《魔法陣を描いたら転生～龍の森出の規格外魔師～》８　現化

転生してから一ヶ月が過ぎた。

「ユーリ、朝ご飯の時間だぞー」

アーテルさんは徐おもむろに、和服のような服の襟をずらす。

 

「あーう」　（はーい）

俺はアーテルさんにを委ね、俺の頭がベストポジションにくる。

――いただきます！

どうやら、一ヶ月で人は変われることを俺は知ったのであった。

＊＊＊

あれから、魔力流しを毎日続けた。最初の頃は、流す量の調節を誤って意識を落とすこともしばしばあったが、今では思った通りに水路の太さを調節できるようになっている。

さらに、魔力をの外へ流しているうちに、魔力を現化することができるようになった。

魔力の現化は、魔力を流しているときに「湖のより、流れてる魔力のって薄いなぁ。濃くできたりするかな？　やってみるかー」といったじで、できるようになった。

最近は、魔力の現化を使って々と遊んでいる。魔力の現化は、魔力を高度に集めることによってできるらしい。

魔力の現化をすると、魔力の塊みたいなものを作り出せ、自由自在にれる。俺は手の形にして、赤ん坊の姿いまのげんじょうを何とか過ごしやすくするため、試行錯誤を繰り返しているといったじだ。

長いこと現化していると、魔力が減り過ぎて気を失いそうになるから気をつけなければならない。

現化ができるようになって、しばらく経った頃、気を失ったところをアーテルさんに見つかってしまい、酷く心配されてしまった。

ごめんなさいアーテルさん。

そして、現化がバレたときのアーテルさんの驚きようときたら、それはもう大変だった。

――「ユーリ、し騒がしいがどう、し……た！？　魔力の現化をしてるのか！？　まだ、赤ん坊のユーリが？　私の見間違いだろう。そうに違いない」

アーテルさんは目をったり、自分の頭を小突いたりしている。若干、顔が悪いような気もしなくもない。

俺は現化した手を振る。

アーテルさん、大丈夫だよー。これ、結構楽しいんだよねー。

「……！？　ほ、本當なんだな。いや、すごいぞ！　すごいぞユーリ！　赤ん坊にして、魔力の現化。龍人の子でも１０才ほどになってからだというのに」

アーテルさんの顔は次第によくなり、それと同時に目が輝き出す。その目は、俗に言う親バカの目になりつつあった。

え？　そ、そうだったんだー。まぁ、早いに越したことはないよね。うん。

「よし！　ユーリ、もっと私に見せてくれ！」

そこで、張り切ってしまったのが間違いだった……。

ありったけの魔力を注ぎ、魔人なるものを作ろうしたときだ。殘りの魔力がなくなってしまい、俺の視界が霞かすみ出した。

それから、徐々に意識が遠くなり、そのときアーテルさんが「ゆ、ユーリ！？　どうしたんだ！　ユーリ！　ユーリぃぃぃー！」と俺のことを必死に呼んでいた。

そこで俺の意識は完全にフェードアウトした――

それからアーテルさんは々、過保護気味になったのであった……。

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