《2度目の人生を、楽しく生きる》97話 「新技」
「さて、龍化も覚えた訳だし、後は実踐あるのみだ。 前みたいに3人でかかってこい」
レイニクスが俺達から離れて言う。
……ローガと戦うのはあと5日後、部分龍化が出來たとは言え、まだ龍族の技が使える訳じゃない。
まだまだ強くなれるはずだ。
「んじゃ、始めるか!! いつでも來い!」
レイニクスが言うと、俺達は片手剣を強く握り、一斉に走り出した。
「龍化!!」
「部分龍化!!」
グリムが龍化し、俺は右手だけを龍化する。 そして、龍化した事により、能力が上がり、さっきよりもスピードが上がる。
そこで、俺はさらに
「風加速ウィンド・アクセル!」
風加速を使い、一気にスピードを上げる。
地面を蹴ると、あっという間にレイニクスの元へたどり著く。
流石にレイニクスも驚いたらしく、俺を一瞬だけ見失っていた。
「炎斬ッ!!」
片手剣に黒炎を纏わせ、一気に放つ。
部分龍化でも黒炎になるみたいだな。 普通の赤い炎よりも黒い炎のほうが威力が高いみたいだ。
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しかも、黒炎の炎斬は範囲も広い。
「あっぶねぇ…」
「土竜魔・ロックマシンガン!」
いつの間にかレイニクスの背後を取っていたグリムが、至近距離でレイニクスの背中にロックマシンガンを撃つ。
それにより、レイニクスが俺の元へ飛ばされてくる。
「ナイスだグリム!」
俺はレイニクスの顎を思いきり蹴り、上に飛ばす。
レイニクスは抵抗する事が出來ず、宙を舞う。
そして、思い切りジャンプし、空中のレイニクスに追いつく。 レイニクスの服をきっちり摑み…
「電流ボルト!」
「がっ…!?」
思い切り電流を流す。 そして、レイニクスの腹にかかと落としをくらわせ、急下降させる。
あとはザック戦と同じだ。
「突風ウィンド!」
急下降しているレイニクスを突風で、さらに落ちるスピードを上げる。
「今だセレス!」
レイニクスの落下地點に來ていたセレスに合図する。
セレスは右手を赤くらせ
「龍神武・紅破!!」
下からレイニクスの背中を毆ると、レイニクスがまた上に飛ばされてくる。
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そして、俺はもう次の技の準備にっている。
俺の右腕は、黒い大きな炎の拳が纏っていた。
これには流石に焦ったのか
「龍化!」
レイニクスは龍化する。 …さて、レイニクスの龍化と、俺の黒い炎拳。 どっちが上か、勝負だ。
「炎拳ナックル・フレアァッッ!!」
「龍水壁りゅうすいへき!」
レイニクスが水の壁を作る。 そこに、俺の黒い炎拳が當たる。
この狀況は、圧倒的に俺の方が有利だ。 俺は、そのまま威力を緩めずにレイニクスを地面に落とした。
レイニクスが地面に激突すると、小さなクレーターが出來た。
「…いてて…」
「へへ! どうだレイニクスさん!」
レイニクスはゆっくり立ち上がり、片手剣を俺達に向ける。
「3人共大分強くなってるじゃねぇか。 たった1日森でサバイバルしただけでここまで変わるとはなぁ…」
そう言うと、突然レイニクスの姿が消えた。 
そして、俺の左に立っていたグリムが、後ろに飛ばされた。
グリムがいた場所には今、レイニクスが立っている。
レイニクスの足元には、グリムが落とした片手剣がある。
「…えっ」
レイニクスが片手剣を振り上げた瞬間、俺はようやく狀況を理解し、思い切り橫に飛んだ。
「ふんっ!」
レイニクスが片手剣を振り下ろすと、その場に小さなクレーターが出來た。
「あぶねぇ…うわっ!」
安心していると、レイニクスが俺の前まで來ていた。 レイニクスが片手剣を振り下ろして來たので、俺は片手剣で防ぐ。
だが、これでは反撃が出來ない。
「紅破!」
橫からセレスが來た事により、レイニクスは後ろに飛ぶ。
ふと、セレスが腰に差している片手剣に目がいった。
「…そうだ!」
「…? ルージュ、どうかしたの?」
「セレス。 片手剣を貸してくれ!」
「え? まぁ、私は使わないからいいけど…」
そう言って、セレスは俺に片手剣を渡す。
俺は、両手に片手剣を持つ。
よし…上手くいくか分からないが、やってみる価値はある。 …かなり集中力がいるがな
「ふぅ……部分龍化!!」
左手を龍化させる。 これで右手と左手を龍化させる事が出來た。
…よし、ちょっと変なじはするが、暴走はしてないな。
