《シスコンと姉妹と異世界と。》【第22話】週末デート②

「大丈夫だ、まだ脈はある。だが至急手當は必要だな」

「わかってる! 衛兵探してくるからモーリスはその人を診ててくれ!」

モーリスは周りに人の気が無いことを確認すると、店の方へと意識を向けた。

「クソッ、店はどうなってる……」

心の中で「し離れます」と謝りつつ店の方へ向かう。

「なっ、こんな……」

「モーリス!! 街の人に自を伝えて來てもらうように言った! もうしで來るはずだ」 

「どうやら、強盜の仕業らしいね……」

「こりゃ酷ぇだろ……」

口が破壊され、店はショーケースやらなんやらのガラスが散していた。金目のこそぎ奪われたらしい。殘ってるのは傘立てのようなのにれられた安価な剣だけであった。

「おい! 何があった!? これは……」

衛兵さんが到著した。

「強盜の被害のようです。表の店主さんは!?」

「大丈夫だよ。君たち2人が早めに通報してくれたおかげだ。謝する」

「「よかった……」」

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「君たちはどうしてここへ?」

「買いに……。犯人はどうするんですか?」

「とりあえず検問の數を増やして、街の中に犯人を閉じ込める。あとは虱しらみ潰しにして捜索だろうな」

「犯人を見掛けたりはしていないのかい?」

「僕たちがここに來た時にはもう……」

「だが、店主の傷はまだ新しい。不幸中の幸いと言うべきか、犯人はまだそう遠くに行っていないはずだ」

それで検問を増やすと言っていたのか……。

「付近にはまだ賊が潛んでいるかもしれない。君たちも十分に用心してくれ。また、怪しい輩を見かけたら直ぐに我々を呼んでくれ」

「迅速な対応に謝する。やはりアレックス様の息子なのだろうな。では」

そう言って衛兵さんがその場を離れる。後片付けは後回しにして、付近の捜索に行ったらしかった。

「……どうする?」

「どうする、とはどういう意味だいショー?」

「付近にいるっていう犯人、とっちめるのか?」

「無論だ。若干ではあるがここで使われたのと同じマナをじ取ることは出來る。東へ向かったようだ。犬のように鼻が利くわけじゃないから、直接犯人を見つけることは出來ないが……」

方の方角がわかるなら俺の魔法でどうにかならないかな?

どうでしょう、世界さん?

「探査魔法……」

(20m先、左方向です。その先400m先、左方向です)

「まさかのカーナビ風……。まぁ取り敢えずほら、これ持ってこうぜ」

「いいのかなぁ……」

「後で返しに來れば大丈夫だろ。流石に得のひとつもなきゃ、賊と事を構えるのにも心細いだろ」

そう言って、店にあった安価な剣をモーリスにも渡す。

「探査魔法を使った。はじめて使ったから度に関しての保証はないけど……」

(心外なお言葉ですね。貴方様は『寵』をおけなのです。この程度のことなら造作もないことなのです)

軽くナビに怒られた……。ナビ子め……。

(ナビ子ですか……。名前を與えられたのは初めてです……)

「さて、行くか。……と、ここを左だったな……」

「ここをかい?」

モーリスが驚くように、そこは人が通るような道ではなかった。建と建の隙間。

二次元でよくある、の子のおっぱいやおが挾まってつっかえちゃうようなアレである。

(ここをです。その先400m先、左方向です。最短ルートでご案致しております故)

ですよね……。

「行くか……」

「やはり狹いものだね……」

15m程進んだところで普通に人ひとり歩けるくらいの幅になった。んなアホみたいな長さの建がこの時代にそうあるはずが無いからな。道を抜けると大通りに出た。

「んでここを……」

(左方向にございます)

ナビ子が食い気味に教えてくれる。

「左だってさ」

「……誰かと會話してるのかい?」

「なんか俺の探査魔法はそういうシステムらしいわ」

「へぇ、僕は使えないからよく分からないんだけどね」

「この先は……」

(右手に見える廃屋が目的地です。目的地周辺ですので、案を終了致します)

「アレが目的地らしいぞ」

右手のボロ倉庫を指差しながらモーリスに伝える。

「なんか、いかにもってじのところだな……」

「同だな。……著いたか。さて、どうするショー」

「んー、取り敢えず建の周りを見て回ろう。裏口とかがあればここの正面の口は塞ぐから」

______。

「どうやら口は正面のここだけみたいだね」

「隠は無理か。相手は魔法が使えるんだったな?」

「おそらくね。そう強いマナはじないし、そこまでの手練という訳でもないと思うんだけど」

どうしたら一網打盡に出來るか……。実行犯の人數も分からないし。無差別に殺すわけにも行かないし。

「なぁモーリス。生け捕りじゃなきゃダメなのか?」

「殘念だがそうだね。萬が一ここの中にいる連中が無関係の人間だった場合は、僕らが殺人犯になってしまうからね」

「やっばそうなるよなぁ……」

ナビ子〜。おーいナビ子〜。

(お呼びでしょうか?)

「この中に何人いる?」

(5人でこざいます。うち1人は意識が無いようですが……人質かもしれませんね)

「分かった。さんきゅ」

「なにか分かったのかい?」

「中にいる人間は5人で、そのうち1人が人質に取られているかもしれない。意識が無いそうだ」

「そんなことまで分かるのか……。ただ、無闇に人前でその力を使うのはやめた方がいいだろうね」

「なんで?」

「何も無い所を見つめながら1人で會話をしてる人間を見て、好印象を抱く人間はそういないだろうからね」

「そんなふうに映ってるのか……」

「幽霊と話してるようなじに見えていたよ」

「ま、まぁともかく作戦を練ろう」

神は、浮気していなかったのだから。

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