《シスコンと姉妹と異世界と。》【第6話】男の矜持①

おはようございます。朝です。

隣に何故か、ローズがいます。

「おーい、ローズぅ。こんな所で何やってんだ〜起きろ〜」

「はひっ!? うわ、なんでお兄ちゃん!」

勢いよくローズが飛び退く。

「なんでもなにも、俺が起きたらローズが隣で寢てて……」

「そっか……って、あぁぁーー!!! 違う! お姉様に『あの寢坊助を起こしてきてくれ』って頼まれてたんだった……」

「今は…………10時半か。うん、遅くない」

「そう? かなぁ……まぁお兄ちゃんがそう」

「遅いっっ!!!!」

((びくぅっ!!!))

「お、お早う。姉さん」

「何がお早うだ、バカ! 10時半だ! お前が手合わせ頼むって言うから、こっちは早起きして、風呂を済ませて、ご飯食べて、々整えていたと言うのに……なぜお前は寢間著で、しかも隣にローズがいるんだ? ん?」

「いや、これはデスね、お姉様……」

「ごめんなさい! わたしがお兄ちゃんを起こしに來たんだけど、お兄ちゃんのかわいい寢顔見てたら、何だかこっちまで眠くなっちゃって……そのまま一緒に……」

「いや、ローズが謝ることでは……。頼んだのはわたしの方だしな……。(わたしが起こしに來てれば、ショーのかわいい寢顔が見られたというのに!)悪いのはショーだ!」

「……ごめんなさい。なんか今日の事考えたら眠れなくなっちゃって。姉さんが膝枕とかで寢かしつけてくれたら良かったかなぁ」

はあれだが、鍛練で鍛えられて引き締まった姉さんの艶めかしい腳での膝枕。とても魅力的である。

どうしても前世の記憶が戻って以來、2人のことを異としても変に意識してしまう気がする。でなければ俺は変態だ。でもどうなんだ実際問題……。

でも、シスコンなのは認めるしかないからな〜。「姉」とか「妹」っていうカテゴリは狡い。あと「年上」とかもいいな。

「それはダメお兄ちゃん!! 膝枕してしいなら、わたしがしてあげます! たまーにしてあげてました!」

とんでもない弾投下である。いやすげー嬉しいけどね! でも無意識下じゃ意味がねえんだ!!

「ちょっ、ローズ! それはどういう……(ずるいずるいずるい)、ショー。もしどうしてもとお前が言うなら、姉としてその願いを葉えてやらんでもないんだぞ? その代わり他所では、他人にそんなことを頼んだりしないと誓いなさい」

「ちょ、姉さん? 目がマジ怖ぇぇっす! ってか、他人に膝枕頼むほど、俺頭おかしくなってないよ!? わかった。じゃあ、今日の手合わせで俺が勝てたら、なんか1個お願い聞いてよ!」

「えっ!? いやそれはどうだ? なんかお前、変なこと考えてるんじゃないか?」

「いきなり冷靜に考えないで!?」

「イイじゃないですか〜お姉様。面白そうじゃないですか! お兄ちゃんも気合ってるし」

「それでヤル気満々ってのはどうかと思うけど……まぁいいか。わかった。ショー、わたしが勝った時にも、何かしらのことはして貰うからな」

「よっしゃ! じゃ準備する!」

「わわっ、馬鹿馬鹿! 仮にもわたし達がいるんだから目の前でぐんじゃない!!」

「じゃあ、お姉様は先に戻ってて下さい。支度が済んだら、修練場に連れていきますので」

「ローズ! 一緒に戻るぞ!(抜け駆けはダメだ!)」

_________修練場へ。

「さぁ、ショー。お前の自の程を見せてもらうぞ。いつでもかかってこい」

あのちっこい神様の言うとおりなら、俺はマナへの干渉力が強いはずだ……。なら後は、強いイメージをすれば、この作られた箱庭様のシステムが何とかしてくれるんだろ

……まぁ決める時は、幻魔法しかない、か。練習したわけじゃないから、普通の攻撃魔法がどこまでの威力に底上げされてるかわかったもんじゃない。ホントにローズの治療魔法の世話になる訳にはいかねぇ。

「(お兄ちゃんの周りのマナがなんか活き活きとしてる……。お兄ちゃん、どんな魔法を使うの?)」

「じゃあ、行くぞ姉さん……」

向き合い、互いに剣を構える。姉さんは王道の両手剣スタイル。俺は右手で剣を保持する片手剣スタイル。

魔法を使う以上、片手を開けておかないと、目的の座標も測れない。

「せいっ!!」

「「加速魔法っ!?」」

姉妹が驚きを聲にする。実際に出來たことに俺が一番驚いているのだが。

「喰らえぇッ!!」

「微溫ぬるい!」

勢いよく振り下ろした右手の剣が、姉さんの剣にいなされ、鍔迫り合いに。

「力比べなら、負けねぇっ!!」

「舐めるなぁぁ」

「チッ。姉さんも自己強化魔法を」

「お母様ほどじゃないが、わたしもほんのしくらいは魔法を扱えるッ!」

このままじゃジリ貧だ。スタミナ勝負じゃ、普段から鍛練を積む姉さん相手に、こっちの部が悪すぎる。

奧の手ッ______。

「姉さん……」

「?」

「…………大好きだ」 

「なっ、ずるっ…」

「あっ……」

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