《シスコンと姉妹と異世界と。》【第20話】寵
學からひと月半、ついに俺はショーに疑問をぶつけることにした。と言うのも、今度2人で遊びに行こう、ということになりその予定を詰めるため、モーリスの部屋に招待されたのだった。
部屋にあるのはベッド、本棚、簞笥たんす、剣くらい。寢るか素振りするかみたいな簡素な部屋だ。
俺の部屋は2人でかなりのスペースをオシャレに取っているので、俺のは殆ど無かった。ほんと服くらい。
週末に街を散策することに決め、雑談に話が向いた頃に俺は疑問をぶつけてみた。
「なぁモーリス。……俺はどうしたらもっと強くなれるかな」
「ショーは十分に強いよ。魔法を使われた段階で、僕が負けてしまうだろうね。まぁ使わせないように手數で攻めるなり全力を盡くすんだけども」
そう言ってモーリスが笑う。いい顔なんだよホント。俺がの子ならイチコロだね。だから嫌味ったらしさがまったくない。
「なんかなぁ……お前と戦ってると、頭の中を覗き見されてる気分になるんだよな〜」
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「まぁショーの太刀筋は良い意味で荒れてるから、きを読み辛いと思うんだよね」
「……思うんだよね? モーリスは思わないの??」
「んー、これは皆には黙っていてしいんだけど」
そう前置きされる。何を言われるのだろうか。
「ああ……」
「僕には太刀筋が見えるんだよ。何故かね。マナが直接脳に映像を送り込んでくるというか……。力のり方や目線とかで、刀の筋道が見える」
「……は?」
「僕には太刀筋が見えるんだよ。何故かね。マナが直接脳に映像を送り込んでくるというか……。力のり方や目線とかで、刀の筋道が見える」
「……は?」
2回聴いても理解不能だった。そもそも最初の「……は?」はパードゥン?的なものでは無かったのだけれど。
「僕には……」
「違う違う違う!」
「え?」
モーリスが怪訝そうな顔をする。何故だろうか。大きな疑問を持ったのはこっちの方だというのに。
「もう1回言ってくれって意味じゃないんだよ。そんなウソみたいな、アホみたいな能力があるなんて思いもしなかったから、脳みそフリーズしちまっただけだ」
「まぁ、僕の力はそんなとこだね。『剣神の寵』って言われてるものらしい。心がついて剣を手に取った時からこうだったから、周りもみんな同じなんだとばかり當時は思っていたんだ。『なんで皆はコレが見えないんだろう? 避けられないんだろう?』ってね」
「ははっ、すげー嫌な奴じゃん」
思わず笑ってしまった。
「だろう? だから僕もなかなか友達が出來なくてね。今こうしてショーが隣で話を聴いてくれているのがとても嬉しいんだ」
抱かれてもいいわ……。
「そう言われるとな……。まぁ俺もそんな友達が多かったわけじゃないしな……。基本小さい頃の遊び相手は姉さん、ローズ、母さんの中から選抜されてたし」
「なるほど……。でもショーも僕と同じような力を持ってるんだよ?」
「へ? 俺?」
「そう。その様子だと自覚はなさそうだけど、君は『マナの寵』をけているね」
「まなの寵?」
なんか、まなちゃんなる人間からされてるみたい。マナの事だとは分かってるんだけど。
「そうだね。ショーはマナとの結びつきが他の人より格段に強いんだ。だから僕の頭の中には他の人の攻撃より明確に君の攻撃が浮かぶんだ。だから……」
「ササっといなされちゃう訳だ……」
「そうなんだよ」
「じゃあ、無我の境地に辿り著かないと無理か……」
「無我の境地か、それは面白いね。是非そんな強い人と戦ってみたいものだね」
「……で『マナの寵』って?」
「まぁ言った通り、マナとの結びつきが他の人より格段に強いんだ。だから授業で習うほどの呪文詠唱はいらないだろうし、鍛えようによっては無詠唱でいけるかもしれないね」
「なるほどな。確かに頭に思い描いた事を魔法で再現するのは得意かもしれないわ」
「ショー以外にもお姉さんや妹さんも、なにか特別な力があるかもしれないね」
「マジか!?」
「いや、家族だから有り得るかもってだけの話だよ。ショーは直接マナに干渉する力だから、僕でも気付けたというだけだからね」
「なんだ、可能のことか……」
まぁあれだけのなんだから、神様からされてるのは分かるような気もする……。
「さ、そろそろ夕飯の時間だ。食堂に行こうか」
「俺は一旦部屋戻るよ」
「あの妹さんにもよろしく頼むよ」
「ああ」
「あんなに食べる子は見たことないからね」
「そんなに有名なのか……?」
「恐らく、學期を問わずここの寮生全員知ってるだろうね」
「なんてこった……」
俺は思わず天を仰いだ。
魔法男子は、最強の神様に愛されてチートの力を手に入れた件について
あらすじは本編に 初投稿なので優しく見守ってくれると有難いです。 小説家になろうでも投稿しています。 世界観を想像しながら見ていただけると楽しいかなと思います。 ※ この小説(?)はフィクションです。実在の人物や國家、組織などとは一切関係ありません。 その點をご了承の上で作品を楽しんで下さい。 なるべく週一投稿!!
