、流石に泣きそうだ…」
そんな俺を見るセレナ達の目は、とても優しかった。 だが、その優しさが、より俺を慘めな気持ちにさせたのだった。
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