龍族の村に來てから、2日目になった。

俺は、セレス達に案してもらった基地で目を覚まし、外にある川で顔を洗うと、準備運をしていた。

「…にしてもこの基地、よく出來てるよなぁ…」

窟を改良したこの基地。

住みやすい事この上ない。

男子の俺は、基地というものに憧れていた。 だから、今しているのだ。

準備運を終え、空を見ていると、遠くから２つの足音が聞こえて來た。

「ルージュ〜！ 」

「ルージュ君おはよー！」

セレスとグリムだ。

2人には自分の家があるので昨日は家に帰った。

そして、明日基地に集合しようと約束していたのだ。

「おはよう。 2人共」

「えぇ！ 早速だけど朝食にしましょ！」

セレスは持っていたバスケットを顔の高さまで上げ言う。

3人で基地にり、木のテーブルにバスケットを置き、木の椅子にセレスとグリムが座る。

…そこで気づく。

「あっ…ルージュの椅子がないわ！」

「あぁっ！ 本當だ、２つしかない！」

そう、この基地にあるは全て2人用だったのだ。

椅子の數、布の數、全てが２つずつだった。

「…巖創造クリエイト・ロック」

俺はテーブルの橫に丁度いい高さの巖を出し、それに座る。

…おぉ、意外と座り心地がいいな。

「俺はこの巖でいいよ」

「えっ、あ、そう？」

「ルージュ君土魔法使えるの！？ 凄いね！」

グリムが目をキラキラさせながら言ってくる。

俺は苦笑いしながら

「それよりさ、早く食べようぜ？ 俺腹減ったよ」

「そうね！ 食べましょう！」

そう言ってセレスがバスケットを開けると、中にあったのはサンドイッチだった。

「おぉ！ 味そうだな！ セレスが作ったのか？」

「私は料理なんて出來ないわ！ お母様が作ってくれたのよ！」

「そうなのか」

まぁ、考えてみればこの歳の子供が料理なんてしないよな。

セレナ達が凄いだけだ。

「…味いな」

相変わらずこの世界の食べは味い。

そう言うと、セレスはを張り

「そうでしょう！ お母様は凄いのよ！」

と言ってセレスも料理を食べ始めた。

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「さて！ それじゃあルージュ！ 村長の家に行くわよ！」

「村長の家？ なんでだ？」

「僕達も分からないけど、今朝ルージュ君を連れてくるように言われたんだ」

村長からの呼び出しか…、やはりローガの件か？

まぁ村長の呼び出しを斷る理由はないよな。

「分かった。 それじゃあ行こうぜ」

基地から村まではそう遠くはない。

だが村にってから村長の家までは大分距離がある。

村長の家まで3人で軽く話しながら向かい、村長の家に著くと、扉を軽くノックする。

「れ」

村長にそう言われ、3人で中にる。

「俺に話とは何ですか？ 」

「お前にと言うか、お前達3人にじゃな」

…ん？ 俺ら3人？

セレス達も訳が分からないらしく、首を傾げている。

「てっきり魔剣使いの件かと思ってました」

「あぁ…その件じゃが、準備が整うのは7日後になった」

「なっ…！？ 」

7日だと…！？ なんでそんなに…

村長は、俺の反応を予想していたのか、冷靜に言う。

「7日後、龍族は最高戦力を用意できるじゃろう。 萬全な狀態で魔剣使いに挑むか、萬全じゃない狀態で魔剣使いに挑むか、どちらがいい？」

「……分かり…ました。 7日後まで待ちます」

戦力を貸してくれるだけ有難いんだ、文句は言ってられない。

……そうと決まれば、やる事は１つだ。

俺は村長に背を向け、扉の方へ歩く。

「何処へ行くんじゃ？」

「出発までの7日間、森で修行します。 しでも強くならないと…」

「森で修行する必要はない」

「…え？ いや、でも、龍族に頼りきりになるのは…」

「誰もそんな事は言っとらんじゃろう。 全く…しは人の話を聞け」

あー…レーラにも「人の話を聞け」と言われたな。

「今日お前達3人をここに呼んだのは、強くなってもらうためじゃ」

「ルージュだけじゃなく、私達もですか？」

「そうじゃ、お前達にはあるお方に稽古をつけて頂く事になった」

村長がそこまで言うと、村長のすぐ橫に小さな青いが集まり、しずつ人の形になる。

「お前達に稽古をつけて下さるお方は…」

青いが完全に人の形になり、ある青髪の高長の男が現れた。

青髪の男は俺達3人を見回すと

「俺様だ。 俺様が、お前らを強くしてやる」

突然、そう言ってきた。

…訳が分からんぞ。

「えっと…誰ですか？」

俺がそう言うと、セレスに勢いよく頭を叩かれた。

俺を叩いたセレスは慌てながら

「あ、あんた何言ってんの！？ この人に「誰ですか？」なんて…！」

「いや、だって知り合いじゃないし…そんなに偉い人なのか？」

見たじ普通の人間に見えるがな…

俺がそう言うと、青髪の男は自分の顔を抑えながら笑う。

「ククク…！ まぁこの姿じゃあ分からないだろうな、いいぜ、自己紹介してやるよ 」

「はぁ…どうも」

「俺様は水龍、レイニクスだ！」

「………」

……………

村長の家の中が一気に靜かになる。

青髪の男、レイニクスと名乗った男は腰に手を當て、偉そうに立っている。

水龍ってのは稱號か何かか？ ”剣豪”みたいなじだろうか。

「あ、初めまして。 俺はルージュ・アルカディアです」

俺は普通に自己紹介したが、レイニクスは目を丸くし

「お、おい？ 驚かないのか？ 水龍だぞ？ 俺様は水龍レイニクスなんだぞ？」

「強そうな稱號ですね」

そこまで言うと、グリムが俺の肩を叩く。

「…ねぇルージュ君。 まさか君、七龍伝説を知らない？」

「七龍伝説？ なんだそれ」

俺がそう言うと、レイニクスは深い溜息を吐き。

「マジかよ…今の子供は俺様達の事を知らねぇのか…？ 」

「レイニクス様、お気になさらず……我々龍族は貴方様方の事を尊敬していますので…」

村長はそんなレイニクスをめるかのように言う。

…というか、このレイニクスという男はなんなんだ？ 七龍ってなんだよ

「…まぁいいや、俺様達の事を話してる時間はねぇ。 おいお前達、この7日間でお前達を強くしてやるよ」

「噓…あのレイニクス様が私達を…！？」

「夢みたいだねセレス！」

セレスとグリムが激しているが、俺は未だに訳が分かっていない。

「さて、んじゃ早速移するぜ？ 」

レイニクスがそう言うと、俺、セレス、グリムの3人のが青いに包まれる。

俺は、その眩しいに耐えきれず、目を閉じた。