《魔法陣を描いたら転生~龍の森出の規格外魔師~》20 最終試験
最終試験は俺との模擬戦だ。
俺に一撃與えたら即合格。もしくは見所があれば合格。
最初の1分間、俺は攻撃しないけどそれを過ぎたら反撃する。
戦闘不能になった時點で失格と言ったじだ。
「それではまず、ワンスさんからお願いします」
「ウスッ!」
ワンスさんは第一こうげき班所屬で、見た目からしてパワーがありそうなじだ。地龍の龍人というのも頷ける。
もちろん今回も龍化は止だ。魔法はOK。
「では――始め!」
俺はそれと同時にし離れたところに置いた砂時計を魔力の手でひっくり返す。
さて、どんな攻撃で來るかな?
「ウォォォオオオ!」
純粋な突進だった。
しかし2、3メートル離れていた距離を一瞬で詰めてきた。
パワーだけではなくスピードもあるみたい。
いいね。だけど……
「ム!」
「きが大き過ぎです」
俺は紙一重でその突進を避ける。
ワンスさんは避けられることを予想していたのか、しっかり2手目を放つ。
橫毆りの大きな腕が俺に迫る。
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強化魔法を使わずにければひとたまりもなさそうな攻撃だけど、當たらなければ意味がない。
ワンスさんの腕が風を切る。
「クッ、まだまだ!」
ワンスさんはパワーとスピードがあるその攻撃を続けて放ってくる。
だが、その全てが俺には屆かない。
そして時間が來た。
俺はワンスさんの後ろに回り込む。
「それでは俺も反撃しますね」
振り返ったワンスさんは突然消えた(ように見えている)俺が後ろに立っていたことに目を見開く。
ちなみに転移魔法は使っていない。
単純な歩法によるものだ。
振り返ったワンスさんの腕をそのまま摑み、俺は背負い投げる。
「よっと!」
「ウォッ!?」
俺の數倍はある格も、コツ1つで投げることはできるのだ。
そのまま摑んだ腕に腳を絡め関節をきめる。
「イッ!? まだまだ……アァッ!!」
粘ろうとしたワンスさんに対し、俺は躊躇なく締め付ける力を強くする。
ワンスさんは堪らず俺の腕を叩き、ギブアップだと告げた。
「腕が……」
折れてはないと思うけど……治癒魔法で治してあげよう。
「あれ? 痛くない」
「治癒魔法を使っておきました。最後まで粘る姿勢は良かったです。……ただ今回は殘念ですが、すみません」
「そうですか……」
「試験に參加して下さり、ありがとうございました」
俺が禮をすると、ワンスさんは悔しい表を見せるも同じように「ウスッ、ありがとうございました」と言って禮をして訓練場を去って行った。
***
わたしは今、訓練場の端の方に座ってユーリくんが模擬戦をしているのを見ていた。
大きな男の人(ワンスさんだっけ?)がユーリくんに突進する。
ユーリくん避けて! とびそうになるのを堪えた。
それよりもユーリくんがし笑っていたのが見えたから大丈夫だと思った。
案の定、ユーリくんはワンスさんの突進を難なく避ける。すごい。
まるで決まり切ったことのように、自然に避けてしまった。
それからワンスさんの攻撃が続く。しかしどれもユーリくんには屆かない。
舞を踴るようにヒラヒラと攻撃を避ける姿にわたしは見惚れていた。
「かっこいい……」
そして時間が來てユーリくんが反撃に移る。
あのワンスさんの大きなを軽々と投げてしまったのだ。
わたしはびっくりして開いた口がしばらく塞がらなかったのはだ。
ユーリくんはその後、細で背の高いの人、アールさんと模擬戦を始める。
綺麗な人だから別の意味で心配。
ユーリくんは優しいし、それにかっこいいから、の子は優しくされたら好きになっちゃうよ……。
ううん、ダメ。弱気になっちゃダメよ、わたし!
ユーリくんはわたしの・・・・王子様なんだから! 絶対、ぜぇーたいっ、他の娘には譲らないもん!
「ユーリくん、頑張って!」
***
ん!? 今、セレーナがいる方から凄い気迫をじたんだけど……気のせい?
まぁいいか。
次の相手は母さんの班、第二班所屬のアールさんだ。
アールさんとはし話したことがある。
すごく落ち著いていて、綺麗なお姉さんってじの人だ。
フリージ……どこかのお姉さんとは大違い。
「お願いしますね、ユーリさん」
「はい、お願いします」
アールさんはニコッと笑ってお辭儀をする。
俺も合わせてお辭儀をした。
こう綺麗な人がたまに笑顔を見せると妙にドキッとしちゃうよね。
あれ、セレーナの気配が鋭くなって……何故か俺の影からも突き刺すような気配をじるんですけど……。
いや、今は試験に集中しよう。
「では――始め!」
俺は先ほどと同じように砂時計をひっくり返し、模擬戦がスタートする。
「求めるは火。火よ、波の如く焼き払え!」
『ファイアーウェーブ』
火魔法<中級>の『ファイアーウェーブ』を開始早々アールさんが放つ。
広範囲の火の波が俺に迫る。
広範囲の魔法を、それも中級の魔法をこんなに早く展開できるのはとても良いね。それに広範囲だから逃げ道もない。
と、そんな呑気なことを言ってる場合じゃないか。
火の波は俺に辿り著くと、俺の周りをグルグルと回ってから消えた・・・。
反撃はしていないのでセーフだ。
「魔力でかき消した……? そんなこと可能なの……」
何かアールさんが呟いているけど、よく聞こえない。
「魔勝負ですか。いいですよ! 俺、魔は得意ですよ?」
「魔が得意ってレベルじゃないわよ!」
またアールさんが何か言っているけど、まぁ聞き返さなくてもいいよね。
さぁ、次はどんな魔法がくるかな?
「火よ!」
『ファイアーボール』
短い詠唱で3つの魔法陣がすぐに展開され、それぞれの魔法陣から火球が放たれる。火球は別々のコース、バラバラな速度と緩急で迫ってくる。
複數展開と正確なコントロールだね。
でも、これはだ。
本命はコッチか。
迫り來る火球を無視して、俺は後ろに展開された4つ目の・・・・魔法陣を龍剣で斬る。
「なんで!?」
そして振り向きざまに3つ火球を斬る。
魔法陣、火球は消え去る。
そして砂時計の砂がすべて落ちた。
「反撃の時間です」
アールさんは距離を取り、構える。
しかし俺に取って距離はあまり関係ない。
「アールさん、ありがとうございました」
「私はまだ……ッ!? けない!?」
「拘束魔法で縛らせてもらいました。簡単には見えないようになっていますが」
「いつの間に…………完敗だわ」
俺はアールさんの拘束を解く。
アールさんはけることを確認すると、佇まいを直し禮をする。
俺も禮を返すとアールさんは訓練場を去った。
最終試験、殘り1名。
読んで頂きありがとうございます!!
終わりませんでした。
噓をついてごめんなさい!!
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