本をめくる音が長の家に響く。読んでいるのは俺だ。今、読んでいるのは魔道についての本なのだが、これがまた面白い。

魔道は魔力を保有していたり、魔法的力をもっていたりする道の総稱だ。その力は様々である。魔道の中でも有名なのは魔書と呼ばれるものだ。

『魔書グリモア』は一言でいえば、魔法的力をもった本だ。ただ、その力は一言では表せられない。魔力を強化する力、未來を記す力、魔法を無効化する力など千差萬別だと言われている。

ただし、魔書は使い手を選ぶ。資格のない者にはその存在を現すことはなく、ましてや読むことすら許されない。魔書の所有者のみがその記されている意味を読み解くことができ、魔書に宿る力を行使することができる。

「魔書ね……」

ぜひともしいですっ！！

まぁ、俺の前に現れることなんてないと思うけど……。

俺は手にしていた本を閉じると、もとあった場所に戻す。

ん？　なんだこの本。

俺が戻した本のすぐ隣にあった本を取り出す。背表紙にタイトルがないのだから不思議にじてもしょうがない。

俺は本の表を見る。そこには『ログ』とだけ記されていた。

ログ？　どういう意味だろう。とりあえず、本の中を読んでみるか。

俺は表紙をめくった。そのとき……

「うわっ！？」

るはずのない本が、開かれたページからを放ったのだ。その量は、薄暗いこの部屋の屋を取り外して、部屋全に天のをあてているようだった。

が弱くなり次第に消える。部屋の明るさはもとに戻ったが、まだし頭がクラクラする。落ち著いてきたところで、俺は再び先ほどまで開いていたページに目を移す。

――記録ログの・魔書グリモアの資格者として、記されし名の者を認める。その名は『ユーリ』

って俺！？　魔書グリモア！？　本當にそうなの？　え、まじ。うぉおー！！　魔書ゲットだぜ！

俺は深呼吸をして一旦、落ち著くことにする。

これが魔書……こいつはどんな力をもっているのかな？

俺が疑問に思い考えていると、ページが勝手にめくれていく。開かれたページが先ほどとは違った淡いを一瞬放った。そこには俺の疑問の答えとなることが記されていた。

――記録ログの・魔書グリモアの能力……『記録』　所有者の會得した魔法、戦闘で行使した魔法など所有者にかかわる魔力、魔法について全ての報を記録する。

すげぇー！　親切に説明してくれるし、かなり役立つ能力だよね！

俺は魔書の能に興しながらも、次はどんなことを調べるか考える。

俺にかかわる魔力、魔法についてなら全ての報がわかるんだよね。じゃあ……

「魔書よ、俺の會得している魔法を教えてくれ」

魔書は俺の言葉に応えるようにページがペラペラとめくれ、りだす。先ほどと同じようにが消え去ると、文字が浮かび上がり俺の知りたいことを教えてくれる。

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會得魔法

＜初級＞治癒、自然、鉱石、生活（限定）

＜下級＞、闇、雷、氷、強化（限定）

＜中級＞火、水、風、土

＊『（限定）』とはその階級のみでしか存在しない魔法。

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おぉーっ！　すごいっ、あってるよ。記録ログの・魔書グリモアかぁ……ふふふ。俺の魔書。これは々調べないといけないな！