《魔法陣を描いたら転生~龍の森出の規格外魔師~》48 武龍団出撃

中央広場は集落に住む全ての人で溢れかえっていた。これだけの人が集合するのは、眠りの夜に行われる宴のときくらいだろう。俺は先程まで一緒にいたの子を親元まで連れていき、そこで別れた。

今は、セレーナとラルージュさんを探している。

どこだろう。こんなにも人がいると探すのも一苦労だ。

俺は軽く愚癡りながらも、キョロキョロと周りを見渡して歩く。この集落で龍化狀態なのはセレーナぐらいだと思い、探すのにそこまでかからないと踏んでいたが、実際は厳しい狀況となっていた。

急に中央広場が靜まり返る。何事かと思ったが、し顔の向きを変えると、長が臺に登り立っているのが見える。

『皆の者、よく集まってくれた。気がついている者もいるじゃろうが、心して聞いてしい。今、このドラフヘンにグラトニードラゴンの群れが近づいて來ているのじゃ』

やっぱり。でも、それなら武龍団が直ぐに対処できるはずだ。集落の全員を集める必要は……

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『うむ。ただの群れならば、武龍団が早急に対処できる。しかし、今回は數が異例なのじゃ。確認された、グラトニードラゴンの數は40を越えるとのことじゃ』

40を越える!? そんなことが……森で何が起きているんだ。

『グラトニードラゴンの討伐は武龍団が行う。今回の討伐は、激しい戦いとなる。被害を最小限に止めるためにも、皆には武龍団の結界で護られた中央広場で待機していてしいのじゃ。儂からの話は以上とする。各自、近くの武龍団に従って行するのじゃ』

早くセレーナたちと合流しないと……。

***

ユーリが報告に來てくれたおかげで、最悪の事態は回避できた。やはり、私の息子は優秀だな。それはひとまず置いておこう。

現在、暴竜の群れは北東から集落に向かって飛行している。こちらは攻撃班の団長率いる第一班と、私が率いる第二班が対処することになった。防衛班の第三班は中央広場で結界を張り、防衛に勤めている。

報収集班の第四班は、森へ斥候している。第四班からの報からだと、あと數十分ほどで、私たちが構えるこのエリアにってくるらしい。

気を引き締め直そう。

「副団長。班員の配置、終了しましたー」

「あぁ、ありがとう。フリージア補佐。お前も、持ち場についてくれ」

「了解です。……副団長、ユーリくんたちは大丈夫ですかね?」

確かに心配だ。いや、とても心配だ。ユーリなら、大丈夫だと思うが……うっ、そばにいてやれない母を許してくれ、ユーリ。

「おーい、副団長ー。副団長ってばー」

「……ん? 何だ?」

「もう親バカさんには用はないです! 私は持ち場に戻りますから」

「あ、あぁ。頼んだ」

あいつし怒ってたか? まぁいいか。

フリージアはやるときはやるやつだ。普段はおちゃらけてはいるが、補佐を務めるだけの実力はある。現に、私があいつを見放さないでいるのも、そんな理由があってのことだ。

普通だったら、とっくに口もきかないでいる。

「そろそろか……」

私はじる微妙な殺気を捉える。

「総員! 戦闘準備っ!!」

『了解!』

私は班員に指示を出し、自らも戦闘準備にる。相手が竜だからといって、油斷はしない。全力でいく。

『龍化』

私に流れる魔力が激しくくのがじられる。私が目を閉じ、開いたときにはもう、龍となっていた。私は龍人。龍と人の二つの姿をもつ者。

ドラフヘンでは集落の規模のことも考えられ、人の姿をしているが、私は龍であるこの姿が好きだ。この姿のときは、どんな相手にも負ける気がしない。それに……ユーリがカッコイイといってくれたしな。

「グァァー!」 (行くぞっ!)

私は自慢の翼を広げる。風を、空間を、摑むように力強く羽ばたく。空を統べる者は私だと主張するように。

私は守る。

――この生まれ育った集落ドラフヘンが、集落に住む皆が大切だから。

私は生きて帰る。

――する息子ユーリが待っているから。

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