《2度目の人生を、楽しく生きる》72話 「故郷へ」

「ようセレナ、おはよう」

「あ、ルージュ! おはよう! 寢坊しなかったね」

今は朝の6時、まだし暗いが、この時間に起きないと馬車の時間に間に合わないのだ。

「じゃあ、早速行くか? 」

「そうだね。 ルージュ、本當に忘れないよね?」

「大丈夫だって、昨日確認したら靴下をれ忘れてたけど、今は大丈夫だ」

「…心配だなぁ…」

心配してるセレナに構わずに歩き出す。

ドーラ村へは馬車で行く。 馬車は日本で言うと電車みたいなもので、降りたい所で降りるのだ。

だからそれを使って旅行する人も多いらしい。

「確か馬車の乗り場は門の前だったよね?」

「あぁ、俺達が王都に來る時に通った門だ」

俺とセレナは、馬車の乗り場である門を目指して歩き始めた。

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「…ちょっと早く著きすぎちゃったかな?」

「…まぁ、間に合わないよりは良いんじゃないか?」

なんと馬車の乗り場についたのは6時30分だった。 馬車がこの王都を通る時間は7時だったはず。

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まだ時間があるなぁ…

「よし、ならお土産でも買って行くか? あまり遠くには行けないけど」

「そうだね! あ、あそこ行かない⁉︎」

早速セレナがいい店を見つけたらしく、俺の手を引き走り出した。

「どれどれ…? ほぉ、ドラグラード王國名ドラグラ焼き……ねぇ…」

ドラグラ焼きとは、丸い形をしたパンみたいなで甘いものをサンドしたらしい。

これはお土産用ので、1つの箱に30個っているらしい。

………これドラ焼きじゃね?

「ねぇこれにしない⁉︎ 皆で食べようよ!」

「あぁ、良いんじゃないか? 皆甘い好きだろうしな」

…そういえば、俺とセレナの誕生日パーティーの日にディノスがケーキをつまみ食いして怒られてたな。

いやぁ…あのケーキは味かったなぁ…

「すみません。 このドラ焼き…じゃない。 ドラグラ焼きを3箱下さい」

「はいよ! ドラグラ焼きを3箱だね。 銀貨15枚だ!」

銀貨15枚って事は1箱銀貨5枚か、サンタクロースの服より高いんだな。

「はい、銀貨15枚」

「え⁉︎ 私も払うよ!」

「いいよ。 金ならあるんだ」

まだ金貨が99枚もあるからな。

そして今銀貨を15枚払ったから、殘りの銀貨が……沢山あって數えたくないな…

俺はドラグラ焼きが3箱った袋をけ取り、歩く。

「んー…まだまだ時間あるなぁ」

「そうだね。 やる事もないし、ベンチに座ってようか」

俺とセレナは近くにあったベンチに座り、適當に話をしていた。

「…人集まってきたな」

もうしで7時になる頃、だんだんと門の近くに人が集まってきた。

多分馬車に乗る者か、馬車を見たい者だろう。

「私達も行こうか」

「だな」

俺達も門の前に行き、馬車が來るのを待った。

「確かドーラ村までは銀貨30枚だったよね?」

「そうだぞ。 セレナ、お金足りるか?」

「うん! 王都に來る時にお母さんから多めにお金貰ってたから!」

え、俺何も貰ってないんだけど。

まさか忘れてたとか言わないよな…?

ハーネスから金貨100枚貰えなかったらヤバかったな…

「お! 馬車が來たぞー!」

誰かが大きな聲でそう言うと、周りが騒めく。

來たか。

門の方を見ると、確かに奧の方から馬車が數臺來ていた。

「おー! 私達が王都に來る時に乗った馬車とは違うね!」

馬車が門を通り、王都の中にって來ると、馬車を見たセレナが目をキラキラさせて言った。

確かに、俺達が王都に來る時に乗った馬車とは大きさも、見た目も何もかもが違う。

「馬車に乗りたい方は私の元へ來て下さい」

馬車を作していたおじさんが降りて來てそう言う。

あの人にお金を渡せばいいのか。

「すみません。 俺達ドーラ村まで行きたいんですけど」

俺がおじさんの元へ行き、そう言うと、おじさんは笑顔で

「はい。 2人かな? ドーラ村までだと、1人銀貨30枚だよ」

俺とセレナは銀貨30枚をおじさんに渡す。

「はい確かに30枚貰ったよ。 じゃあおじさんの馬車に乗っててね。 ドーラ村へ行く馬車はこれだから」

馬車は合計5臺あった。 きっと1臺ずつ別々のルートで出発するのだろう。

優しそうなおじさんで良かった。

早速馬車に乗ると、奇跡的に馬車の中には誰もいなかった。

馬車の中にはフカフカの椅子があり、とても広かった。

俺とセレナは取り敢えず荷を床に置き、椅子に座った。

「うわっ、フカフカだぁ!」

「良かった。 これならが痛くなる心配はなさそうだな」

「そうだね。 1日もおが痛いのを我慢するのは嫌だもんねぇ…」

セレナがフカフカの椅子でくつろぎながら言う。

早速気にったみたいだな。

「では、出発しますよ! し揺れます」

おじさんがそう言って馬車をかす。 他の馬車はまだ人が乗るらしく、いていない。

この馬車は俺達だけだから先に出発するのか。

「久しぶりにお母さんとお父さんに會えるね!」

「そうだな。 5ヶ月ぶりの帰宅だ!」

「ルージュの家にいるの子に會うのも楽しみだねー!」

「あぁ、仲良くなれるといいなぁ…」

俺達の乗った馬車は門を出て、ゆっくりと進み始めた。

「おー…この景を見るのは2回目だな」

王都を囲む巨大な外壁、何度見ても凄いな。

「私達が王都に來る時、半分以上は寢ちゃっててよく景見てないから、今度はちゃんと見ようね!」

「そうだな」

この世界の景は、何を見ても飽きない。 全てが日本にはないだからだ。

生き、植、建。 全てが初めて見るなんだ。

そんな景を楽しみながら、俺達を乗せた馬車はゆっくりと進み始めた。

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