《魔法陣を描いたら転生~龍の森出の規格外魔師~》54 巨花竜
都市キャロットでの2日目が始まる。
昨日、冒険者ギルドから依頼を要請された。
依頼は2つ。北側の土地痩せの調査と、俺たちより前に調査に向かった冒険者2組の捜索だ。
土地の調査はどうするか見當がつかないことを考えると、まだ冒険者の捜索の方が俺たちに向いている。
北側へ行くために俺たちは居住區を通った。
そこは居住區という名の通り、家ばかりだった。
ただ居住區というにはいささか人気がないような気がする。
住人はいるのだろうけど、活気がないと言ったらいいのかな。
まぁ、俺たちが訪れたのが早朝というのもあるのかもしれないけど。
居住區を抜けて、キャロットの北門を抜ける。
「え…………」
「ぜ、ぜんぶ枯れてます……」
「…………」
「これが、土地痩せなのか?」
それは異常な景だった。
緑が一切存在しない。草木が枯れ、地面が干からびている。見渡す限り枯れ果てた世界。
俺たちは南の群畑を、鮮やかな緑の景を知っているからこそ、余計に驚きを隠せない。
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これは土地痩せというよりも、土地が死んでいる。そうじざるを得ない。
それに本來なら流れているはずの土地の魔力がほとんど流れていなかった。
そしてこの先に魔力が一箇所に集められている場所がある。
この現象……。
「先へ進んでみよう」
俺は気を引き締めて、前に進む。
セレーナ、アカネ、リリーも頷き、俺の後についてくる。
枯れた土地は酷く靜かだった。鳥の一匹や二匹くらいいてもいいだろうと思うが、現狀は一匹も生きたは見ていない。
ミイラのようなの死はあったけど……。
魔力が集まる方へ近づけば近づくほど、嫌な気配が強まっていく。
一応、それぞれに結界を展開しておこう。
それぞれの足下に三重の魔法陣が現れる。
結界魔法(付與:空間魔法)による亜空間結界を展開する。
効果は簡単に言うと、相手の攻撃が亜空間を通ってすり抜ける。実質、攻撃を無効化できる。
「ここから先は危険だと思う……警戒しながら進もう」
「うんっ」
「はい!」
「ん」
***
それからしばらく進んだところで、俺たちはあるものを見つける。
「あ、あれは何ですか!?」
「大きな……ツボミ?」
「……ユーリ、アレ」
リリーとセレーナは初めて見たそれに、かなり驚いた顔をしている。
俺とアカネは『終わりなき森』でそれを見たことがあるため驚いてはいない。
「あぁ、あれは――――ッ!!」
その時、地中から巨大なが次々と俺たちに向かって突き出る。
その尖った先端から、というよりも杭のようにじた。
俺は火魔法を使う。
剎那、魔法陣が展開され、そこから蒼い・・炎が噴き出る。
は蒼い炎にれた瞬間に灰と化す。
〈うしろ〉
思念魔法によってアカネの思念言葉が伝わる。
〈大丈夫だ〉
俺たちの背後を取るように地中から突き出てきたは、途端に白い灰となってパラパラと崩れ去る。
最初に出てきたのを利用して、地中に炎を放つことでを一網打盡にした。
一度攻撃が止む。
今のうちに俺はセレーナとリリーに敵の正を教える。
巨花竜――ギガフラワードラゴン。
花竜フラワードラゴンの上位種であり、最上級上位の魔獣だ。
あの大きなツボミも、巨大なも巨花竜の一部で、の8割ほどが地中に埋まっている。
巨花竜は、を下ろした土地の養分や魔力を吸収して自のに貯め込む。
キャロットの土地が枯れ果てているのは巨花竜によるのもで間違いないだろう。
しかし、不可解なことがある。
巨花竜、花竜は終わりなき森の、それも深層部にしか生息していないはずだ。
それがどうやって……ひとまず、そのことは後回しにしよう。
被害を食い止めるには巨花竜を倒すしかない。
「巨花竜を倒す。3人はここで待機」
俺はアカネを見る。
「アカネ、セレーナとリリーを頼む」
「……ん」
アカネは一瞬、何か言いたげな顔をしたが頷く。そして、白狼の姿へと変わる。
「ユーリ様、お気をつけて!」
「うん」
リリーから視線を移すと、セレーナと目が合う。
「ユーリくん……」
「大丈夫、すぐに終わらせるから」
「うん、気をつけてね」
俺はセレーナの頭を軽くでる。
セレーナがニコッと笑う。
それじゃ行ってくる、と言って俺は転移魔法を使う。
ツボミの前まで転移した俺は、空中で停止して巨花竜を見る。
改めて見ると、やっぱり大きい。
ツボミだけでちょっとした小屋ぐらいの大きさがある。
そこから下が何十メートルもある首。そして、地中には巨大過ぎるが埋まっているのだろう。
「――――ッ」
突然ツボミがブルブルと震える。
ツボミの震えが一度止まると次の瞬間、開花する。
「――キュァァアアアッ!!」
花の中央にある竜の顔が甲高い鳴き聲を上げる。
結界魔法で音を遮斷、そして風魔法で風の刃を巨花竜の首に向かって飛ばす。
巨花竜の首がスパッと切れて、花頭と首が離れる。
これで終わればいいんだけど……。
そう思っていると、巨花竜の切れた首の先から新たな頭が生える・・・・・・・・。
巨花竜は宙に浮かんでいた古い頭をパクッと咥えると、そのまま呑みこんでしまう。
やっぱりそんな簡単ではないよね。それに自分の頭を食べるのか……。
巨花竜が俺を睨む。
「キュァァァア゛ア゛ア゛!!」
怒號が衝撃波となって響く。
結界越しだが、空気が震え、大地が震えているのがわかる。
「一気に終わらせたいところだけど……」
そう呟きながら、俺は地中に埋まる巨花竜の本……その中心にある膨大な魔力・・・・・を見つめた。
読んで頂きありがとうございます!!
気がついたら2週間が経って……2週間!?
申し訳ありません……。
毎日更新されている作者さんって、どうやっているんですか?? 寢る時間はあるんですか??
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