《2度目の人生を、楽しく生きる》78話 「ディノスVSセレナ」
「ただいまー」
もう晝になる時間に、アルカディア家に著いた。
扉を開けて言うと、リビングからフローラが出てきた。
「あら? もう帰ってきたの? 隨分早かったわね……って、セ、セレナちゃん⁉︎」
「お久しぶりです! フローラさん!」
靴をいで家の中にると、フローラがセレナを見て驚く。
まさか家に來るとは思わなかったんだろう。
「久しぶりねセレナちゃん! ちょっと大人っぽくなったんじゃない?」
「んー…お母さんにもそう言われたんですけど…自分では分からないです」
「見たらすぐに分かったわよ! 隨分変わったわね〜」
そう言ってフローラはセレナの頭を優しくでる。
セレナは恥ずかしそうに顔を赤くしているが、嫌がってはないようだ。
「セレナ様、顔が真っ赤です」
顔が真っ赤のセレナを見てカノンが言う。
「昔からセレナは頭をでられると顔が真っ赤になるんだよ」
「そうなのですか?」
「あぁ、なんなら後でセレナの頭をでてみな? 絶対真っ赤になるから」
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「分かりました!」
「ちょっとルージュ⁉︎ 変な事教えないでよ!」
セレナが俺を睨みながら言ってくるが、全然怖くない。 
フローラはずっとニコニコしてるしな。
「あ、そうだ。 母さん、キッチン使ってもいい?」
「え? 何か作るの?」
「うん、カノンにプリンを作ってやろうと思ってさ」
そう言って俺は袋にったプリンの材料をフローラに見せる。
「なるほどね、別にキッチンを使うのは構わないけど。 1つ條件があるわ」
フローラは人差し指を立てて言う。
「條件? 」
「母さんの分のプリンも作ってちょうだい? 」
…なんだ、そんな事でいいのか。
「了解。 んじゃ早速プリン作り始めるか!」
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「…で、なんで母さんも見にくるのさ」
何故かフローラもキッチンに著いてきたのだ。
……なんだ? 暇なのか?
「…いやー、プリンって火を使うじゃない? 火傷したら危ないし、親としては見守ってあげるのが當たり前なのよ」
「へー」
暇なんだな。 目が泳いでるし、間違いない。
「んじゃ始めるか。 セレナ、頼む」
「はーい。 ではこのに卵をれて下さい」
そう言ってセレナは卵4個とボウルをテーブルに置く。
「カノン、やってみるか? 」
「はい! やりたいです!」
カノンは卵を割った事がないのか、卵を持ってオロオロしている。
…見ていて楽しいが、このままじゃ進まないから手本を見せてやろう。
「カノン。 まずは俺がお手本を見せてやろう」
「お兄様が⁉︎」
「えっ…ルージュが? だ、大丈夫?」
セレナが心配そうに見てくるが、甘く見てもらっては困るな。
料理はした事ないが、流石に卵くらいは割れる。
「いいかカノン。 よく見てろよ? まずは卵をテーブルにぶつけて、殻にヒビをれるんだ」
卵の中が出ないように加減してテーブルにぶつける。
するとしヒビがった。 功だ
「お兄様凄いです!」
「だろ? 後は卵を割るだけ……あぁっ! 殻がった!」
最後の最後、卵を割る時に殻がボウルの中にってしまった。
急いでボウルの中の殻を取り除いたが、まさか失敗するとは…
カノンは不思議そうに首を傾げているが、セレナとフローラは顔に手を當ててプルプルと震えている。
くそっ…めっちゃ恥ずかしい…
「カノンちゃん。 私がお手本見せてあげるね」
「あ、はい。 お願いしますセレナ様」
その後セレナの丁寧な教え方により、カノンは見事卵割りをマスターした。
「よし、次は卵を混ぜるよ! ルージュにお願いしてもいい?」
「任せろ! 」
泡立てをけ取り、ひたすら卵を混ぜ続けた。
それからも順調にプリン作りは進み、後はプリンを冷やすだけになった。
プリンをれた5個の容を冷蔵庫にれる。
「よーし、後は待つだけだよ」
「はー終わったぁ…思った以上に大変なんだな…」
「でも楽しかったですね」
時計を見ると、もうとっくに午後になっていた。 もうすぐディノスが帰ってくる頃だな。
「3人ともお疲れ様。 セレナちゃん料理得意なのね。 初めて知ったわ」
俺も最初見た時はびっくりしたなぁ…
家でもよく料理とかしてるんだろうか。
「ただいまー!」
アルカディア家に聲が響く。 これはディノスの聲だ。
森の警備から帰ってきたんだろう。
「ん? なんだこの甘い匂いは…」
ディノスがそう言いながらキッチンにってくる。
そして俺、カノン、フローラ、セレナを順番に見て…
「えっ⁉︎ セレナちゃんか⁉︎」
セレナを見てそう言った。
「お久しぶりですディノスさん!」
「お、おう…な、なんか変わったなセレナちゃん」
やっぱり、一目見て分かる程にセレナは変わったらしい。