8 81クリフエッジシリーズ第三部:「砲艦戦隊出撃せよ」
第1回HJネット小説大賞1次通過、第2回モーニングスター大賞 1次社長賞受賞作品の続編‼️ 銀河系ペルセウス腕にあるアルビオン王國は宿敵ゾンファ共和國により謀略を仕掛けられた。 新任の中尉であったクリフォードは敵の謀略により孤立した戦闘指揮所で見事に指揮を執り、二倍近い戦力の敵艦隊を撃破する。 この功績により殊勲十字勲章を受勲し、僅か六ヶ月で大尉に昇進した。 公私ともに充実した毎日を過ごしていたが、彼の知らぬところで様々な陰謀、謀略が行われようとしていた…… 平穏な時を過ごし、彼は少佐に昇進後、初めての指揮艦を手に入れた。それは“浮き砲臺”と揶揄される砲艦レディバード125號だった…… ゾンファは自由星系國家連合のヤシマに侵攻を開始した。 アルビオン王國はゾンファの野望を打ち砕くべく、艦隊を進発させる。その中にレディバードの姿もあった。 アルビオンとゾンファは覇権を競うべく、激しい艦隊戦を繰り広げる…… 登場人物(年齢はSE4517年7月1日時點) ・クリフォード・C・コリングウッド少佐:砲艦レディバード125號の艦長、23歳 ・バートラム・オーウェル大尉:同副長、31歳 ・マリカ・ヒュアード中尉:同戦術士兼情報士、25歳 ・ラッセル・ダルトン機関少尉:同機関長、48歳 ・ハワード・リンドグレーン大將:第3艦隊司令官、50歳 ・エルマー・マイヤーズ中佐:第4砲艦戦隊司令、33歳 ・グレン・サクストン大將:キャメロット防衛艦隊司令長官、53歳 ・アデル・ハース中將:同総參謀長、46歳 ・ジークフリード・エルフィンストーン大將:第9艦隊司令官、51歳 ・ウーサー・ノースブルック伯爵:財務卿、50歳 ・ヴィヴィアン:クリフォードの妻、21歳 ・リチャード・ジョン・コリングウッド男爵:クリフォードの父、46歳 (ゾンファ共和國) ・マオ・チーガイ上將:ジュンツェン方面軍司令長官、52歳 ・ティン・ユアン上將:ヤシマ方面軍司令長官、53歳 ・ティエン・シャオクアン:國家統一黨書記長、49歳 ・フー・シャオガン上將:元ジュンツェン方面軍司令長官、58歳 ・ホアン・ゴングゥル上將:ヤシマ解放艦隊司令官、53歳 ・フェイ・ツーロン準將:ジュンツェン防衛艦隊分艦隊司令 45歳 (ヤシマ) ・カズタダ・キムラ:キョクジツグループ會長、58歳 ・タロウ・サイトウ少將:ヤシマ防衛艦隊第二艦隊副司令官、45歳
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