《2度目の人生を、楽しく生きる》92話 「命がけのサバイバル」

「大発エクスプロージョンッッ!」

目の前で大発が起こる。 流石に大ダメージのはずだ。

発エクスプロージョンの黒煙のせいで周りが見えない。

逃げるなら今しかない。

俺は方角が分からないまま、その場から全力で走り出した。

そして、數分ずっと走り続けていると、先程俺が落ちた湖へと戻ってきた。

「はぁ…! はぁ……に、逃げられた…」

まさかあんな化けが居るとは思わなかった。 この森にはあんな化けが沢山居るのか?

だったら生き殘れる気がしないぞ……。

セレスとグリムは大丈夫だろうか。

「……とりあえず、食料を確保しないとだよな」

今は晝という事もあり、生が活発にいている時間だ。 夜になるとほとんどのは眠ってしまう。 

だからを見つけるのは晝しかないのだ。

森の中を適當に歩く。 當たり前だが、周りには木しかない。 

「……まぁ、分かってはいたけど、全然遭遇しないな…」

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は警戒心が強い者が多い、自分から進んで人間の前に姿を現す者はそうそういないだろう。

さっきの化けは別だけどな。

「……お?」

そんな事を考えていると、橫の茂みからガサゴソと音が聞こえてきた。

さっきのような地響きはない。 つまり、大じゃない。

矢フォトン・アロー!」

音のした方へ矢を放つ。 すると音の正が姿を現した。

「……イノシシ…か? ツノが3本あるけど…」

ツノが3本ある事を除けば、イノシシと瓜二つだった。

イノシシは食べれるはず……よし。

「食料になってもらうぜ! 矢フォトン・アロー!」

イノシシに向かって矢を5本放つ。 対してイノシシは……は?

「飛んだ!?」

目の前のイノシシがあり得ない高さまで跳躍した。

木のてっぺんを超える高さまで飛んでいる。そしてイノシシはなんと、その高さから真っ直ぐ俺に向かって急降下してきたのだ。

「…! くそっ!」

俺が後ろに飛んだ數秒後、イノシシが落ちてきた。 イノシシが落ちた場所には小さなクレーターが出來ている。

あんなの喰らったら死ぬぞ……

イノシシは真っ直ぐ俺を睨み、後ろ足に力をれている。

そして、一気に俺の目の前まで飛んできた。

「ぐっ!?」

イノシシの突進をモロにけ、俺は後ろの木まで飛ばされる。

…見えなかった。 イノシシの突進が早すぎて、目の前に來るまで視認する事が出來なかった。

「いってぇ…」

「ーーッ!!」

「おわぁっ!?」

またイノシシが突進して來たが、右に飛んで避ける事が出來た。

イノシシが當たった木は大きく抉れていた。

「威力強すぎだろ…!」

まさかイノシシも強いとは思っていなかった。 この世界のが強いのか、ただ俺の運が悪くて強いと出會っているだけなのかは分からないが、このままでは俺はイノシシには勝てないだろう。

「炎斬えんざん!」

レイニクスから貰った片手剣に炎を纏わせ、斬撃を飛ばす。

だがイノシシは炎斬を避け、また突進してきた。 俺は地面に突風ウィンドを撃ち、上に飛ぶ事で回避する。

だが、いちいち魔を使っていたんじゃ魔力がもたない。

「石連弾ロック・マシンガン!!」

俺の石連弾を、イノシシは走り回って全て回避する。 イノシシのスピードに石連弾が追いつけていない。

「くそっ…! 走り回りやがって…」

イノシシは石連弾を全て回避すると、その場で急に止まり、方向転換して俺の方へ突進してくる。

「水球ウォーター・ボール!」

水球を3発撃ち、1発だけイノシシの顔に當たるが、イノシシは構わずに走ってくる。

…厄介なのはあのスピードだ。 あのスピードに翻弄され、攻撃を當てる事が出來ない。

「……ん? …そうだ!」

思いついたぞ! イノシシのあのスピードを封印する方法を…!

「水領域ウォーター・フィールド!」

水領域を使い、この辺り一帯を水浸しにする。 だが、それだけではイノシシは止まらない。

あとは場が整うのを待つだけだ。 

「來い! 絶対にお前を食料にしてやる!」

「ーーッ!」

イノシシの突進を避けた後、俺はイノシシを思い切り蹴る。

イノシシはしよろけたが、すぐに俺から距離を取る。

「次は俺がお前を翻弄してやるよ。 風加速ウィンド・アクセル!」

風加速を使い、高速でイノシシの周りをグルグル回る。 イノシシは急にスピードが上がった俺に驚いたのか、顔だけをかしている。

「……まだいな。 水球! 水球! 水球!」

走りながら水球をイノシシの周りに撃ちまくる。

イノシシは何が起きているか分からないだろう。

もうイノシシの周りの地面は水浸しだ。

……そろそろいいだろう。

「上に飛ばなきゃ死ぬぞイノシシ! 炎拳ナックル・フレア!」

「ーーッ!!」

炎拳をイノシシに突き出すと、イノシシは俺の忠告通り高く飛び上がる。

その隙に俺は先程イノシシがいた場所に移する。

イノシシは俺に向かって上から急降下してくる。

イノシシが地面に落ちる直前、俺は後ろに思い切り飛ぶ。

「…俺の勝ちだ」

イノシシは突進しようと足に力をれるが、その場でバランスを崩す。

それもそのはずだ。 ”泥の地面”では、上手く走る事は出來ないからな。

俺は泥の地面を作るために水屬の魔を地面に撃ちまくっていた。

 そしてらかくなった地面にイノシシは先程上から落ちてきて足を取られ、上手くく事が出來なくなったのだ。

「トドメだ!」

けなくてもがいているイノシシのに片手剣を突き刺す。

するとイノシシは暴れ出したが、やがてかなくなり、その場に倒れた。

「ふぅー……」

周りを見ると、凄まじい事になっていた。

イノシシの突進によって抉れた木、俺の魔によって焦げた木や巖。

そして泥だらけの地面。

これだけやって、倒せたのはイノシシ1匹だけ。

「これは…命がけのサバイバルになりそうだな…」

そう呟くと、イノシシの死の近くにしゃがみ、合掌する。

この世界には自分で殺めたに合掌するなんて文化はあるか分からないが、俺の空腹を満たす為にこのを殺めてしまった。

ちゃんと謝はしておかないとな。

「………よし。 運ぶか!」

流石に泥だらけの場所で食事はしたくない。

場所を移する為にイノシシを持とうとすると…

「あ、あれ…? ふんっ! ふーーんっ!! ……噓だろ…?」

持ち上がらない。 まぁ…鍛えてるとはいえ、俺はまだ子供だもんな……

「引きずって行くか…」

時間はかかるが、こうするしか方法はなかった。

こうして、俺の波のサバイバル生活が始まった。

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