「あ、ディノスさん。 ちょっとお願いがあるんです」
「ん? なんだ?」
「今日、これからルージュと戦うんですよね?」
「あぁ、そうだが…」
「私もディノスさんと戦いたいです」
すると、ディノスとフローラは目を見開いた。
ディノスとフローラが知っているセレナは、まだ戦闘に慣れてなく、剣も魔も怖いと思っていたセレナだ。
だから驚いたんだろう。 セレナが自分から「戦いたい」と言ったから。
「當たり前だ。 というか、本當は俺からうつもりだったんだがな」
「ありがとうございます!」
……どうやら、プリンを食べるのはまだ後になるらしい。
「父さん。 早速、やろう」
「おう。 じゃあ木刀を取ってくる」
ディノスは木刀を取りに部屋へと戻った。
ディノスの部屋には三本の木刀が置いてある。
俺、セレナ、ディノスのだ。
「よっし…久々に父さんと戦闘だ」
「頑張ろうね!」
「おう!」
そして、三本の木刀を持ったディノスが戻ってきた。
「待たせたな。 それじゃあ、行くか」
「どこで戦うの?」
「村の外の草原だ。 最後に戦った場所だよ」
あそこか、あそこなら遠慮なく魔を使っても問題ないな。
「折角だし、母さんも行こうかしら。 ルージュとセレナちゃんがどれくらい強くなったか見たいし」
フローラも來るらしく、フローラが著替え終わってから、家を出て草原へと向かった。
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家からし歩き、懐かしの草原へとやって來た。
俺とセレナは軽く準備運をする。
ディノスはいち早く準備運を終わらせて素振りをしている。
「順番はどうする?」
「先に私やってもいいかな? ずっとこの順番だったし」
「了解だ」
そう言い、俺はカノンとフローラがいる場所へ移する。
「お、最初はセレナちゃんか」
「お願いします!」
「あぁ、じゃあ、いつでもかかって來い」
「では…行きます! 閃矢ライトニング・アローッ!」
最初はセレナが50本を超える閃矢を撃つ。
ディノスは木刀を持っていない左手を前に向け…
「竜巻サイクロン!」
遠慮なく竜巻を撃ち、閃矢を全てかき消した。 
そして、ディノスが竜巻を撃った瞬間、セレナは走り出していた。
「はあぁっ!」
セレナは迷わずディノスに近づき、木刀でディノスの腹を狙って突きをする。
「おっ…と」
だがディノスは危なげなく自分の木刀で防する。
「閃フラッシュ!」
「なっ…⁉︎」
超至近距離で閃を使われ、ディノスは目を開けられなくなる。
…あれは…俺がトーナメント戦の時にセレナにやった奴だな
「はああっ!」
目を開けられないディノスに、セレナは遠慮なく木刀で斬る。
斬られたディノスは後ろに下がったが、転びはしなかった。
だが、ディノスに一撃當てたぞセレナの奴…
「な、なかなかやるなセレナちゃん…」
やっと目を開けられようになったディノスはセレナを見てそう言う。
セレナはディノスの方へ手を向け…
「吹雪ブリザードッ!」
おそらく氷の中級魔法であろう吹雪を使う。
「なっ…! くそっ…!」
ディノスは右に飛んで避けようとしたが、間に合わずに左足と左手が凍ってしまってけなくなった。
「噓だろ…⁉︎ マズイ…」
「剣ホーリー・ソードッ!」
本気で焦っているディノスに、セレナは一度だけ俺に見せてきた魔、剣をディノスに撃つ。
三日月のような形をしたが凄まじい速度で飛んで行き、ディノスに當たる。
砂埃が舞い、ディノスの姿が見えなくなる。
「突風ウィンド」
セレナが突風を使って砂埃を消すと……
「……」
無言で、木刀を構えたディノスが立っていた。
ディノスは木刀を持った右手を後ろに引き、姿勢を落とす。
「龍神剣……ーー紅こうらん」
その瞬間、ディノスがセレナに向かって凄まじい速度で走り出した。
「っ…! 吹雪ブリザード!」
吹雪を撃つが、ディノスは右に飛んで躱し、速度を落とさずに走る。
そのままセレナの近くまで來ると…
「おらぁっ!」
セレナに木刀を振り下ろした
「くっ…!」
セレナはなんとか木刀で防いだが、ディノスは一旦下がり、今度は右下から左上に向かって斬りあげる。
「っ!」
なんとかこれも木刀で防ぐが、手が耐えられなかったのか、セレナは木刀を落としてしまった。
「あっ!」
「終わりだ」
木刀を拾おうとしたセレナにディノスは木刀を突きつける。
「……こ、降參です」
セレナが降參し、ディノスの勝ちとなった。
ディノスが最後に使ったあの剣…よく分からなかったが、1つだけ、分かる事がある。
「次はルージュだな。 いつでもかかって來い」
ディノスは、しだけ加減する力を緩めた、と言う事だ。
……燃えてきたぞ。
「行くよ、父さん」
「あぁ」
俺とディノスは、同時に走り出した。
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