《2度目の人生を、楽しく生きる》79話 「ディノスVSルージュ」
「炎斬!」
木刀に炎を纏わせたまま、ディノスに振り下ろす。
ディノスは木刀を持った右手で俺の木刀を防ぐ。
流石に筋力に差があるな…
ディノスが片手で俺の木刀を防いでいるのに対し、俺は両手で木刀を持っている。
「ふんっ!」
ディノスが何も持っていない左手で、俺の腹を毆る。
両手が塞がっている俺は防する事が出來ずに後ろに飛ばされた。
やはり剣勝負では俺とディノスの筋力の差が大きい。
剣だけでディノスに勝つのは絶対に不可能だ。
「石連弾ロック・マシンガン!」
石連弾を撃った後、すぐに風加速ウインド・アクセルを使い、石連弾と並走する。
これは、ディノスを騙すためのものだ、直前まで魔石連弾か剣炎斬のどちらで攻撃するか悟らせないようにする。
「炎…!」
俺は石連弾を追い抜き、木刀を振り上げる。
「っ! こっち剣か!」
ディノスは俺の木刀を防する為に木刀を橫にして上で構える。
……よし。
「…なんちゃって」
足に力をれ、ディノスの目の前で右に飛ぶ。
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「え…はぁ⁉︎」
俺が右に飛んだ事により、俺の後ろにあった石連弾がディノスに當たる。
ディノスは木刀を上に上げていたから、全弾命中だ。
剣で勝つ事が出來ないならば、魔で押し切るしかない。
「くそっ! 騙された…!」
「はっはっはー! まだまだ行くぜ父さん!」
俺は右手を上に上げ、魔力を込める。
「また隕石雨メテオ・レインか? 言っておくが、絶対に當たらんぞ」
分かってるよそんな事。
これはディノスには見せた事がない。
右腕が炎に包まれ、その炎がドンドン大きくなる。
俺の腕の2倍、3倍、4倍と…ドンドン大きくなり、その炎が拳の形になる。
「よし…これくらいでいいか」
「……はぁ…また変な魔を覚えやがって…」
「炎拳ナックル・フレア!」
「また対策しないといけないじゃねぇか…!」
何倍も大きくなった炎の拳で、ディノスを毆る。
ディノスは両手をクロスしてガードしたが、それだけじゃ炎拳は防げない。
炎拳は大きいから、遠くにいても相手を毆ることが出來る、俺にピッタリの魔だ。
「ぐっ…くそ…なんて威力だよ…!」
ディノスがジリジリと後退する。
炎を纏っているのは右腕だ。
つまり、俺はまだ左腕を使っていない。
「氷結フリーズ!」
「はぁ⁉︎」
俺の炎拳を防する事に必死なディノスに左手を向け、氷結を撃つ。
氷結によってディノスの足下の地面が凍る。
これでってディノスは踏ん張る事が出來なくなるだろう。
「くらええええぇぇ!!」
その後すぐに右腕に意識を集中し、更に魔力を込める。
炎拳がまた一回り大きくなり、ディノスが遂に耐えきれなくなったのか、思い切り後ろに飛んだ。
地面を數回転がったディノスは、ヨレヨレになりながらも起き上がる。
「ル…ルージュお前…いつの間に氷魔法を…」
「実は、まだ1つとっておきの魔があるんだ」
「は…? まだ何かあるのか⁉︎」
この魔は、現時點で俺の使える魔の中で1番の威力を誇る魔だ。
トーナメント戦ではこの魔によく助けられた。
もう俺の殘りの魔力はない、この1発を撃ったら確実に魔力切れになるだろう。
ふとディノスの方を見ると、ディノスはセレナの時のように右手を後ろに引き、姿勢を低くしていた。
どうやらディノスも俺と同じらしい。
ディノスも、この一撃で勝負を決めると思ってるんだろう。
「龍神剣奧義……!!」
あれは…フロウと戦った時に使ってた技だ。
そんな技を俺に使うって事は…ディノスはもう本気って事か。
「大発エクスプロージョンッ!」
ディノスが居た場所が発し、大量の砂埃が舞う。
それと同時に、急激な疲労がやって來て、地面に片足をついた。
「はぁ…はぁ…やったか…?」
砂埃のせいでディノスの姿は見えない、突風ウインドを使おうにも、魔力が足りない。
「ルージュ! 俺の勝ちだ!」
「っ⁉︎」
突然、上からディノスの聲がした。
すぐに上を向くと、ディノスが俺の方に向かって落ちてきていた。
ま…マズい…! 避けないと…!
「行くぞルージュ! 紅龍斬こうりゅうざんっ!」
ディノスが振った木刀が當たった瞬間、俺は痛みをじる前に、気を失った。
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「……ん」
「あ、お兄様! 目が覚めましたか!」
「ん…? カノンか?」
また…俺は気絶してしまったらしい。
を起こして周りを見ると、ここは俺の部屋だった。
どうやら俺は家まで運ばれたようだ。
「お兄様! 私しました! お兄様はとてもお強いのですね!」
カノンは大袈裟に両手を振りながら言う。 
「んー…どうなんだろうな…負けちゃったし」
「あの後皆さんとても心していましたよ?」
そうなのか…確かに、昔よりは強くなったとは思うが……
「あ、そういえば父さんは?」
「ディノス様は、今リビングで眠っています」
「リビングで?」
「はい。 家についた後は、初めは私と2人でお兄様の事を話していたのですが、話の途中で眠ってしまったんです。 きっと疲れたんでしょう」
「…そうか」
なら…しは進歩したのかもな。
「じゃあセレナは?」
「セレナ様は先ほど帰りましたよ? お兄様の怪我もセレナ様が治したんです」
あぁ…だから痛くないのか。 今度お禮を言わないとな。
「あ、あの…お兄様…?」
カノンは、言いづらそうに口を開けたり閉じたりしている。
「なんだ?」
「あの…明日…ついてきてほしい場所があるんですが…」
ついてきてほしい場所…?
何処か行きたい場所があるのか? でも…カノンはドーラ村に來たばかりでここら辺には詳しくないはずだが…
「だ、ダメ…でしょうか?」
カノンが、今にも泣きそうな目で言う。
……そんな目をされたら…斷れないだろ…
「分かった。 明日、一緒に行こう」
「は、はい! ありがとうございますお兄様!」
俺がそう言うと、カノンはすぐに笑顔になった。 
……カノンは何処に行きたいんだろうか。
「……本當に…お兄様は優しいですね…」
カノンが何かを呟いたが、聲が小さくて俺には聞こえなかった。
「ん? なんか言ったか?」
「いえ、なんでもありませんよ。 では明日、よろしくお願いしますね?」
「お、おう!」
「では、夕飯が出來たらお呼びしますね! それまでは休んでいて下さい」
そう言って、カノンは部屋から出て行った。
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