《魔法陣を描いたら転生~龍の森出の規格外魔師~》55 憤怒
巨花竜ギガフラワードラゴンは、地中から集めた魔力をの中心部に蓄積する。
その蓄積した魔力の量は個差もあるだろうが、武龍団の全員の魔力を合わせてやっと屆く量だと言われている。
その膨大な魔力によって、巨花竜は驚異の再生力を可能にしている。
目の前の巨花竜も、もれなく同じみたいだ。
正直、魔力が多いのは別にいい。そういう魔獣は終わりなきあの森にはたくさんいた。
けれど、厄介なのはこの場所だ。
無策に倒せば巨花竜が蓄積している膨大な魔力が暴発する可能は高い。そうなったらキャロットは暴発に巻き込まれて、更地になってしまう。
安全に倒す方法としては、現狀思いつくのは2つ。
魔力が暴発しても大丈夫な場所へ巨花竜を転移させ、倒すのが1つ。
これの問題點は、転移先をどうするか。それと転移させるまでにし時間がかかるため、その間に暴走されると困るという點だ。
もう1つは魔力ごと巨花竜を消し去るという方法。
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これは、迷宮でノワールロワ師匠を倒すときに使った魔法――虛無魔法を使うということだ。
虛無魔法は全てを無に帰す魔法。
強力な魔法であるため効果範囲は狹いし、消耗する魔力も他の魔法の比ではないが、巨花竜を魔力ごと消し去ることができる。
ひとまず、どちらの方法にしても巨花竜を地中から引きずり出し、きを止める必要がある。
土魔法を使って無理矢理引っ張り出すか。
「キュァァアアア!!」
威嚇する巨花竜を睥睨してから、俺は相手の間合いギリギリの地上に転移する。
そして、両手を地面につけて土魔法を発した。
巨花竜を中心に地面に浮かび上がった魔法陣が広がっていく。
瞬く間に展開された魔法陣が輝きを増して、その効果を発揮する。
魔法陣と同じ大きさの円柱が巨花竜を捕らえたまま隆起する。
俺は転移魔法で空中に移した。
「キュァァアア!?」
突然のことに巨花竜が揺しているように見える。
その隙を逃さず、俺は錬金魔法で土を鋼鉄に変えて、更に強化魔法で鋼鉄の強度を上げる。
巨花竜が鋼鉄に捕まっていない首や、をジタバタと振り回す。
しかし鋼鉄はびくともしない。
これなら転移してから、虛無魔法を使ってより安全に倒せる。
當初は終わりなき森に転移しようかと考えていたが、リリーと出會った草原に行けば周囲には何もないし、転移距離は短くなる。
転移先は決まった。
思念魔法でアカネたちに連絡しようと思った直後、俺の魔力知範囲に突然新たな魔力が現れる。
転移魔法・・・・でやってきたその魔力の主は、今まで見てきた人族の中では1番だと言える。
「何のようですか? テーレ・・・さん」
俺は後ろを振り返り、昨日とは違ってマントを著たテーレを睨む。
「おっと、もうバレてしまったよ。それにしてもその歳で、飛翔魔法を使えるなんて本當に末恐ろしいガキ子供だ」
テーレは皮めいた笑みを見せてから、さらに続ける。
「ボクのようはね、薄々気がついていると思うけど……君の大切な子を自分のものにすることだよ。ついでに君をイジメるけどね」
偽りの仮面を外したテーレの表かおは、酷く醜い。
今までにじたこともない憎悪と嫌悪が俺を襲う。
「なぜ……セレーナを狙う」
俺は沸々と湧き上がる怒りを抑えつけ、テーレに問う。
「そうだねぇ、1番は魔力かな。あんな膨大な魔力はじたことがない。一目見た瞬間に、ボクのものにしたいと思ったよ」
テーレは偽の笑顔でヘラヘラと語る。
「それに、見た目もいいからね。ボクの夜の相手おもちゃにしよう――――『黙れ』――――ブゲッ!?」
俺は転移魔法を使い、テーレの顔面を毆りつけた。
テーレが地面へと叩きつけられる。土煙が晴れる前に俺は拘束魔法(付與:吸収魔法)を使う。
転移魔法で俺も地面へと移する。
地面に埋め込まれた狀態で、テーレはき聲を上げてきは取れそうになかった。
その姿を見て、心がわずかにスッキリとする。
これじゃ憂さ晴らしと変わらない。自分が不快だから毆ったのでは、暴でしかない。
それでも、我慢ならなかった。
セレーナに対して、あの下衆な笑みを向けたのだと思うと、再び怒りが込み上げてくる。腹立たしくて仕方がない。
「……やった、な……オマ、エは……ボク、に、てを、だした……」
テーレは腫れた片目を瞑りながら、意地を見せるようにそんなことを言う。
脅すような発言ではあるが、そんな姿で言われたところで凄みはかけらもじられない。
フッとテーレが笑う。
「……いまに、なって……こうかい、した、か?」
呆れて黙っている俺を見て、何を勘違いしたのかテーレはこんな狀況でも相手を煽るようなことを言う。
「お前の考えていることは通用しない。俺には優秀な使い魔がいるからな」
俺の態度に、テーレは間抜けな顔でこちらを見ていた。
***
「悪く思うな」
「大人しくしていれば、何もしないわ」
私たちの前に転移してきた男とがそんなことを言う。
確か転移師と騒がれていた男の後ろに付いて歩いていた二人だ。
何かするつもりなら、手加減はしない。
ユーリから、セレーナとリリーを頼まれている。私が二人を守る。
本當は「一緒に戦いたい」と言いたかった。
私はユーリの使い魔だ。
主人ユーリの隣で戦うことが私のみ。
いや、それは違う。
ユーリの『力』になること、それが本當のみ。
二人を守ることがユーリの求めることで、ユーリの力となるのなら、私はユーリのために二人を守る。
私が睨みつけると、男は背中に背負った大剣を構える。
「いい魔獣を躾けているようだが、所詮ウルフ系。俺たちに殺される前に、引き下がらせた方がいい」
『心配はいらない……私は負けない』
思念魔法で敵二人に答えてやると、男とそろって目を見開いて驚いた。
読んで頂きありがとうございます!!
そして、いつもいつも本當にごめんなさい!
嫌になったわけではなく、書けない……そんな狀態が続いておりまして(言い訳です、はい)……新作を考えるという現実逃避をしています。
お待ち頂いている方、本當にごめんなさい。
2週間は超えないように頑張ります。
(後書きが長くなってごめんなさい)
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