《2度目の人生を、楽しく生きる》58話 「やるべき事」

とりあえず赤點を回避した俺は、放課後すぐにモーナに部屆けを出しに行った。

無事に部出來た俺は今、生研究部部室の前に居た。

「……で、なんでセレナもいるんだよ」

「えー、別に良いでしょ? シルフィさんとは一応顔見知りなんだし 」

「はぁ…まぁいいけどさ、んじゃ開けるぞ」

そう言いながら俺は扉を開けた。

「ん? ……お! ルージュじゃねぇか!」

「こんにちは、ベリーさん。 今は1人なんですか?」

「あぁ、でももうすぐシルフィとミーナも來ると思うぜ。 ……おぉ⁉︎ セレナもいるのか!」

「こんにちは!」

相変わらず元気だなこの人、こんな元気な人があんなに取りすんだもんな…

ベリーはセレナに抱きついてセレナの頭をワシャワシャとでている。

「とりあえず2人共座ってくれ!」

ベリーにそう言われたので、俺とセレナは初めてこの部室に來た時と同じ席に座った。

それからシルフィ達が來るまでベリーとワイワイ話しをしていた。

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「ごめん遅れちゃった!」

「すみません遅れました」

ベリーと話しをして數分後、扉が開き、シルフィとミーナが部室にって來た。

シルフィは俺を見つけると笑顔で

「ルージュ君! ここにいるって事は合格出來たんだね! おめでとう!」

「ありがとうございます」

まぁ、44位だけどな。

シルフィとミーナも席に座り、部活が始まった。

「あ、そう言えばこの部活って、いつもは何してるんですか?」

セレナがシルフィに質問する。

確かにそれは気になった。 生研究と言っても的に何をするのだろうか。

「え? うーん……お話…かな?」

「そうだな、あとたまーに生の本を読んだりするな」

「特にやる事は無いですよ」

……うん。 部活の名前変えた方がいいんじゃないか…?

「あの…3人は生きがお好きなんですか?」

俺がそう聞くと、3人は目を輝かせ

「大好きだよ! 特に私はソル・ウルフって名前の聖獣が好きなんだ! あの白いにカッコいい牙! そして金の瞳! もう最高だよ!」

「わたくしはルナ・ウルフって名前の魔獣が好きです! 魔獣なんですけどこちらから攻撃しなければ何もしないですし、助けてくれたりもするんですよ? そして黒い! 最高です!」

「あたしは伝説の七龍の1匹、火龍ヴォルクスだな! 見た事は無いけどあの初代剣聖に仕えてた龍の1匹なんだ! きっと強いんだろうなぁ…!」

そして3人は聲を揃え…

「「「一度でいいから會ってみたいなぁ…‼︎」」」

「…そ……そうですか」

…撤回しよう。 この部活は名前を変えちゃいけない。 生研究部のままでいるべきだ。

まさかこの3人がここまで生を好きだとは思わなかった、テンション上がりすぎだろ。

しかも3人とも好きな生の種類が違うんだもんな。

シルフィは聖獣、ミーナは魔獣、ベリーは龍。

この3人の話を聞いていたら俺まで會いたくなって來た。

「あっ、ごめんね、私達生の事になるとついつい熱くなっちゃって…」

まぁ、趣味の事になると熱くなる人は多いしな。 

「…先輩方が生を好きな事はよく分かりました。 でも、いつもは基本お喋りをしてるだけなんですよね?」

「う、うん。 そうだよ」

よし、なら好都合だ。 

俺がこの部活に部した理由は2つある。 

1つは、まずは生研究部を廃部にさせない為。

そしてもう1つは…

「なら、これからサラさんに會いに行きましょう。 そして、サラさんをこの部活に戻します」

「「「えぇ⁉︎」」」

シルフィ達が同時に驚く。

「ルージュ、本気…?」

「あぁ、本気だ」

もう1つは、この生研究部を元に戻す事だ。

部したばかりだが、俺はこの部活に長くいる気はない。

申し訳ないが、すぐに退部することになるだろう。 

シルフィがサラの話をした時、サラが急変したと言っていた。

絶対に何かがあるはずなんだ。

「サラを戻すって…どうやって?」

「そりゃもちろん、話し合いです」

「で、でも! サラは私達と話をする気がないんだよ?」

「そこで俺の出番でしょ。 俺が自然なじでサラさんに近づいて、なぜ退部したのかを聞き出します」

サラは俺の事を知らない、俺もサラの事を知らないがな。 だからこの立場を利用する。

「まず俺がやるべき事は、とりあえずサラさんと知り合いになる事です」

「わ、私達は何をすればいいの?」

「シルフィさん達は絶対に教室や、サラさんのいる前で俺の名前を出さないで下さい。 

俺がシルフィさん達と関わりがあるとサラさんに知られたら、その時點でこの作戦は終わります」

「でもよ…それじゃあルージュだけが大変じゃねぇか。 あたし達は助けてもらってるだけじゃ…」

「もちろん、タダで助けるわけじゃありませんよ? 俺が困った時は生研究部の皆さんに助けて貰います。 まぁ、作戦が上手くいったらですけどね」

貸しは作っておいて損はない。 しかも相手は先輩だ。 その先輩にいつでも助けてもらえるなら心強い事この上ない。

「それくらいでいいのなら…全然構いません。 でもルージュ君、いったいサラにどうやって接するつもりですか? いきなり話しかけるのは怪しまれると思うのですが…」

「それは今から考えます」

俺がそう言うと、シルフィ達は目を丸くした。

「だって、そんな事考える以前に部すら出來るか分からなかったんだから、仕方ないでしょ…」

「そ、そうだね…あはは…」

シルフィが苦笑いをする。

散々サラを戻すとか言って、その手段はまだ思いついてない。

だが…

「でも安心して下さい。 絶対に、この部活を元に戻しますから」

俺はそう言って立ち上がる。

「では、俺はこれで失禮します。 々考えなきゃいけないので、セレナ、行くぞ」

「あ、うん」

俺はそのまま部室を出た。

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「さて、どうすっかなぁ…」

「…はぁ……そうやってなんでもかんでも考えずに引きけちゃうの、ルージュの悪い癖だよ?」

「ははは……」

セレナに呆れられながら、俺達は部室棟を出た。

俺の前を歩いていたセレナが振り返り…

「でも、ルージュが困ってるなら、私はいつでも助けるよ。 大変な時は助ける、友達ってそういうものなんでしょ?」

「…おぉ……」

それは、俺が初めてセレナに會った時に言った言葉だ。

「セレナ、お前本當に変わったな」

「まぁ…々あったしね」

だが、これは俺の問題だ。

「助けてくれるのは嬉しいけど、今はまだいいよ」

「え?」

「これは俺が1人で、勝手に決めた事だ。だからまずは1人でやってみる」

自分で決めたんだから、自分で解決しなきゃダメだ。

「……」

「ん? どうした?」

何故かセレナが下を向いている。

俺が心配して聲をかけると

「あ、いや…なんでもないよ! でもルージュ、困ったら絶対に頼ってね!」

「あぁ、困ったら頼るよ。 んじゃ、俺は部屋に戻るわ。 また夕食の時間にな」

俺はセレナに手を振りながら寮の方へ戻った。

さて、部屋でじっくり考えないとな。

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