「今日の訓練は、戦闘訓練だ。 2人1組でペアを作り、各自戦闘を始めろ」

戦闘訓練か……

よし…

「アリス！ 組まないか？」

俺はアリスをペアにった。

クリスはいつもナーシャとペアを組むからな。

アリスは多分子の中で1番強いだろう。 だから凄く勉強になるのだ。

「はい、別にいいですけど…珍しいですね。 ルージュさんからうなんて、いつもは私達がジャンケンし終えるまで待ってるのに」

そう。 俺はいつもアリス、セレナ、フィリアのの誰か1人と組んでいる。

モーナから「子3人で組んでもいいんだぞ」と言われたらしいが、セレナが「そうするとルージュが1人になるから」と言ったらしい。

セレナ…なんて優しいんだ…

「ははは…アリスと戦うと々勉強になるからな」

「それは私もですよ」

俺は意地でも30人以にらないといけない。

もし30人以にれなくてドーラ村に帰れなかったら、ディノスになんと言われるか……

考えたくないな…

久しぶりディノスやフローラに會いたい。 そして今アルカディア家にいるであろうの子にも會いたいしな。

その為には勝ち殘らなければいけない。

「ここら辺でいいか？」

俺達はクラスメイト達からし離れ、向かい合う。

俺とアリスは木刀を構える。

戦闘訓練は何を使ってもいい、剣でも魔でも武でもだ。 だが剣を使う場合は木刀を使わなければいけない。

「前にアリスと戦ったのは確か…」

「一ヶ月前くらいですね、最近はジャンケンで勝ち続けてましたので」

一ヶ月か、その間にアリスは強くなってるんだろうな…

「そうか、んじゃ早速…」

「始めましょうか！」

先にいたのはアリスだ。

アリスにしては珍しく突っ込んできた。

珍しいっていうか、初めてだぞこんなの⁉︎

「石弾ロック・シュート！」

走ってくるアリスに石弾を撃つが、難なく躱される。

「閃連打せんこうれんだ！」

そしてなんと、アリスが俺の腹を毆ってきたのだ。

それも何度も。

俺は飛ばされて地面を転がる

「いってぇ……アリス、お前武なんて…」

「聖水連球セイクリッド・ウォーターマシンガン！」

立ち上がろうとする俺に無數の水球が向かってくる。

「土壁アース・ウォール！」

土壁でなんとか防いだが、危なかった。

俺は木刀に炎を纏わせ

「風加速ウィンド・アクセル！ 」

風加速で一気にアリスの元へ向かう。

「炎斬えんざんっ！」

そしてアリスに向かって炎斬を撃つ。

「水柱ウォーター・ピラー！」

だがアリスは水柱を出し、炎斬を消す。

……ならその水柱、ありがたく使わせて貰おう。

「氷結フリーズ！」

氷結を使い、水柱を凍らせる。

これで氷の柱が完した。

そして次に氷の柱にピッタリと右手をくっつけ、魔力を込める。

「発エクスプロージョン！」

土と火の複合魔、発の魔法を使う。

めっちゃ腕が痛いが、肩が外れなかっただけマシだ。

発により氷の柱は崩れ、々な大きさの氷の塊がアリスを襲う。

「なっ…⁉︎ せ、聖水壁セクリッド・ウォーターウォール！」

アリスが壁を作るが、そんなものでこれは防げない。

「竜巻サイクロン！」

アリスがいつの間に覚えたのか、風の中級魔法を使う。

…って、今竜巻なんか使ったら…！

「マジかよ…⁉︎」

アリスの方に向かっていた氷の塊が全て竜巻によって俺の方に向かってくる。

「くそっ…土壁！」

土壁を作ったが、すぐに壊れるだろう。

俺は土壁が耐えているに風加速で橫に走り、なんとか當たらずにすんだ。

「まだまだ行きますよ！」

安心する間も無くアリスが木刀を振り下ろしてくる。

咄嗟に木刀で防いだが、剣でアリスに勝てるとは思えない。

「剣だけじゃないですよ？」

「え…？ うわっ⁉︎」

アリスの木刀を防ぐ事だけに集中しすぎていたせいで、アリスの足払いによって餅をついてしまった。

「はあぁっ！」

「うおっ⁉︎」

容赦無くアリスが剣を振り下ろして來たが、俺は地面を転がってなんとか回避した。

アリスってこんなに容赦無かったか…？

「次はこっちから…！」

木刀に炎を纏わせ、アリスの方に走ろうとしたが、足を止めた。

アリスが居合切りの制で待機していたのだ。

一歩もかずに、ただ俺を見つめている。

「……一撃勝負か、上等だ！」

最初は斬撃を撃とうとしていたが、やめた。

俺は炎を纏った剣を握りながらアリスの元へ走った。

迎え撃ってやるぜ…！

「………風の太刀」

………一瞬。

一瞬だった。 アリスがいたかと思うと、何故か俺は地面に仰向けで倒れていた。

腹にも痛みがある。 何があったんだ？

「戦闘訓練終了だ！」

モーナの聲が聞こえ、俺はアリスに負けたのだと自覚する。

「ルージュさん、大丈夫ですか？ すみません…しやり過ぎましたね」

「い、いや…」

あの居合切り…あれも技の一種なのだろうか。

……やっぱり、アリスは凄いな。

俺なんかよりも魔の使い方も、剣も上だ。

「…アリス、頼みがある」

「はい？」

「トーナメント戦までの間でいい、俺に剣を教えてくれないか？」

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「常に相手の目を見てください！ 手じゃなくて目です」

「お、おう！」

今は放課後、俺はグラウンドでアリスに剣を教えてもらっていた。

「ルージュ頑張れー！」

「……なんでセレナ達も居るんだよ」

何故かセレナ、クリス、フィリアも俺の特訓を見に來ていた。

「だって暇なんだもん」

「僕も暇だからだな」

「私は別に…セレナに連れてこられただけよ」

「……そうか」

見ても面白くないと思うけどなぁ…

「まずルージュさんは足さばきからですね。 ただ真っ直ぐ走るんじゃなく、常に左右に移しながら走れば予測されませんよ」

「なるほどな…」

確かに俺はいつも風加速で突進していた。

だが左右に移しながらとなると風加速の制が難しいな…

「では早速やってみてください」

「おう！」

アリスからし離れる。

足さばきは基本中の基本なんだろう。 

ディノスは多分足さばきよりも実踐を優先させたんだろうな。

「いくぞ！ 風加速ウィンド・アクセル！」

風加速を使って言われた通りに左右に移しながら走るが、なかなか上手くいかない。

上手くいかないどころか、制を間違えて転んでしまった。

「んー…難しいな…」

「分かりました」

「ん？」

アリスが真っ直ぐ俺を見る。

何が分かったんだろうか。

「ルージュさんは何をするにも魔を使ってますよね？」

「あぁ…そうだけど…」

「それ、止にしましょう」

「へ…？」

「これからトーナメント戦までの間、魔の訓練以外で、一切魔を使わないで下さい」

魔を使わない…？ 

「魔を使うのをやめて、剣だけに集中すれば、きっと強くなれますよ」

確かに、剣だけを練習すれば上達するとは思うが……

「俺…魔使わなかったら多分かなり弱くなるぞ？」

炎斬も風加速も使えないとなると俺って何の取り柄もないだろ……

「だからこそですよ。 絶対に魔を使ったらダメですからね！」

「は、はい…」

この日から、俺の魔止生活が始まった。