《シスコンと姉妹と異世界と。》【第26話】はじめてのおつかい②

「どれにするったって何があるの? ……ッ!!」

「これはローズが選ばないとな」

「たしかにローズちゃんが選ぶべきだねぇ」

姉さんとアリスさんがそういうのも無理はない。

最初の任務は食材の調達だったのだ。

「……どーすんのーローズ、決まったー?」

かれこれ10分、ローズは悩んでいた。山菜、魚介、。任務の容はその3つのうちから1つのジャンルの食材を調達すること。報酬はしのお金と、調達した食材で夕飯を作ってくれるということであった。

お金だけの報酬であればローズも悩まないだろう。だが夕食に絡むとなると違ったらしい。

「……山菜」

ローズが結論を出した。

「よし決まりだね!」

「あとおも」

「2種類も行くのか!?」

ローズの決定にアリスさんが安堵した直後に項目の追加。姉さんが思わずひっくり返るようなリアクション。

「まぁ、どっちも採れる場所は同じだし……」

と魚と言わなかっただけマシである。

「それでしたら、お2人はこちらをお納めください。エリーゼ様とアリス様はお持ちでしたよね?」

「なんスかこの箱?」

付のお姉さんから掌に収まるような小さな箱を1人1箱ずつ渡された。

「そちらは収納魔法がかけられた箱になっております。その中には24時間まで劣化無しでれておけます。収納時間をばしたい時は1度外に取り出してくだされば結構です」

「でも、れ口小さ過ぎないですか?」

今度はローズの質問。俺も同じこと思ってた。やっぱ兄妹だなぁ〜。

れたいものを近付ければ大丈夫です。例えばこのペンを……」

「「おぉ〜」」

ペンがフッと吸い込まれるように消えて思わず聲が。

「アリス、わたしたちの時と同じような反応だな」

「そうだね。初めてアレを見たら誰しもああなるよね」

「それじゃ、ペンを返してください」

「「……どうやって?」」

「出したいを念じて箱を開ければ、その辺に出て來ますよ」

「じゃあ機の上に……おっ」

「うまく出せましたね。これで沢山食材を採ってきてください。學園の食糧費も浮くのでこの任務が最初に組まれるんです」

「なるほど。確かに危険がなくて難易度も低いこの任務なら、確実に収穫も期待できますもんね」

「ご明察です。まぁ、學園の為によろしくお願いね。エリーゼもアリスも2人に無茶させないようにね。それじゃ、お気を付けてー」

付嬢モードから友達に戻ったお姉さんが手を振って見送ってくれる。

「あの人はカーリーさんだ」

「カーリーさんも僕たちの先輩で學園の卒業生だ。任務を難易度ごとに振り分けたりするのもカーリーさんの仕事でね。実戦でも相當なウデだと噂されているよ」

「ほえ〜」

あのザ・書みたいな人が……。この世界では珍しく黒髪だったなぁ。あんまり數見ないんだよなぁ。まぁ外國だと思えばそんなもんなのかな?

(そーいや、ナビ子。ナビ子やーい)

(お呼びでしょうか?)

(さっきカーリーさんから収納魔法のかかった箱貰ったんだけど、この箱に頼らないで俺が収納魔法使えたりしないの?)

(え? 使えますよ?)

(ほんと?)

(條件として言えば、蓋があるなら何でも代用ができます)

(なるほどな。ありがと。これから採取だからまた後でナビ頼むわ)

(かしこまりました)

「どうした、ショー? 何も無いところを見つめて」

「え? あーいや、狩り場はどこなのかなって」

「あと20分くらいで著くはずだよ〜」

いよいよ、任務本番である。

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