「セレス、しの間、時間稼ぎ頼む」
「えぇ! 任せて!」
セレスがレイニクスの元に走って行く。
俺は、両手に持っている片手剣に、炎を纏わせる。 いつもは一本だけだから簡単だったが、二本になると難しいな。
だが、これで二刀流の完だ。 あとはこの二本の片手剣を上手く使うだけだ。
……いや…二本って事は…もしかしたらあれも出來るかもしれない。
「…行くぜ…」
両腕を後ろに引き、魔力を両腕に均等に貯める。
右と左の片手剣の黒炎が、より強く燃えあがる。
「雙炎斬そうえんざんっっ!!」
右と左の片手剣で同時に炎斬を撃つ。 炎斬は十字架のようにレイニクスの元へ飛んでいく。
セレスは既にレイニクスから離れている。
「…そんな事も出來るのかよ…!!」
レイニクスは両手で雙炎斬を摑むが、ジリジリと後ろに下がっている。
だが、レイニクスは気づいていない。 背後のグリムが起き上がっている事に。
「土竜魔・ロックブラスト!」
グリムが大きな石を5つ、レイニクスに飛ばす。
レイニクスはようやく気づいたのか、雙炎斬を摑んでいる手を1つにし、片方の手をロックブラストの方に向け
「龍水壁!」
龍水壁でグリムのロックブラストを防ぐ、だが、グリムは今度はロックマシンガンを撃つ。
そのおかげで、今レイニクスの両手は塞がっている。
「今だよ! ルージュ君! セレス!」
「あぁ!」
「えぇ!」
セレスはレイニクスの背後に、俺はレイニクスの正面に向かって同時に走り出す。
そして、セレスは右手を赤くし、俺は2つの片手剣に黒炎を纏わせる。
「紅破っ!!」
「雙炎斬っ!!」
前後から同時に攻撃を食らわせる。
辺りには黒煙が舞い、何も見えない。
俺達は集まり、黒煙が無くなるのを待つ。
…どうだ? 相當なダメージなはずだが…
黒煙が徐々になくなり、レイニクスの姿が見えてくる。
レイニクスは、俺達を見つけると笑顔になった。
「すげぇじゃねぇか。 きとか、まるで別人だぜ。 もう実踐訓練はやらなくていいな」
レイニクスは、全然ダメージをけていなかった。 も流していないし、怪我もしていない。
龍化しているとはいえ、実力の違いを思い知らされる。
「んじゃ、これからはルージュに龍族の技を教える。 グリムとセレスは見學か自主練だ」
2人は頷き、離れていく。
ようやく、龍族の技を教えてもらえる。
「と言っても、魔の方はもうマスターしてるがな」
「え?」
「ほら、炎拳と炎斬だよ。 龍化すると黒炎になっただろ? 普通は黒くはならないが、あれは紛れなく龍族の技だ」
…なるほど…知らないに龍族の技を使っていたわけか。
「だから、お前には剣を教える」
剣…!! 好都合だ、剣も上手くならないといけないからな。
「どうやら、ルージュは二刀流の才能があるみたいだ。 そんなルージュにうってつけの技がある」
「…二刀流」
「あぁ、ちょっと片手剣を貸してくれ」
レイニクスに言われ、片手剣を貸す。 レイニクスは両手に片手剣を持つ。 そして、俺から距離をとる。
「ルージュ! そこから全力で石連弾を撃ってくれ! 連続でな」
「え? あ、はい! 石連弾!」
言われた通りに全力で石連弾を撃つ。
石連弾は凄いスピードでレイニクスに向かっていく。
「よーく見とけよ? 龍神剣奧義・雙龍舞そうりゅうらんぶ!」
レイニクスは、走りながら両手の片手剣で石連弾を全て落としていく。 そして、驚いたのが、落とした石が凍っているのだ。 
レイニクスの片手剣にれたものは、全て凍っている。
石連弾を全て落とすと、俺に片手剣を返してきた。
「どうだ? これが龍神剣だ。 2つの剣を使い、れたものを凍りつかせる。 水龍の技だ」
水龍って事は…レイニクスの技って事か。
…今のを、俺がやるのか。
「やってみます!」
そう言って、二本の剣を構える。
「よし。 んじゃ早速…」
レイニクスはどんどん俺から離れていく。 そして、俺の方に手を向ける。
「今から俺様が魔を撃つ。 それを全て凍らせる事が出來たら合格だ!」
…えっ…まだやり方教わってないんだけど…
「ちょ…」
「行くぞ〜! 水龍魔・アクア・マシンガン!」
レイニクスが、1つ1つが俺の顔と同じ大きさの水球を連続で撃ってくる。
…いやいや、マジかよ…!?
「えっと…凍らせればいいんだから…ぶわぁっ!?」
考えていると、顔に水球が當たった。
……これは、時間がかかりそうだ。
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